ひさいスポーツと言えば距離計の総合ブランド「ボイスキャディ」シリーズが有名だが、弾道測定器の「スイングキャディ」シリーズも好調だ。
『SC300i』は持ち運びのしやすさと手頃な価格で多くのインドアやゴルファーに支持されてきた。そんな同社から新作『SC4』(8万8000円)が発売された。そこでレッスンで様々な弾道測定器を使用するHARADA GOLFの原田修平プロに同製品をテスト&解説してもらった。
今回は前編をお送りする。
【前編動画】弾道測定器『SC4』をHARADA GOLF原田修平が徹底解説
「置くだけ」で使える手軽さとシンプルで見やすいデータ表示
原田 一見タブレットのようなスタイリッシュなデザインで意外と軽量です。計8項目(飛距離/スイングスピード/ボールスピード/ミート率/打ち出し角/最高到達点/打ち出し方向/バックスピン量)のデータに絞っているので逆に一般的なアマチュアの方には見やすいのではないかと思います。
早速使ってみましたが、第一に電源を入れてスタンドを出してただ「置くだけ」という手軽さに驚きました。というのも多くの弾道測定器は事前の設定やらキャリブレーションやらで置くまでがとにかく大変なんですよ。普段グループレッスンをすることも多いので、置くまでに手間取っていると生徒さんを待たせてしまう。

我々レッスンプロにとってはポンと置いてすぐに使えるかどうかがポイントなのでこれは楽ですね。操作も付属のリモコンで立ったまま行えるので便利です。
まずドライバーで1球打ってみましたが、打ち出しが真っすぐで緩やかに左に曲がったのと、球が若干低めでした。データを見ると打ち出しがストレートでその後左にマイナス1.4度、打ち出し角は10.9度と表示されており、まさに感覚通りの結果になっています。
飛距離はリモコンでトータルとキャリーを切り替えて表示できます。特にプロや上級者はキャリーを重視するので実用的です。また設定でボールの飛距離を調整できるので飛ばないレンジボールでも実践的な練習ができます。
アイアンショットで見る『SC4』活用術
原田 アイアンを打つ際にはリモコンで番手とロフト角を簡単に切り替えられます。最近はアイアンもストロングロフトが主流なのでこの設定が簡単にできるのは助かりますね。
アイアンショットも測定してみましたが精度も問題なし。特に打ち出し方向はかなり正確に出るので、私がレッスンでよくやるクラブ軌道を修正する練習法に活用できそうです。
例えばアウトサイドインが直らない生徒さんには右足のつま先を上げ、左足の踵を上げたまま打ってもらうと自然と軌道がインサイドアウトになって打ち出しも右になります。逆にインサイドアウトが強い方はその逆をやることで打ち出しを右に変えていける。
実際にそのドリルをやったところ『SC4』がしっかりとその球筋を再現しています。ドリルによって体重配分と球筋の関係性を理解し、それが実際にできたかどうかをデータで確認する。それがやりやすい弾道測定器だと思います。