ひさいスポーツは時計型GPS距離計、ボイスキャディ『T‐ULTRA』を発売した。
そこで距離計マイスター「くわっきー」こと桑木野洋二氏がゴルフ場で同製品を徹底解説する。前作からの進化はいかに?
【動画】『T‐ULTRA』をコースで使ってみた
『T‐ULTRA』をコースでくわっきーがテスト&徹底解説したので観てもらいたい。
ボイスキャディ「Tシリーズ」の最新モデル
桑木野 レーザー距離計が女子プロに人気の「ボイスキャディ」ブランドは、GPS距離計も充実しており、そのラインナップの頂点に位置するのが「Tシリーズ」である。
前作『T9』はフラッグシップモデルらしく、至れり尽くせりのフルパッケージで、手にしたゴルファーを満足させてきた。その「Tシリーズ」から新たな製品が登場する。9の次は10かと思いきや、『T‐ULTRA』と言う。
初めて手にした時、まさに名前の通り「ウルトラ」な画面の大きさを感じた。1.34インチの液晶の大きさ以上に、外に広がるようなデザインは珍しく、数字以上に大きく見える。
手に取るとその軽さに驚かされた。ボディは35g、ベルトの先を内側に収めるタイプのバンドを入れても52.5gである。タッチパネル式でボタンも一つしかないから、大きいのにスイング時にまったく気にならない。
練習場でも使える距離計
桑木野 機能は前作の『T9』でもフルパッケージだったから実証するまでもないが、実際のラウンドで役立ちそうな機能を改めて体験してみた。
まず、スタート前にスイングテンポを計測。テイクバック、ショット全体のスイングリズムを数値化する。日頃から練習場に通っているゴルファーは事前にじっくりと活用したい機能だ。
ベストショットの時のリズムの数値がわかれば、ラウンド中のミスショット時に早打ち等の原因が明確にわかり、即座にリカバーできる。スコアにも反映しそうな機能だ。
ゴルファー目線の的確な表示
桑木野 早速コースで使用したが、タッチパネル式だから直感的に触れるのも良い。バンカーやハザードをタッチするとそこまでの距離が表記される。
事前に登録したドライバーの飛距離の目安が赤い半円で表示されるから、ショットの前に十分な情報が得られて、自信を持ってショットに臨める。
その後、セカンド地点に向かうと自動で画面が拡大される。「ボイスキャディ」独自のV・AIでプレイヤーの位置から見た最適な表示をしてくれるのだ。
ショットを自動認識してくれるからドライバーの飛距離も即座にわかる。ラウンド中に欲しい情報が、ゴルファー目線の的確な表現で勝手に教えてくれると言ったらいいのだろうか。
その最たる機能が「スマートアプローチ」だ。グリーンに近づくと切り替わった画面には、グリーンアンジュレーションを58パターンで色分けした詳細な高低差をビジュアルでわかりやすく教えてくれる。
ピン位置もタップして実際の位置に移動できるから、フロントエッジ、ピンまでの正しい距離に加えてグリーンの状況を事前にインプットして、攻めのショットが展開できるのだ。
そしてグリーンに乗ったら、58色で細分化された傾斜が参考になるだけでなく、ボールの位置とピンの位置をタップするとピンが正確な地点に移動し、残り距離を教えてくれる。これには驚いた。しびれるパッティングの前に、経験豊富なキャディさんが詳しく教えてくれる情報を瞬時に左腕に表示するのだ。
ゴルフとの向き合い方を変える衝撃的なGPSウォッチ
桑木野 それと今作は半透過型の液晶を採用しているため、日差しが強い時こそ画面が鮮明に映る。また「MyVoiceCaddieアプリ」と連動してラウンド後に振り返りができるのも便利だ。
とにかく至れり尽くせりのフルパッケージの機能で、全世界約4万コースに対応した最新モデルが、5万円を切る価格で手に入れることができる。今どきのフェアウェイウッド1本の価格に近いだろうか。比較対象になるかわからないが、ゴルフとの向き合い方が変わる衝撃的な商品だと思う。