SYB(サイブ)ブランドを展開するコンセプトより『EZ/915』シリーズのフェアウェイウッドとユーティリティが発売された。テクノロジーは先行発売のドライバー『EG‐05』を踏襲。さらに今作は335、350、370と内径の異なる3つのスリーブを用意し、様々なシャフトやセッティングに対応する。
特にユーティリティのセッティングは、アイアンからの流れとフェアウェイウッドからの流れの2通りに加え、単体で使う考え方もある。それだけにシャフト迷子になるゴルファーも多い。
そこでギアの賢者・ソクラテス永井がユーティリティ(4番)を試打。実験的に335(FW用シャフト)、350(UT用シャフト)、370(アイアン用シャフト)の3本をテストし、その違いを検証・解説する。
【動画】『EZ/915』ユーティリティを徹底試打
まずはソクラテス永井の試打動画を観てもらいたい。
3サイズのスリーブで『EZ/915』ユーティリティを試打
永井 シャフト選びで最も難しいのがユーティリティです。理由は番手ごとに求められるシャフトが異なるからです。私も普段工房でネックを加工してもらってアイアンシャフトを入れるなど工夫していますが、今作はしっかりスリーブを3タイプ用意してくれているので手間もかからず興味深いと思っています。
まず構えた時のヘッドですが、リーディングエッジとバックフェースの輪郭が左右対称になっており、全体的に丸みのある顔に見えます。
一般的な4番ユーティリティだとフェース面が多く見えて左に行くような不安が出てくるのですが、トゥ側を逃がしフェース面にブラック処理を入れることで、それを軽減しゴルファーが心地良く打てるようにしています。またフェース面にしっかり溝をつけることで雨露を逃がす効果もあり、実践的な構造と言えそうです。
まずは350のスリーブでシャフトはハイブリッド用のフジクラ『MCH 60・S』を使用しました。打感はマレージングらしい心地良い弾き感と打音があり、直進性のある弾道になりました。スタンダードなユーティリティ用のシャフトということもあり、先端がヘッドをしっかり押し込んでくれました。
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UT350[/caption]
続いて335のスリーブでシャフトはフェアウェイウッド用のフジクラ『MCF 60・S』を使用しましたが、まずワッグルの段階で先端の動きを感じます。
打ってみると明らかに350と違いシャフトが動くので、自分でタイミングを作って打った分、ヘッドスピードも落ちてクラブパスもインサイドアウトが強く出ました。
弾道も撓り戻りがある分つかまった球になり、打ち出しと高さが出ました。このことからも3番ユーティリティなどの長い番手で335を装着し撓りで距離を稼いでいくような使い方が見えてきます。
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UT335[/caption]
最後は370のスリーブでシャフトはアイアン用のフジクラ『MCI 60・S』を使用しましたが、335とは対照的にシャフトが仕事をしなくなるので自分で積極的にスピードを出して働きかけていくイメージになります。その分ロフト通りの弾道になるためデータ上も一番打ち出しと高さが出ました。
シャフト先端の強さがヘッドのパフォーマンスをそのまま出した印象です。硬いシャフトを自分でスピードを出して振っていくアイアン的なイメージになりますので、5番ユーティリティなどの短い番手で使用すると、よりヘッドの性能が出せそうです。
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UT370[/caption]
無限セッティングを実現
永井 以上スリーブとシャフトを変えながら試打しましたが、今作は3番~5番まで用意されていますが、番手ごとにスリーブとシャフトを変えるセッティングも見えてきます。それも3サイズのスリーブを用意してくれているからこそできること。正にコンセプトの「コンセプト通り」といったところでしょうか。