【Vol.2】つかまるAIフェース? 『PARADYM Ai SMOKE MAX D』ドライバーを山田直知が実験的試打
キャロウェイゴルフは2月、『PARADYM Ai SMOKE』シリーズのドライバーを4機種投入した。
今作の最大の特徴はフェースの進化にある。前作までのロボットによる試打データではなく、25万人にも及ぶ実際のゴルファーから100万個以上のスイングデータをAIにインプットし、リアルなスイングを元に「Aiスマートフェース」を生み出した。また4機種はそれぞれのターゲットを明確にした上でAIにリアルなデータをインプットして開発されている。
そこでクラブと弾道の関係を長年研究しその分野に精通する5UNDERS GOLFの山田直知プロが弾道測定器「FOCUS」と「GC HAWK」を使って4モデルを試打。実際にフェース面が進化したのか徹底検証する。
今回は『PARADYM Ai SMOKE MAX D』ドライバー編をお送りする。試打はロフト10.5度、シャフトは純正のフレックスSを使用した。
【動画】『PARADYM Ai SMOKE MAX D』を実験的検証
実験的試打検証をまずは動画で観てもらいたい。
『PARADYM Ai SMOKE MAX D』を試打
山田 『MAX D』の「D」はドローのDだと思うのですが、一般的につかまるドライバーはフェースが左を向いていたり、アップライトになっていたりすることが多いのですが、このモデルはそれがなく、ドローが出そうな雰囲気を感じません。それは言い換えると構えた時に左が恐いという印象を感じないということにもなります。真っ直ぐ飛ばしていけそうな感じをゴルファーに与えつつドローが打てるように工夫して重心構造を変化させているのかもしれません。
[caption id="attachment_80430" align="alignnone" width="1276"] 『PARADYM Ai SMOKE MAX D』1球目[/caption]
普段通りのスイングで、『MAX』と同じくヘッドスピード46m/sで打ってみました。打点を見るとフェースのど真ん中に当たっており、フェースアングルも0.8度、クラブパスも1.1度しかインから入っていないので、ストレートに近い球が打てているはずなのですが、結果はかなりつかまった弾道になりました。
構えた時には感じませんでしたが、インパクト付近までクラブを下すとつかまりそうな感覚が手に伝わってきます。まさに狙い通りのクラブになっているので、スライスで悩んでいる方にはかなり合うのではないでしょうか。それともう少しヘッドスピードの遅い方が打てばバックスピンが減ることでボールへの揚力も減りカーブも軽減されるので、丁度良い弾道になりそうです。
[caption id="attachment_80432" align="alignnone" width="1274"] 『PARADYM Ai SMOKE MAX D』2球目[/caption]
これだけつかまるクラブなので、2球目はフェードが打てるのか検証してみましたが、結果は興味深い内容になりました。今回クラブパスがアウトイン4.9度でしたが、この場合フェースアングルが半分の2.5度くらいで当たると、左に出て真ん中に戻ってくる計算が成り立ちます。
ところが今回は2度と少し閉じ気味でかつ、少しヒール側に当たったので、本来であればギア効果も影響して右に行くはずなのに結果は意外と右に飛んでいない。このことからもしっかりドロー構造になっていることが証明できたのと、やはり打点ズレが起きた時の散らばりをかなり軽減してくれることが分かりました。
フェードもしっかり打てるクラブですので、例えばフェードヒッターで球が右に行きすぎてしまっている人もつかまったフェードに変わってくれるでしょう。それとアイアンはストレートボールなのにドライバーだけスライスという方にも球筋を揃えられるので勧められます。