ブリヂストンスポーツは2月、最新ボール『TOUR B X』と『TOUR B XS』を発売した。今作はさらなる飛距離とスピン性能を追求した。そこで常住充隆プロが同ボールをゴルフ場でシチュエーション別に試打し両モデルを解説する。
【動画】『TOUR B X』と『TOUR B XS』を比較試打
まずは常住充隆プロによる『TOUR B X』と『TOUR B XS』の打ち比べと解説をを動画で。
ドライバーショット
常住まずはドライバーで試打しました。両モデルとも前作に比べて打感が柔らかくフェースへの接地時間が長く感じるので、厚いインパクトができる印象です。球離れも遅く感じるのでおそらくドライバーショットでも球のコントロールができそうです。
驚いたのは『X』の弾道です。思った以上に球も高く、ロースピンで、棒球のように真っ直ぐ前に飛んでいきます。従来のツアー系ボールとは一味違うドライバーの弾道で驚きました。
一方、『XS』は打感の柔らかさから、もっと吹き上がったような弾道になるかなと思ったのですが、意外にも中弾道で強く飛んでいきます。スピン系のボールは風の影響を受けやすいイメージがありましたが、これなら飛距離も十分に出そうです。
『XS』は数球打ったところ、着弾点がほぼ揃っており、『X』は『XS』に比べて5ヤードほど前に飛んでいました。この結果から『X』は飛距離、『XS』はコントロール性の高さが特徴だと言えそうです。
アイアンショット
常住続いて左から若干アゲインストの風が吹いている状況で、ピンまで打ち上げで150ヤードの地点からアイアンで打ってみました。この状況は風の影響を受ける分、ボールの特徴がはっきり分かると思います。
まず『X』は、やはりドライバーショット同様に打った瞬間から「ドーン」と高弾道で飛び出し、『XS』は中弾道で強く飛び出します。いずれもアゲインストの風に負けない安定した弾道で、アイアンの距離も揃うので、その辺りは中間層の進化が寄与していそうです。
アプローチショット
常住続いてピンまで50ヤードの地点から打ってみましたが、アプローチになると、よりインパクトの厚みを感じますね。私の中で厚みというのはフェースがボールに接地してから少し間がある感覚のことで、この間が長いほどボールをコントロールできます。今作はまさにそういうボールだと思います。
比較すると、『XS』の方が感覚的にヘッドよりもボールがかなり遅れて飛び出してくるような感じなので、球の高低やスピンをプレーヤーが自在にコントロールできそうな感じがします。
一方『X』の方が素直な出球とスピンで止められるという印象です。バミューダ芝でボールが止まりにくい状況でしたが、いずれのモデルもファーストバウンドでスピンがしっかりかかっているのが分かりました。
パッティング
常住続いて上りの6mのパッティングを試してみました。
まず『X』は非常に転がりが良いですね。そんなに打ったわけではないのですが出足からしっかり球が転がって、きれいな順回転になってくれます。
一方『XS』も転がりの良さはありますが、アプローチの時の感覚と同様に、明らかに『X』より打感が柔らかくフェースへの接地時間が長いので、打ってからの転がり出しが若干遅いです。
以上のことから、手先を使ってインパクトの強弱で調整するタイプは『XS』、ショルダーストロークで打っていくタイプやパットが打ち切れずショートしやすい方は『X』が合うと思います。
総括
常住2モデルを打ち比べましたが、ドライバーやアイアンショットでは『X』は高弾道、『XS』は中弾道でした。いずれも球が前に行く感覚でしたが、結果は『X』の方が飛んでおり、『XS』は適正なスピン量で安定した弾道でした。しかし短いショットになればなるほど打感の違いが明確になってきて、『XS』の方がより柔らかく、球を潰せる感覚が出ますので、スピンで止めやすい印象です。
いずれにしても両モデルとも飛距離・スピン性能共に甲乙つけ難い。プレーヤーの打感の好みで選ぶのが最善だと思います。
お問い合わせ:ブリヂストンスポーツ TEL0120‐116613