アーチの新シャフト 『Natural9 CELESTE』を検証、インパクトまでの “助走距離”が長くなり、 ゆっくり振って大きく飛ばせる!

アーチの新シャフト 『Natural9 CELESTE』を検証、インパクトまでの “助走距離”が長くなり、 ゆっくり振って大きく飛ばせる!
Arch(アーチ)の「Natural9」シリーズにおいて、走り系の『ROSSO(ロッソ)』とコントロール系の『NERO(ネロ)』の中間的なモデルとして登場した『CELESTE(セレスト)』。どういう振り心地がするシャフトか、ドライバーでどんな悩みを抱えるゴルファーに適したシャフトか、永井プロが解き明かす。

まずは動画で

スピード感と安定感を"いいとこ取り"した

永井 Archの人気シリーズ「Natural9」として初となる50g台のシャフトが『CELESTE』です。このモデルは、私が以前に試打をした『ROSSO』(つかまるタイプ)のスピード感と『NERO』(つかまりを抑えたタイプ)の安定感をバランスよく兼ね備えたシャフトとのこと。こちらのメーカーがラインナップするシャフトのポジションマップを見ると、つかまりの度合いはこの2モデルのほぼ中間ということで、ニュートラルなタイプであることが想像できます。 もともとArchのシャフトはフレックスの表記がSとかRではなくて、振動数の〝上2ケタ"で示されています(ドライバー用、FW用)。今回の試打シャフトのフレックスは25なので、振動数にすると250cpm、イメージ的にはSR相当になるでしょう。 その『CELESTE』のフレックスは23~28の6タイプ。シャフトの重量はフレックスごとにほぼ2gでフローして、最も硬い28は59g、試打をする25は53g、最も軟らかい23については48gということで40g台になりますね。昨今のドライバーシャフトの市場では50g台が〝ど真ん中"になると思うので『CELESTE』はそういう意味でもタイムリーなモデル。ヘッドはWAOWWのニューモデルで、低スピン性能が際立っていて初速感がある『BANG』が入っています。

手元側から大きくしなるインパクトで押し込める

永井 『CELESTE』のフレックス25を打つと、手元側のやわらかさというか、それこそグリップの中からしなるような感じがします。それによって大きくしなるので、切り返してから自分でクラブを操作していくイメージが出しやすい。ひと言で言うと、インパクトまでの〝助走距離"を稼げるシャフトです。 切り返しからインパクトまでを長く使えるシャフトなので、その間に、飛ばしへの働きかけだったり、ライン出しへの働きかけだったり、打ち手がいろいろなことをできるし、そういうアクションをかけるときもタイミングが取りやすい。かといって、手元側がしなるシャフトにありがちな難しさはないし、硬さはフレックスなりだと思います。 そこからインパクトを迎えるときは、シャフトの中間部にけっこう剛性感があるので、大型ヘッドの挙動に負けることなく、しっかりと押し込める感覚があります。そういう〝押し込み感〝があることで、ボールをラインへ出していきやすい。 弾道データを見ると、スピンが少なくてランが稼げるし、ミート率が高い(1.55)です。ヘッドのパフォーマンスをフルに生かしてくれるシャフトということが分かりました。

ゆったり振って飛ばす感覚へと導いてくれる

[caption id="attachment_84594" align="aligncenter" width="1000"] CELESTE(25) 試打データ[/caption] 永井 切り返してからの〝助走距離"の長さを取りやすい『CELESTE』を打つと「ゆっくり振って飛ばす」という、ドライバーの極意のような感覚がつかめるのではないでしょうか。ゆっくり振りながらヘッドが加速していくイメージ。強振しているようには見えないのに飛ばす人を見たことがあると思いますが、その感覚に近いでしょう。もっとしっかり感があるシャフトだと、飛ばしにいこうとしてリキんでしまいがちなものです。 前述したように、グリップの中からしなるような動きを感じるので、あまり強く叩きにいくとアバれてしまいます。『CELESTE』は、トップから直線距離でインパクトに向かうのではなく、遠回りするようにプレーンに乗せていく動きを導きやすいシャフトであり、いわゆる「リキまない」とか「力を抜く」という感覚を、シャフトのほうから自然に導いてくれる。この辺りは、アマチュアがコースでプレーするときにも効果があるでしょう。

コースでリキみがちな人ドライバーが苦手な人に

永井 『CELESTE』(フレックス25)は、コースでリキんだり打ち急いだりしてなかなか結果が出ない人、ドライバーが苦手という人に良いでしょう。ここまで述べたように〝長く・ゆっくり・リキまず振れる"シャフトという感じがします。 そういうシャフトの特性もあるし、重量帯が50g台ということもあるので、HSアップが期待できる長尺にトライするのもアリ。逆に、クラブが短くなるとダウンスイングの距離も短くなってしまうので、このシャフトの良さが生かされないかもしれません。 これまでとは異なるタイプのシャフト『CELESTE』が加わり、より幅広いゴルファーが「美しい飛球線」を描くArchのシャフトの魅力を共有できるようになりましたね。 「今どきのシャフト市場にドンピシャの50g台がラインナップしました」 「〝間"を感じながら、タイミングよく振り抜けます」