ヘッドスピードを上げたい。飛距離を伸ばしたい。ゴルファーなら誰もが一度は抱く願望だが、単純に力いっぱいクラブを振れば速くなるわけではない。そこで今回検証したのが、米国SuperSpeed Golfのオーバースピードトレーニング器具『SpeedStick Pro(スピードスティック プロ)』だ。重量の異なる3本を段階的に振ることで、普段のスイングスピードを超える感覚を体に覚え込ませるというもの。今回は多くのアマチュアゴルファーをレッスンする永井延宏プロが実際に使用し、その効果と活用法を検証した。
軽・中・重を順番に振って体のスピードを引き出す

『SpeedStick Pro』は、グリーンの「LIGHT」、ブルーの「MEDIUM」、レッドの「HEAVY」という重量の異なる3タイプで構成される。軽いものから順に振り、徐々に負荷を高めることで、体の動きを活性化させる狙い。陸上の短距離走や野球のピッチングで実際に取り入れられているオーバースピードトレーニング理論を応用した練習器具だ。
最も軽いグリーンは、手元側に剛性を持たせつつ先端側の動きを感じられる設計。先端部は空力を考慮した形状で、空気抵抗を抑えてスムーズに振り抜きやすい。グリップも太めで、適切なグリッププレッシャーを学びやすい。
「この器具は、気持ちよく振るというより、自分で体を動かして負荷とやり取りする感覚があります」
ブルー、レッドと重くなるにつれ先端側の重さが増し、体全体で振る意識が強くなる。最後に再びグリーンへ戻ると、最初より速く振れる感覚が得られた。
実打すると飛距離が約10ヤードアップ
そこで再びマイドライバーで実打。『SpeedStick Pro』使用前後の弾道データを比較すると、飛距離が10ヤード以上アップ。ボール初速やキャリー、トータル飛距離も向上した。
「体のスピードが少し上がった感覚があります。ミート率も良く、それがボール初速やキャリーにつながりました」
永井プロが注目したのは、単なる数値向上だけではない。重量が変わることで、自分がどこを動かし、どこを止めるべきかが分かりやすくなるという。特に最重量のレッドでは、その感覚が強く表れた。
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トレーニング後の飛距離データ[/caption]
まずは「横振り」、縦の力を減らして体幹で振る

永井プロが推奨する活用法の一つが「横振り」だ。体を起こした状態でクラブを水平に振ることで、縦方向の余計な動きを抑え、体幹で振る感覚を身につける。
「初心者に横振りを教えてから前傾を作って打たせると、明らかに結果が良くなります」
まず横方向に数回振ってスイングプレーンを確認し、その後に通常の前傾姿勢で打つ。コースでも、ショット前に横振りのイメージを確認すると効果的だという。
手元を止めて体を動かす 「飛ばし」のエンジンが目覚める

もう一つのポイントが「肘から先のパーツ化」。多くのアマチュアは手先が動き過ぎて体が止まりやすい。そこで肘から先を一つの塊として収め、体の回転で振る感覚を養う。
「重くなるほど、手を止めて体で振る感覚が分かりやすくなります」
特にレッドを振った後は、手元の動きが抑えられ、体主導で振る感覚が明確になったという。その後のドライバーショットでも好結果につながった。
総評

「飛ばしたいゴルファーに必要なのは、今ある体の能力をしっかり引き出すこと。その感覚をつかむのに、この器具は非常にいいと思います」
軽いグリーンでスピードを引き出し、ブルー、レッドと負荷を高め、再び軽い重量へ戻る。単なる筋力トレーニングではなく、体の使い方を整えながらスピードを引き出していく。
『SpeedStick Pro』は、ヘッドスピードの壁を破りたいゴルファーにとって、飛距離アップを狙う有効なトレーニングツールといえそうだ。
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