JGJA会員 川田泰三さん逝去
川田さんは1974年に早稲田大学文学部卒後、サンポウエディターズへ入社、週刊アサヒゴルフ編集部に配属され、1984年に独立してフリーへ転じると、ゴルフ用品の取材を中心に多くのメディアへ寄稿された。特にゴルフクラブの素材、構造、理論については国内第一級の書き手であり、近年は「地クラブ」の台頭に逸早く着目。海外のアッセンブル理論の紹介や、カスタム・フィッティングの資格制度立ち上げの必要を訴えるなど、ゴルフ市場の底上げを自らの健筆で主導された。日の当たらない小規模メーカーに足繁く通い、各社の特徴や生き様を丁寧に伝える筆致が持ち味だった。
ハイテク機器への造詣も深く、日本に紹介されていない海外の計測器や最新のフィッティング・システムを取り上げ、これらの機器が将来のゴルフ市場に与える影響を予測。その考察記事は、業界関係者に有益な示唆を与え続けた。
弊誌(月刊ゴルフ用品界)においては、クラブメーカーの内情に迫る「エクセレントカンパニー」、各社製品の進化過程を丹念に紐解いた「名器の系譜」や「驚きのアパレル発想術」。近年では「古いクラブを駆逐するハイテク新世代」「クラブメーカー養成講座」など、長年にわたり、幅広い視点で執筆頂いた。今年8月号に掲載した「アイアンのロフトとホーゼル位置」が最後の原稿となった。
川田さんの筆による記事は、特にゴルフクラブの変遷・進歩史として、あるいはこの業界に携わる者の教養文献としても、読み継がれるべき価値がある。
衷心より、御冥福をお祈り申し上げます。 合掌