今回のゲストは株式会社ファンタジスタ&パートナーズの
伊田光寛である。別掲のプロフィールにあるとおり、名だたる企業のブランディングプロジェクトを手がけている大物クリエイターだ。
クリエイティブな仕事に携わる伊田光寛ならではのゴルフとの付き合い方について伺った。
この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2018年4月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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新聞販売でゴルフ代を稼ぐ中学生
鹿島 ゴルフに興味を持ったのはいつ頃ですか?
伊田 通っていた中学校のクラブ活動にゴルフがあったので、始めてみようと思いました。それで新聞を創刊したんですよ。新聞を売ってゴルフ用品を買おうと閃いたのです。
鹿島 中学生が企画・制作から流通まで?
伊田 もちろん全部。近隣中学校の美男美女や喧嘩の強い人の情報を一枚の紙にまとめて、会員に配布するというシンプルなものでしたが、会員数は順調に伸びました。おかげでゴルフ用品を買ったり、練習場に行くお金には困りませんでした。
鹿島 類稀なるクリエイティブ能力を中学時代から発揮していたのですね。
伊田 だけど最後は「商売をやるな!」と学校から怒られ、敢え無く廃刊したんですけど(笑)。資金源を断たれたことで、ゴルフからはしばらく遠ざかりました。
鹿島 次にゴルフクラブを握ったのは?
伊田 大学の授業、その次は社会人になってからですね。同僚から「ゴルフ出来ると楽しいよ」と誘われ、打ちっ放しに行ったりしていました。
接待ゴルフは一度もなかった
鹿島 リクルートでは接待ゴルフも?
伊田 いえ、接待ゴルフは一度もありませんでしたね。一緒に行っていた同僚も接待ゴルフはしない方で、どちらかというとアスリート系のゴルフを楽しんでいました。当時のリクルートは、スポーツに真剣に取り組んでいる人が多かったのです。
豪州のゴルフ文化に感銘
伊田 その後、リクルートを退社して旅に出たときに、ゴールドコーストのゴルフ文化と出会いました。向こうではゴルフ場とテニス場が併設されている所が多く、プレイフィーも安いので、ゴルフ場が近隣住民の憩いの場になっていたのです。
午後からフラッと立ち寄ってハーフだけ回るおじいちゃんがいたり、子供がテニスのレッスンを受けている間にゴルフを楽しむお母さんがいたりと、客層が日本のゴルフ場とは少し違っていました。
鹿島 そのゴルフ文化が、伊田さんのライフスタイルに合っていたのですね。
伊田 そう、文化と環境が合っていました。特にロイヤルパインズとエメラルドレイクスというゴルフ場の環境が気に入っています。
鹿島 お気に入りのゴルフ場にはどのくらいの頻度で行くのですか?
伊田 三ヶ月に一度くらいかな。これでも最近は増えたほうです。
鹿島 頻度が増えた要因としましては?
伊田 子供がテニスのレッスンに通い始めて、同じ敷地内にゴルフコースが併設されていたからです。 日本のゴルフ場も、ゴルフ以外の付加価値を付けると商業的に面白くなると思いますね。
ゴルフ場の付加価値
鹿島 具体的にはどんな付加価値が思い浮かびますか?
伊田 健診機能とゴルフ場がコラボすると面白いですよね。例えば、いま僕は世界的な生物学の権威である広津先生と一緒に、線虫という生物を使って、尿一滴でがんの早期発見が可能になる「NーNOSE」のプロジェクトを進めているのですが、尿検査ならゴルフ場でも簡単にできますし、本当の意味で健康という付加価値が生まれるじゃないですか。
鹿島 それは強烈なニーズがありますね。朝一はパター練習よりも採尿が優先になります。
伊田 あとは、子供が楽しめるゴルフ場があってもいいと思います。オーストラリアではゴルフ場に子供が遊べる公園やテニスコート、パターゴルフなどが併設されているので、朝からファミリーで遊びに行くんですよ。
セグウェイでゴルフ場を回るだけのツアーがあっても面白いかな。ゴルフ場を「老若男女が気兼ねなく遊びにいける場所にする」というミッションを掲げてみると、色々なアイデアが湧いてくると思います。
鹿島 伊田さんがゴルフ場のブランディングプロジェクトを手がけるのが手っ取り早いような…。
伊田 ゴルフ場だけじゃなくて、街で考えるとさらに面白い取り組みができるかな。
オーストラリアには「フィフティーズ」というリゾート開発地域があって、その地域では50歳以上の人しか物件を購入できないというルールがあります。地域内にはゴルフ場や映画館やテニスコートやプールなどの充実した施設があり、年配の方々がカートで走り回っているのです。
鹿島 カートで街を走っているのですか?
伊田 ええ、その地域の住民はみんな電動カートで走っているんですよ。ゴルフ場に行ったらそのままカートでプレイ。病院に行くのもカート。しかも、みんなカートをカッコよく塗装したり改造したりオリジナリティを出しているのです。老人が元気で活気のある街ですよ。
鹿島 日本もバラエティ豊かなゴルフ場が出来れば楽しみが広がりますね。何処かのゴルフ場と組んでプロデュースしてください(笑)
伊田 いいですね。まずは、クラブハウスの改革あたりから始めましょうか。
私のNEWギア速報

今回ご登場いただいた伊田さんは、ドライバーが得意だそうで、好きなクラブもドライバー。体幹トレーニングで体を鍛えたのが功を奏して安定感が増したのだという。
そんな伊田さんが最近購入したギアは、テーラーメイドの『M2』ドライバー2017年モデル。赤坂のオフィス近くにあるゴルフパートナーで購入したそうだ。ゴルフ用品は基本的に日本で購入して、オーストラリアに行く際に飛行機の預け入れ荷物で持ち込むのだという。
「ゴルフパートナーに行ったらほとんど新品に近い綺麗な状態の『M2』が安く売っていたので購入しました。ミスショットしても曲がり幅が少なく、ストレスフリーでティーショットが打てるのです。打感もなかなかよくて、クリーンヒットした時に鳴り響く高めの音が気に入ってます」と、伊田さんは語る。
■プロフィール
鹿島永悟(EIGO KASHIMA)
WEBディレクションジャパン代表取締役。東証一部上場企業から弁護士法人に宗教法人まで幅広いクライアントを持つインターネット集客の専門家。2017年10月より、クラウド顧問コンサルティングにてインターネット戦略の顧問として参画。ゴルフは2017年2月19日にデビュー。ベストスコア101と目下奮闘中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
■
伊田光寛(MITSUHIRO IDA)
HIROTSUバイオサイエンス(チーフ・マーケティング・ブランディング・オフィサー)/ファンタジスタ&パートナーズ(コミュニケーションディレクター)/1972年北海道生まれ。95年同志社大学卒業。リクルートを経て独立。国内外の政府や地域から企業、プロスポーツチームまで独自のコミュ二ケーションデザインメソッドを導入することで、多くの実績を重ねる。ベストスコア98。
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