今回のゲストはコーポレート・ベンチャーキャピタル・ジャパン株式会社の冨田賢社長である。ベンチャーキャピタリストとして日本経済の発展に貢献する傍ら、ゴルフとビジネスに造詣が深い大学教授としてゴルフ外交などの政治問題についてもメディアで発信する冨田社長が、これまでどのようにゴルフを嗜んできたのか伺った。
この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2019年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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ビジネスマンにゴルフは必須?
鹿島 まずは冨田さんがゴルフを始めた時期について聞かせてください。
冨田 会社経営を始めてちょうど2年後の2010年にゴルフを始めましたが、厳密に言うと、大学3年生の時にゴルフスクールに通っていましたので、その時がゴルフデビューになります。
鹿島 大学の時は本格的にゴルフを?
冨田 いえいえ。大学の時は就職活動で忙しく、まったくゴルフをやる機会がありませんでした。近所のゴルフスクールに半年くらい通ったかな。その後20年近くゴルフをしていませんので、ゴルフを本格的に始めたのは2010年頃になります。
鹿島 なぜ就職活動で多忙な時期に、ゴルフスクールに通おうと思ったのでしょうか?
冨田 スクールに通った動機は、ビジネスマンにとってゴルフは必須だろうと思ったからです。語学などと同じで、必要に迫られてから始めるよりも、先手を打って準備をしておくほうがいいと思い始めたものの、いざ就職してみたらゴルフをやる機会は全くありませんでした。
鹿島 冨田さんのファーストキャリアである外資系の投資銀行では、ゴルフをバリバリやってそうなイメージですが。
冨田 私もそう思いスクールに通ったのですが(笑)。外資系投資銀行の後は、ベンチャーキャピタルや日本の信託銀行にも勤めましたが、ゴルフとは全く縁がありませんでした。
鹿島 ゴルフ場に行くと金融機関主催のコンペをよく見るのですけどね。
冨田 支店や営業部門ではやっていても、私の所属していた部門(資金運用部門)ではゴルフをする機会はありませんでしたね。個人的にやられている方はいたと思いますが。
ビジネス交流会では出会えない 人脈と繋がることができる
鹿島 会社経営を始めてからゴルフの接待が増えたのでしょうか?
冨田 ゴルフの接待というよりも、様々な方と交流を深めるためにゴルフコンペや個別のゴルフを活用しました。経営コンサルティング事業の新規顧客を増やすために、どうしたらいいだろうかと考えを巡らしている時に、ゴルフコンペに参加するという解決策が頭に浮かんだのです。
それで、20年ぶりにゴルフスクールに通い始め、コンペに積極的に参加するようになりました。
鹿島 実際にゴルフがきっかけで取引が始まったケースもあるのでしょうか?
冨田 おかげさまで良いご縁が沢山ありました。ある時は、ゴルフの最中に雨が降ってきて、一緒に雨宿りしていた方と仲良くなり、お取引が始まりました。
鹿島 それはゴルフならではですね。コンペ以外でもビジネスシーンでゴルフを活用することがあるのでしょうか?
冨田 コンサルティング先企業の社長さん同士で、アライアンスが組めそうな場合は、ゴルフにお誘いさせて頂くこともあります。
社長さん同士を会食で、引き合わせをすることもありますが、ゴルフで引き合わせをした方が良いケースもあるんですよ。大事なのは1つのやり方に固執するのではなく、数多くの解決策を用意しておくことですね。その中の1つとしてゴルフという選択肢は間違いなく有効です。
鹿島 ビジネスマンはゴルフをやるべきですね。
戦国武将にとっての槍と馬
冨田 若い世代のビジネスマンからは、ゴルフは道具やプレー代にお金がかかるから取り組みづらいというネガティブな声を聞くことも多いのですが、絶対にゴルフのメリットにも目を向けるべきです。
普通のビジネス交流会では出会えない人脈を築いたり、お客様と年に1回のゴルフコンペで良好な関係を維持したりできるわけです。ビジネスマンにとって英語とゴルフは、戦国武将にとっての槍と馬だと思います。
鹿島 それは面白い捉え方ですね。まさに強力な武器ですね!
冨田 私にとってゴルフは、スコアは伸びないものの(笑)、武器であり、仕事の1つです。ですが単なる仕事ではなく、日頃、海外出張にタイトな日程で多数行ったり、大学教授として多数の講義をしたりする中で、お付き合いのある方々と一緒にゴルフを回らせて頂いて、リレーションを構築しつつ、運動にもなる貴重なリラックス時間でもあります。
その一方、ゴルフは難しいスポーツなので、思い通りにプレーできず、リフレッシュどころではなくなる時もあります。それが原因で過去に何度も何度も引退の危機が…。
鹿島 ゴルフとビジネスに造詣が深い大学教授&ビジネスマンとして、生涯現役でプレーしてください(笑)
冨田 ゴルフからの引退は半分冗談ですが、ゴルフをこれまで続けている理由の1つはビジネス面の実利があるからです。
実は、私は乗馬もするのですが、乗馬は仕事のプラスになることはほとんどないです。そこが、ゴルフと他のスポーツとの違いですね。それから高齢になっても続けられるスポーツというのもゴルフを続けている理由です。70歳代の方とでも一緒になって楽しく回れるというのは凄いことだと思います。
鹿島 適度な運動になるから健康増進にも繋がりますね。最後にお気に入りのゴルフ場を教えてください。
冨田 武蔵丘ゴルフコースと久邇カントリークラブが好きです。池袋駅からレッドアロー号で飯能駅まで行き、そこからタクシーで10分。交通の便が抜群にいいです。駅前にホテルもあるので前泊で行くことが多いです。それから埼玉県にある平成倶楽部も好きです。平成倶楽部は好スコアが出やすいので接待向きです。
鹿島 引退の危機が訪れた時は、平成倶楽部で好スコアを出してきてください(笑)。本日はありがとうございました。
■私のNEWギア速報
今回ご登場いただいた冨田さんは、年間でいくつものアイアンセットやドライバー、パターを買い替えるほどギア好きで、〝練習しなくてもうまく打てるクラブこそが、自分に合った良いクラブ〟というのがモットーだという。
「過去にはクラブを複数購入して、すぐそのままゴルフ場に持っていったこともあります。打つ時にビニールの梱包を解いていたら、同伴者の方が驚いた様子でこちらを見ていました」と、冨田さんは柔和な表情で語る。

一方で、冨田さんは自分に合わない道具に対しては素早くシビアな意思決定でクビにする。ハーフラウンドで見切りをつけたアイアンやパターもあるとのこと。そんな冨田さんが最近購入したのはピンのG400ドライバー。
「これを使うと飛距離はそれほどではないが、テレビドラマのドクターXの大門加奈子のように“私、失敗しないから…”になれます(笑)」と好感触。購入直後にビンタン島でラウンドしたところ、ベストスコアを更新したのだとか。
■プロフィール
鹿島永悟(EIGO KASHIMA)
WEBディレクションジャパン代表取締役。東証一部上場企業から弁護士法人に宗教法人まで幅広いクライアントを持つインターネット集客の専門家。2017年10月より、クラウド顧問コンサルティングにてインターネット戦略の顧問として参画。ゴルフは2017年2月19日にデビュー。ベストスコア101と目下奮闘中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
冨田賢
(SATOSHI TOMITA)
慶應義塾大学大学院・後期博士課程修了、博士号(Ph.D.)取得。京都大学大学院経済学研究科修了、経済学修士。経営コンサルティング会社を東京・青山にて、10年以上経営し、200社以上の実績。また、東証1部上場企業の複数のコーポレート・ベンチャーキャピタル・ファンドを複数、受託運用を行う。2017年4月~立教大学大学院ビジネスデザイン研究科(MBA)・教授に就任。カリフォルニア大学サンディエゴ校・客員研究員も兼務。 2019年3月、社名を、コーポレート・ベンチャーキャピタル・ジャパン(株)(CVC JAPAN)に変更し、大手・中堅企業のCVC運営に注力。 ベストスコア93。