マイカスタム第32回【エムグランツゴルフ】競技ゴルファー復活の鍵は重くして軽くする組み合わせ

マイカスタム第32回【エムグランツゴルフ】競技ゴルファー復活の鍵は重くして軽くする組み合わせ
杜の都仙台。その仙台市の郊外に位置する愛子地区の国道沿いで営業するのがエムグランツゴルフ。4打席の室内練習場を完備する工房を、三浦佑太代表が一人で切り盛りする。二木ゴルフに10年勤務、工房で3年修業して2016年に独立した。その同店に訪れる悩めるゴルファーは、52歳の競技派A氏。頚椎ヘルニアを患い、左腕が痺れて、スイング中にクラブを支えられなくなり、飛距離が落ちた。三浦代表が薦めたのは、飛び系アイアンとカーボンシャフト。飛距離は取り戻せたのか?

「軽ければ打てる」はゴルファーの思い込み

今回の悩めるゴルファーは、頚椎ヘルニアによる左腕のしびれでスイング中にクラブを支えきれず、飛距離が落ちた52歳の男性ゴルファーA氏。以前は競技ゴルファーでHSは50m/s。週3回のラウンドをこなし、スコアも70台後半から80台前半のアスリートタイプだった。 「それがHSが42m/sまで落ち、特に7番アイアンは165ヤードから160ヤードまで落ちてしまったのです」 そこで、超重量級スチールシャフトとマッスルバックを使っていたA氏に、飛び系アイアンとカーボンシャフトの組み合わせを提案することにした。 「ただ、130gの超重量級から80g台のカーボンシャフトを勧めるのは大変でした。Aさんはプライドも高く、カーボンの使用経験もない。何より“難しい重いクラブを打ちこなすこと”に強い誇りを持っていたのです」 三浦代表によれば、A氏のように「重いクラブは難しい」「軽いクラブなら簡単に打てる」と思い込むゴルファーは少なくないという。 「クラブの重さを正しく使ってボールをつかまえる技術が身についてない人も多い。そのため、軽いクラブで無理につかまえようとして動きを誤り、迷路に入り込むケースがよくあるのです」 A氏にも同様の思い込みがあったが、丁寧な説明を重ね、飛び系ヘッドとカーボンシャフトを試すことに。

手元を重くクラブを軽く感じ 反応の良いシャフトが勝手に動く

今回採用したのは、比較的軽量でシャープに見える飛び系エポン『AF-707』と、手元が緩く先端が締まったデザインチューニングのシャフト『AIMIX』(80S)。7番アイアンでロフト角は6度増え、シャフトは50g軽くなった。 「左腕のしびれでクラブを支えきれず、クラブが重く感じてヘッドが落ち、タメが作れない状態でした。以前のダウンブローもできなくなっていたのです」 そこで、見た目の違和感を抑えるために飛び系の中でもトップエッジが薄め(6.5㎜)でソール幅の広い『AF-707』を採用し、ヘッド重量も4g軽量化した。 一方、シャフトの『AIMIX』(80S)は80gながら、従来のスチールと同じ手元が緩く先端が締まったタイプ。 「無意識のままタメが作れず、コックも早くほどけていましたが、『AIMIX』は反応が速く、意図しない場面でも自然と動いてくれる。ハイロフトでもシャフトとの相乗効果でボールを拾いやすくなりました」 さらに、グリップエンドに3gのウエイトを装着し、クラブバランスはC9。A氏は再びクラブをしっかり振れるようになり、7番の飛距離も160ヤードまで戻ったという。

7番アイアンで37.5㌅ つかまるヘッドで左に行かない

また、7番アイアンは37.5㌅と通常より0.5㌅長く組み立てた。 「元々130gのシャフトを使っていたので、80gのカーボンだと軽く感じ過ぎる。そこで0.5㌅長くして総重量を確保しました。一方でバランスが出すぎるため、グリップエンドに3gのウエイトを付けてバランスを下げています」 こうした相反する要素を調整しながら、競技ゴルファー特有の違和感を払拭し、症状改善につなげている。 さらに『AF-707』は比較的つかまるヘッドだが、競技ゴルファーは左へのミスを嫌うため、 「左に行きにくいシャフトとして『AIMIX』を選んでいます」 今回のフィッティングを経て、 「A氏はカーボンシャフトへの理解を深め、結果も良好でした。こうした知識を共有しながらゴルファーを育てるのも工房の役割だと再確認しました」 ゴルファーを育てるのも工房の使命。固定観念にとらわれず、ぜひ工房の扉を叩いてほしい。

メーカー担当者コメント

デザインチューニング 営業担当 田中雄氏 「おそらく『AIMIX』の特性であるスチールからカーボンへ移行しやすい設計、そして縦距離を合わせるという特性が採用の理由だと思います。シャフトでタメを作り、しなりを与えて高ロフトアイアンでもボールを上げてあげる。相当考えた組み合わせだと思います。絶妙ですね」

グランツゴルフとは

〒989-3124 宮城県仙台市青葉区上愛子字街道77ー1 TEL 022-302-3173 なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2026年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。