マイカスタム第33回【グッドワンゴルフ】60歳代の女性にメンズのS 硬く重いクラブの利点とは?

マイカスタム第33回【グッドワンゴルフ】60歳代の女性にメンズのS 硬く重いクラブの利点とは?
千葉県松戸市。国道6号から少し入ったところで営業するのがグッドワンゴルフ。代表の田中章裕氏は2000年、脱サラしてFCでゴルフパートナーを開業、2018年にグッドワンゴルフとして独立した。現在は地クラブを含め販売の8割を新品が占め、残り2割は下取りで引き取ったクラブの再販だ。その田中代表を頼ってきたのが60歳代の女性ゴルファーAさん。悩みはないが、アイアンを新調したい。出来上がったクラブのフレックスは以前のLからメンズのSへと6段飛び。果たして?

「重いと後半疲れる」はダメ クラブが合わないから疲れる

Aさんは月2、3回のラウンドを欠かさないシリアスゴルファーで、平均スコアは80台。特に悩みはないのだが、長く使ったアイアンを新調したいと訪れた。女性ゴルファーの典型で「軽く軟らかすぎるクラブの使用者」だと田中代表は指摘する。 「多くのゴルファーにありがちな話で、重いクラブは後半のハーフで疲れるという話。でも、一概にそうではないんですよ。私は『合わずに、軽くて軟らかすぎるクラブを使うほうが原因になる』と考えているんです」 それゆえ、同店のフィッティングでは「重く硬いクラブ」を薦めるケースが多いという。かくいうAさんもスイングが完成しているレベルで、古くて軽いカーボンシャフトのアイアンを使っていた。 「大半の女性はまず『スチールシャフトなんて』と思ってしまう。ところがスイングを見たところ、気持ちよく振れているようには見えませんでした。原因は軽すぎる、軟らかすぎるクラブでした」 そこで薦めたのが、PRGRの『02アイアン』と日本シャフトの『NS950GH』のSフレックス。にLシャフトからメンズのSシャフトへ一気に6段飛び。シャフトだけでも50g増となったわけだが、なんと、ベストスコアを更新したという。その理由を探ってみた。

寝ているロフトのヘッドで無理なくボールを上げる

Aさんが使っていたのはナショナルブランドのレディスモデル。飛びを意識したのか少しだけロフトが立っている。 「ロフトが立っているクラブは、無理にボールを上げようとするスイングになりがちで、ダウンブローにインパクトを迎えづらく、十分なスピンが入らずグリーンにボールを止めにくい。それで、7番でも30度のロフト角のPRGR『02アイアン』を薦めました」 ボールを無理に上げようとしなければ、クラブは自然とダウンブローにインパクトを迎える。 「アイアンでスピンが多すぎるアマチュアは見たことがありません。多くのアマは寝たロフトのアイアンで無理なくボールを上げている。そしてスピンを入れることが大事だと思います」 ヘッドが決まり、次にシャフトを選定する。この段階で、タイミングが取りやすい、つまり振りやすいシャフトを薦めるのだが、あまり深く考えないのがフレックスとシャフト自体の重量だとか。 「振りやすいことが一番なので、フレックスや重量は深く考えません。そのなかで、今回のAさんは縦にクラブのしなりを使うスイングだったため、日本シャフトの『NS950GH』のSフレックスを薦めました」 同店のフィッティングで使っているのが「シャフトウエーブ」というシャフトのしなり計測器。シャフトのしなり波形が縦方向に強いのか、横方向に強いかを計測するツール。Aさんは縦のしなりが強いスイングだったので、手元剛性が比較的強い『NS950GH』のSフレックスをセッティングしたという。

手元硬めでも必ずしも先端緩めではない

縦しなりの強いAさんに「手元硬め」を薦めたのだが、ここで注意が必要だと田中代表は教えてくれた。 「手元剛性が強いシャフトは必ずしも先端が緩めではないんです。手元と先端の剛性が強く、中間部分が緩いシャフトもある。その点は注意が必要ですね」 そしてLフレックスからメンズのSフレックスという6段飛びのセッティングに対しては、 「ずばり気持ちよく振れていたので選びました。オーパースペックではなかったと思います」 最後に田中代表が次のように説明する。 「軽いクラブを握ってしまうと、腕力に頼る傾向になります。ある程度の重さがなければ、逆に身体を使わないスイングになりがち。シニアほどその傾向が強くて、軟らかいシャフトを組み合わせてもシャフトをしならせる体力がないから結果的に飛ばない。重く硬いシャフトでミート率を上げた方が飛びます」 時代と共にクラブが軽く軟らかくなる中で、硬くて重いクラブを推奨する。吊るしのクラブでは味わえない、工房ならではフィッティングだ。

メーカー担当者コメント

PRGR マーケティング部 西澤博之部長 「今回の結果について具体的な解説はできない部分がありますが、”手でクラブを振る傾向の方”、”シャフトのしなりがスイングの邪魔をしてしまう方”などには、重め、硬めシャフトをおすすめして振りやすく、当てやすくするケースもあるかもしれませんね」

グッドワンゴルフとは

〒270-2241 千葉県松戸市松戸新田119 TEL 047-308-5515 https://goodonegolf.jp/ なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2026年2月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。