【取扱ブランドは日本一!? どんなヘッドも取り寄せます】
ジオテックゴルフといえば、国内最大級のパーツ通販サイトであり、自社ブランドを展開するパーツメーカーだ。同社は10年ほど前に路面店第1号の「Tee1市原店」を千葉県市原市に出店した。そこに勤務したのが、現在スーパーショットを営む野水知洋代表だ。
ジオテックゴルフに入社して3ヶ月の研修を経て同店に配属され、同氏は6年間「Tee1市原店」に勤務。その後、同店を引き継ぐ形で店名を変更して独立した。
「私はプレーよりギアが好きで、様々な商材をゴルファーに届けたいという想いがありました。それを当時の社長に相談したところ、快諾してもらい『スーパーショット』として引き継いだのです」
スーパーショットのオープンは5年前。常連客は100人程度で、取材当日も午前中に10人、午後も絶え間ない来店客で、8坪の店内は常に活気があった。
そのスーパーショットの特長は、多くの地クラブを取り扱っていることだ。ヘッドブランドは25社以上、シャフトも15社以上と、巷で売れ筋といわれているブランドを網羅している。
「どんなニーズにも対応出来るよう、仕入れ先は確保しています。それに今日注文すれば、明日には商材が届く時代。だから在庫の必要がないというのが私の考えです」
とはいえ、それでは売り逃しも発生してしまう。
「ゴルファーはヘッド単体、シャフト単体では、組合せによるクラブのイメージが沸かない。だから、希望の試打クラブは直ぐに用意するようにしています」
ドライバーなら月に15本くらいシャフトを入れ替えて、新たな試打クラブを貸し出す。そのためのコストは厭わないという。
【パーツが多岐にわたるから フィッティングはしない】
スーパーショットには試打ブースがない。何処でフィッティングするのかと問えば、
「基本的にフィッティングはしません。ヘッドもシャフトも種類が多すぎて、『この組合せがベストマッチ』というのは、嘘になるからです」
だから、ゴルファーが希望する試打クラブを作って貸出し、ラウンド内容の詳細を聞き出す。そして試打クラブを調整して、また貸し出す。その繰り返しなのだとか。
それに加え、同店の顧客は仲間意識が強く、上級者がほかのゴルファーのクラブを診断してくれる。そのコミュニティーは大きくなっており、オピニオンリーダーの影響が強くなるという。
「ある常連客がアイアンを『三浦』に変えれば、その周りのゴルファーもアイアンを『三浦』に変えていく傾向が強いですね」
だから、フィッティングするというよりも、好きなブランドを使ってもらって、個別に調整することで対応しているという。
それでも常連客が多いから、時には抜け出せない病にかかるゴルファーもいる。そんな時には、
「全く逆のスペックの試打クラブを試してもらいます」
重いクラブで調子を崩したなら、軽いクラブを推奨する。ピン型のパターで打てなくなったら、センターシャフトのパターを試してもらうなど、ショック療法を試してみるというのだ。
「固定概念を外すことで、ゴルフが楽しくなることに気づいてもらえれば、それが顧客満足につながりますから」
そんな経営方針を貫く野水氏は、顧客はみんな家族だという。どういう意味だろうか?
【帯同ラウンドは年80回 口コミで客が客を呼ぶ】
先述の通り、同店の顧客同士はコミュニティーができており、家族のような存在だという。その家長が野水氏で、子供達のクラブを面倒見ているというイメージだそうだ。
「それぞれの子供は個性があり、好き嫌いもある。彼らの嗜好性に合わせるという意味でも、取扱ブランドが増えますし、ラウンドに帯同することも多い」
そのため同店主催のコンペも含め、顧客とのゴルフは年間80ラウンド。店舗で本格的なフィッティングを行わないかわりに、ラウンドに帯同しプレーぶりを見て、アフターフォローでクラブを調整する。
「クラブを作ったら、アフターケアが最も重要です。それで赤字になっても構いません。それが信用につながり、口コミで客が客を呼んでくれます。その結果、客が当店に対して、儲けさせなきゃと思ってくれるようになるんです(笑)」
ホームページはあるが殆ど更新しておらず、ブログはない。フェイスブックは何一つ投稿していない。それでも客が集まるから、アナログ経営の代表例だろう。
「ブログやフェイスブックを活用した集客は、顔の見えない客が増えることにつながってしまう。工房が、顔の見えないゴルファーにクラブを売るのはダメだと思いますよ」
だからSNSを活用しないという。アナログながら客が増える工房経営のコツは、ゴルファーの仲間意識に支えられていた。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2018年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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