神奈川県平塚市。東名高速道路・秦野中井ICから車で10分。ジャンボリー平塚ゴルフ練習場内で営業するのが「ゴルフスクエア ジャスト」である。駐車場の片隅のプレハブ店舗で日々、ゴルファーに対応するのが水野潤二社長。
今回同氏を頼って来たのが54歳、ゴルフ歴30年、平均スコア80台の男性ゴルファーA氏。昨年の夏、暑さで体調を崩してからドライバーをフルスイングできなくなり、ミート率が低下して左右に弾道がバラつくように。通常は軟らかいシャフトに交換すると思いきや、逆に硬く長くした。A氏の悩みは解決した?
カスタムの普及でカタログ値にこだわるゴルファーが増えた
水野社長がジャストを経営して27年目となる。これまで様々なゴルファーに対応してきたが、ナショナルブランドのクラブにカスタム仕様が増えた影響か、最近のゴルファーにはある傾向が…。
「それは、カタログ通りの数値、特にクラブバランスを重視しすぎるゴルファーが増えたことです。ところが、実際のヘッドとシャフトにはそれぞれ固有の重量と特性があるため、選び方によってはカタログ通りのバランスにならないことが多い。ヘッドやシャフトの特性を知らず数値だけにこだわる傾向は、あまり良いとは言えません」
今回のA氏も同様だった。昨夏、ラウンド中にだるさを感じ、ドライバーをフルパワーでスイングすることができなくなった。その原因をミズノ社長は「軽すぎるクラブバランス」にあると見た。A氏の使用スペックは、カタログ等で標準とされる「D1」だったが、身体にだるさを感じたことと、
「クラブバランスが軽すぎて、手打ちになったんだと思います。もともとAさんはスインガーなので、アイアンはポーンと軽く打っても飛距離は変わらない。でもパワーが必要なドライバーだと最大出力が出せなくなる」
そこで薦めたのが、見た目は難しいが幅広いゴルファーに対応できるヘッド、フソウドリームの『KS2』と藤倉コンポジットの『ダイヤモンドスピーダー』5Xの組み合わせだった。
47㌅から試打スタート 鉛も付けてD6仕上げ

まず、身体全体でスイングする感覚を得るために47㌅で組んだという。
「手打ちからボディーターンのスイングにするためです」
最初は『ダイヤモンドスピーダー』の4Sから始めたが、長さの影響でバランスが「D8」と重く、しなりすぎる。そこで次に50gのXを試した。
「棒のようなシャフトですが、長さを考慮した際の振動数を考えた時に、50g台のXが振りやすそうだった」
さらに、コースで使用することを前提にして46㌅にカット。
「長さのルールもありますが、コースで47㌅を振り回すとクラブが暴れるデメリットがあるからです」
これだけだと遠心力が強くなり、クラブに身体が引っ張られてインパクトがバラつく可能性がある。そこで遠心力を弱めるためにグリップ側に4gの鉛を貼った。結果的に46㌅、D6のクラブで、
「ミート率も向上しました」
バランスはバラバラでも良い パーツとゴルファーを深く理解する
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※画像は「5S」。実際の採用は「5X]。[/caption]
結果的に、総重量 316g、振動数246cpm、クラブバランスD6のドライバーが出来上がり、フルパワーでスイングできるようになったという。弾道のバラつきもなく、飛距離も15ヤード伸びたとか。気になるのは、他のクラブのバランスとの整合性だが、
「ドライバーはフルパワーで振れるようになりましたが、もともとスインガーなので、アイアンなどはクラブバランスが『D1』でも違和感なくスイングできて悪影響はないですね」
フソウドリームの『KS2』はオーソドックスなヘッド。それに対してシャフトは『ダイヤモンドスピーダー』の5Xだ。46㌅のD6でも、オーソドックスなヘッドの潜在能力を最大限に引き出すためのシャフト選択だったという。
「ヘッドやシャフトの特性を理解して、Aさんの課題を考えれば、今回の組み合わせは最適でした。カタログの数値に振り回されないことが大事です」
数値に惑わされず、パーツとゴルファーを理解する。それこそが、工房店主の職人技といえるだろう。
メーカー担当者コメント
フソウドリーム 営業部長 森孝之氏
「ジャストさんはヘッドを信頼してもらっているようで、うまくスペックがハマったのだと思います。幅広く対応できる『KS2』だからこそ、今回のような特殊なスペックに対応できたのだと思いますし、様々ゴルファーに対応できることが証明できたと思います」
ジャストとは?
〒259-1205
神奈川県平塚市土屋958 ジャンボリー平塚ゴルフ練習場内
TEL/FAX:0463-79-5262
なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2026年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。