神奈川県横浜市南区に創業70年を超える永田台ゴルフ練習場がある。そこに、インショップとして1974年に開業したのが堀スポーツ。いまはホリゴルフクラフトとして先代から店を継いだ堀達哉社長と、大曽根守フィッターの二人三脚で多くのゴルファーの面倒を見ている。
その大曽根フィッターを頼ったのが、60歳の男性ゴルファーA氏。身長185㎝と大柄でパワーもあり、アイアンだけではなく、UTもダウンブローで打つことにこだわっている。そのためUTの方向性に悩んでいた。そこで薦めたのが、構えた時にアイアンに見えるウッド系UTヘッドと、先端剛性が高いアイアンシャフトの組み合わせ。A氏の悩みは解決したのか?
現代スイング、現代クラブを受け入れられない
ホリゴルフクラフトの常連客は、地クラブを一から組み上げて購入するよりもリシャフトやグリップ交換が多いという。だから工賃収入が他の工房より全体売上の多くを占めている。ただ、中にはスイングにもクラブにもこだわりの強いゴルファーがいるという。
「最近のクラブは低スピン、高弾道がトレンドですが、そうではないオールドタイプのクラブ、スイングで言えばダウンブロー命みたいなゴルファーも少なからずいます。もっと簡単なクラブを使えば楽に飛ばせるのにと思いますが、そこはゴルファーならではの特性で、それを楽しむゴルファーも少なくない」
その一人が今回の悩めるゴルファーA氏。年齢は60歳で身長は185㎝。アイアンだけではなく、UTもダウンブローで打ち込みたい。
「払い打ちを極端に嫌っていますね」
と、大曽根氏が分析する。
A氏はこれまでFWに近いUTを使っていたが、手首の力が強くダウンブローで打ち込む。払い打ちで球を上げやすいヘッドとしなるシャフトの組み合わせでは、トゥダウンによってフェースが開きスライスが出る。反対に球をつかまえようとして手首を返せばチーピンになる。
そこで提案したのが、シビアすぎず、アイアンの要素が強いテーラーメイドのUT『ステルスプラスレスキュー』と、軽量で先端剛性が高いトゥルーテンパーの『スチールファイバーi70cw』というアイアン用シャフトだ。
重心深度が浅いヘッド、先端剛性高めのシャフト

大曽根フィッターがまず重視したのが、ヘッドの見た目と性能だ。
「AさんはボテッとしたUTを嫌う傾向があって、とはいえシビアなアイアン型のUTも敬遠します。そこで薦めたのが『ステルスプラスレスキュー』でした。Aさんが嫌う大型のウッド型UTと、シビアなアイアン型UT形状の中間で、ヘッド幅が狭すぎず広すぎずというモデル。重心深度が浅く、比較的重心距離も短いので、アイアンのように扱えて、トゥダウンを抑えてくれるんです」
それに加え、
「ネック部の懐が狭いので、構えた時にフェース面がアイアンのように見えます」
一方のシャフトだが、これまでの球を上げやすいシャフトから、軽量ながら先端剛性の高い『スチールファイバーi70cw』を推奨した。
「ここにも懸念があったんです。アイアンはDGで、Aさんは『クラブは重くないとダメ』と思い込んでいる部分がある一方で、今回のシャフトは70g台。でも、同じシャフトを装着したアイアンを試打してもらったら違和感がなかった。それで、先端剛性が高くトゥダウンしづらい『スチールファイバーi70cw』に決めたんです」
アイアンとUTで20gの重量差があるものの、
「Aさん自身、DGを使っていることもあり、トゥルーテンパーブランドに絶大な信頼があるようで、そこはすんなり納得してもらえました(笑)」
性能面で80点の最適化 20点のこだわりで満足度100点!

Aさんは今回のフィッティングで新たなUTを武器に、方向性も安定してスコアアップ。
「性能だけを見れば100点といえる組み合わせはほかにあるかもしれませんが、Aさんにはクラブやスイングに強いこだわりがあります。特に男性ゴルファーは性能だけでなく、自分のこだわりが満たされることをギア選びで重視する傾向があるので、性能面では80点の最適化を図り、残りの20点をこだわりで満たす。ゴルファーの総合的な満足度を100点にしているんです」
現代的なクラブやスイングに違和感を覚えるゴルファーは少なくない。Aさんも、その違和感が独自のこだわりにつながっていた。性能だけを押しつけるのではなく、そのこだわりに応えることも、フィッターの職人技といえるだろう。
メーカー担当者コメント
トゥルーテンパースポーツインクジャパン
営業部 PR/マーケティング担当 安藤早織さん
「フィッティングでは、ゴルファー一人ひとりの体格やスイング特性に合わせてシャフトを選定します。ヘッドとの組み合わせに決まりはなく、SteelFiber iシリーズの先端剛性の高さや左へのミスを抑えやすい特性が、今回のスイングにマッチした理由だと思います」
ホリゴルフクラフトとは
ホリゴルフクラフト
〒232-0076
神奈川県横浜市南区永田台3-12永田台ゴルフ練習場内
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なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2026年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。