寄稿者 武蔵野美大 北徹朗准教授(身体運動文化)
4月24日、前期授業が始まったばかりの武蔵野美術大学(東京都小平市)のグラウンドに、二木ゴルフ管理部の藤平高氏を迎えた。
同社は、ゴルフ用品専門小売店の最大手として有名だが、大学ゴルフ授業研究会のサポーター企業として「教育としてのゴルフ」にも熱心である。この日、3限目(13時00分~14時30分)のゴルフ授業の冒頭に登壇した藤平氏は、ゴルフグローブの選び方や、ゴルフの歴史、ゴルフの楽しみ方など、30名の受講学生を前に、初心者にもわかりやすい語り口でレクチャーした。
藤平氏の話を聞いた学生からは、グローブ着用意義の理解はもちろん、美大生らしい視点でもこの授業を捉えていた。
授業後の聞き取りでは、例えば、『どのような素材がゴルフグローブに適しているのか』(基礎デザイン学科3年女子)とか、『デザイン性と技術への影響などはあるのか』(視覚伝達デザイン学科1年女子)などの話題が出され、ゴルフ技術や文化理解だけでなく、学生各人に用具用品に関するリサーチクエスチョンを与える点でも大変有益な講義だった。
この講義の前週、グローブのフィッティングを行い、希望する学生は同社にグローブを注文しており、講義当日は実際の品物を確かめながら藤平氏のレクチャーを受講した。
半期(概ね15週)の授業に対応可能なグローブであれば、学生の立場からは出来るだけ安価なものが喜ばれる。
今回、二木ゴルフオリジナルブランドの格安グローブ(400円~600円)が準備された。種類のバリエーションも豊富で「選ぶ楽しみ」も経験でき、購入した学生43名は、みな大満足であった。
たまたまこの日「フライングディスク」の授業のため出校していた、武蔵野美術大学の本田雅一非常勤講師(日本フライングディスク協会副会長、JOC選手強化本部委員)は、格安で購入可能な二木ゴルフオリジナルブランドのグローブを見て、『フライングディスクの選手は野球用の手袋を使用している選手が多くいるが、すべりにくいストレッチ素材は我々の競技でも使える。是非、情報提供頂けないか』と、藤平氏に依頼するなど、ゴルフ用グローブは、他競技での応用利用の可能性もありそうだ。