300ヤードスプーンの次は"1オンドライバー"

300ヤードスプーンの次は
同社は昨年、"300ヤードスプーン"『X HOT』が牽引し全社的に好業績を挙げた。その勢いをさらに伸ばす武器として選んだのが、『BIG BERTHA』。キャッチコピーを"狙う、長距離砲。完成。"とし、短いミドルはグリーンを狙えという"1オンドライバー"の誕生である。 初代『ビッグバーサ』が発売されたのは1991年。第一次世界大戦時にドイツ軍が開発した長距離砲をその名に冠した。キャロウェイの象徴的な設計理念の礎を築いた「S2H2理論」を駆使して、メタルヘッドの大型化に先鞭をつけたのだ。 以降、同社のフラッグシップモデルという位置づけでシリーズ化されてきたが、『ビッグバーサ』を復活させたのは、8年ぶりだ。 新製品発表会に登壇した庄司明久副社長が、その経緯を語る。 「キャロウェイが最初に『ビッグバーサ』を出した時、万有引力を発見した『ニュートン』と『りんご』をデザインアイコンに使用しました。当社にとって『ビッグバーサ』はイノベーションの象徴で、この最新作のアイコンとしてアピールするのに相応しいと判断したのです。そして、キャロウェイは今年、この『ビッグバーサ』でウッドシェアナンバーワンを目指します!」 "1オンドライバー"で、シェアNO.1宣言も飛び出した。 かなりの力作と自信を見せるが、そのイノベーションとは何なのか? まず、『ビッグバーサアルファドライバー』だが、最大の特徴はロフトを代えずに重心設定の高低でスピン量を自在にコントロールできる点だ。「グラビティーコア」と呼ばれる細長い筒状のウェイトは、先端のシルバー部分が10・5g、黒いバーの部分が1・5gとなっており、二つの異なる方法でソールから挿入することができるという。 先端に付けられたシルバー部分のウェイトがソールに最も近くセットされれば、約2㎜低重心になり、バックスピン量を300~600回転軽減することができる(同社調べ)。逆にクラウンよりにセットされれば、クラウン側が重くなり、重心位置は高くなるという構造だ。よって、ロフトを変えることなくスピン量が減らせるので、最適なスピン量を獲得しやすいメリットが高い。 通常、こういった円筒物をヘッド内部に装填すると音鳴りなどの問題も生じるのだが、今回、キャロウェイ独自のカーボンコンポジットテクノロジー(ヘッドクラウンとグラビティーコアの主素材にカーボンコンポジットを使用)でそれを解消した。すんだ打球音がするのは、このテクノロジーによるところが大きい。 テストした深堀圭一郎プロは、 「僕は以前から構えた印象(ロフト)を変えないで、もっとタテのスピンを操作できないかと思っていたのですが、本当にできちゃいましたね!驚きであるともに、すごいパフォーマンスです」 とその革新性を絶賛。今季の復活優勝の力強い武器になると力瘤を漲らした。 一方、『ビッグバーサドライバー』の最大の特徴は、スライド式の自在に動く「ペリメーターウェイティング」を搭載した点。これは、8gのスライド式ウェイトを移動させることで、重心調整が可能な仕組み。これにより、常にヘッドの慣性モーメントが大きくなる位置に設定できるので、打点位置のずれをカバーできるのだという。打点位置がトゥ側の傾向がある場合は、ウェイトをトゥ側にし、ヒール側の場合は、ウェイトをヒール側にして打点に重心を近づけられる。インパクトのエネルギーロスを抑制し、理想の弾道を獲得しやすい効果がある。 ウェイトをスライドさせながら重心設定を変更できるモデルは今までもあったが、動かせる位置が限られていた。しかし、『ビッグバーサ』に搭載されたスライドはその範囲内ならどの地点にも止められる。重心設定の自在性が飛躍的に高まったといえるだろう。 「通常、ヒールやトウで打つと弱いインパクトになってボールの勢いがなくなってしまうのですが、このモデルは打点のすぐ後ろに重量をもって来られるので、力負けしません。実際、あると無いでは20ヤードも違います!」 深堀プロもその効果に目を見張っていた。 二通りの異なる方法論で、それぞれに革新性を持たせた『ビッグバーサ』。キャロウェイのイノベーションの象徴に相応しいニューモデル誕生といえそうだ。 なお、『ビッグバーサアルファドライバー』は7万5000円~、『ビッグバーサドライバー』は6万5000円~。 動画は1月7日に都内で開催された記者発表会の模様を収録したもの。