帝王が太鼓判!"今後15年世界をリードする一人"

帝王が太鼓判!
最終日は、正に"松山劇場"といえるハラハラドキドキの試合展開となった。松山は、難コースといわれるミュアフィールドビレッジを果敢に攻め続け、15番のバーディ奪取で一時単独リーダーとなった。だが、その直後の16番ショートホールで左サイドの池に入れてダブルボギーを叩き、一歩後退。でも、「まだトップと1打差だったので前を向けた」という冷静な心理状態が、18番ホールのバーディを呼び込み、プレーオフVにつながったと自己分析してみせた。 以下、USPGAツアーサイトで公開された優勝会見の模様を一問一答形式で再現する。 ――本戦の18番でドライバーが折れてしまったが。 「かなりショックでした(苦笑)。そんなに強く叩いたわけでもなかったのですが...。いずれにしろ、(新しいものに替えるよりも)この試合の流れを考えれば、スプーンを持つ選択でしたね」 ――バーディチャンスにつけた18番のセカンドは何番で打ったのか。 「7番アイアンです。ミドルアイアンは一番好きなクラブですし、今まで一番練習してきました。その番手で打てる距離が残ったということ。だから、持ち球を右からの風に乗せてピンに絡めようと思って打ちました」 ――プレーオフのセカンドショットはバンカーからだったが。 「ケビン(ナ選手)のティーショットがウォーターハザードに入ったことを確認できていなかったので、とにかくいつも通りのショット(196ヤードを5番アイアン使用)を心がけました」 ――この勝利の意味するものは。 「僕で日本人4人目の勝利。この少ない数がUSPGAで戦う難しさを証明していると思います。ただ、まず、USPGAで勝つという目標を達成できた。そしてメジャー優勝も目標としているので、その達成に向けて頑張るだけです」 日本人の長年の夢とされてきたレギュラーツアーでのメジャー制覇が、俄然現実味を帯びてきた。来週には「全米オープン」(パインハーストNO.2)も開催される。日本のゴルフファンにとって、眠れない日が続きそうだ。 ところで、松山の優勝を世界がどう見ているのか。優勝会見に同席した今トーナメントのホストであるメジャー18勝の帝王、ジャック・ニクラス氏の松山に対するコメントが興味深かったので紹介しておこう。 ――松山選手の印象は。 「この若者は、これからたくさんのトーナメントを勝つでしょう。その理由は、まず、体格。平均的な日本人よりも体の強さを感じる。ジャンボは大きかったし、アオキも背は高かったけど松山ほど強くはなかったですね。彼の体力があれば、自然体で試合に臨める。無理なハードトレーニングで飛距離を追いかける必要もありません。だからスイングテンポがすごくいいし、精神的にも沈着冷静。16番のティーショットが池に入った直後のリカバリーショットの判断も素晴らしかった。あの場面で心を落ち着けて冷静にプレーできることが、彼の全てを表しているんじゃないですか」 ――松山の将来的な活躍については。 「今後10~15年、世界のゴルフ界をリードする偉大なプレーヤーの一人になるだろう。私がホストするトーナメントが、彼の米国での初優勝になったということに誇りを感じています」 ニクラス氏は昨年同コースで開催されたプレジデンツカップで松山を見て、その将来性の高さを強く感じていたという。帝王から「心・技・体」のお墨付きを受けたことが、世界の評価にもなりそうだが、世界ランクトップのアダム・スコットとマスターズ覇者のバッバ・ワトソンをガチンコ勝負で倒したことも今後のキャリアに弾みをつけそうだ。 なお、松山のUSPGAツアー初優勝を支えたギアは、以下の通り。 〇ボール:『スリクソン Z-STAR XV』、〇ドライバー:『スリクソン プロトタイプ』、〇アイアン:『スリクソン Z925』(#4~#9)、〇ウエッジ:クリーブランド 588RTX CB(48度)、クリーブランド CG17 プロトタイプ(54、60度)〇シューズ:アシックス『GELACEレジェンドマスターSL』(TGN901プロトタイプ)、〇キャップ:スリクソン、〇グローブ:スリクソン、〇キャディバッグ:スリクソン、〇ウエア:スリクソン(シャツSMP4193X、パンツSMS4133) 今回の優勝に際して、松山選手をサポートするダンロップスポーツの野尻恭社長が声明を発表しているので紹介する。 「松山英樹選手のザ・メモリアルトーナメントでのPGAツアー初優勝、誠に誇らしく思っております。日本で数々の記録や記憶に残るプレーを打ちたて、今季からPGAツアーに挑戦されていますが、日々のたゆまぬ努力が実を結んだ初優勝であったと思います。 松山英樹選手を目指して、多くの子供たちがゴルフというスポーツに興味を持ってもらえればと期待します。松山英樹選手、そしてサポートされている関係者の皆様、おめでとうございます」