ヨネックスは9月下旬、カスタムオーダーシステムで好評を博している新潟自社工場製カーボンシャフト『レクシス キセラ』から、世界最軽量を更新した28.5gのシャフト(2F3)を発売する(同社調べ)。
同シャフトは、ヘッドスピード(HS)38m/s未満のゴルファーに向け、極薄のカーボンシートに「ナノメトリック」素材を複合。大幅な軽量化と高強度化を両立した超軽量シャフトだという。同社の飯泉剛課長(製品開発)が次のように説明する。
「今回発表した『レクシス キセラ』は、空のペットボトルよりも軽い28.5gで、前作比で2.5g軽量化しました。製造コストや作業工程は前作比3倍ほど。昨年のゴルフフェア以降通常の5倍以上に相当する約70本の試作品をつくり、61本目で満足できる結果が得られました。当社のシャフトはまだまだ知名度が低いので、世界最軽量で宣伝効果が期待できます。50g台のシャフトの製造誤差は±2gですが、『キセラ』は±0.4g。プラス側に振れたとしても、29gにはいかないよう細心の注意を払いました」
ちなみに、軽量シャフトにありがちな、ただ軽いだけ、シャフトが頼りないといったデメリットも解消したとか。前出の飯泉課長によれば、
「当社は軽さだけではなく性能面も両立しています。軽さだけ求めると頼りないシャフトに仕上がるので、トルクを絞り、強度を上げるなど耐久性も必要になる。これらを解決するため、極薄のカーボンシートに強度と弾き感を高める新ナノメトリック素材を全体に配合しました。通常、この軽さではトルクが15~16度ですが『キセラ』は10.5度に抑制しました」
気になる価格は、シャフト単体で5万5000円、スリーブ付きシャフト単体で5万7000円となっている。シニアや非力なレディスゴルファーの飛距離アップに貢献しそうなモデルだ。
さらに同社は同時に、アイアン専用カーボンシャフト『レクシスカイザXi』を投入。同シャフトは先述のキセラと一転、HS42m/s以上のアスリートゴルファーに向けた中上級者モデルという位置づけ。
特徴は、カーボンの約3倍の柔軟性を持つグラスファイバーに、カーボンナノチューブを複合した新素材「タフGファイバー」を搭載したこと。それにより、スチールシャフトの操作性と、カーボンシャフトの球の上がりやすさというそれぞれの機能メリットを融合。コントロール性とフィーリングのよさに加え、ロングアイアンの寛容さを達成したという。
モデルは重量帯別に「95S」、「95X」、「105S」、「105X」の4タイプを用意。価格は1本1万2000円となっている。
問い合わせはヨネックスへ、03‐3833‐3526。