このほど財務省から6月度の輸出入実績(クラブ、ボール)が発表された。今上半期(1-6月)の状況も踏まえレポートする。
輸入クラブ
当月は30万6983本で、前年同月比10・5%減。6ヶ月間の累計輸入量は201万3950本で前年同期比11・1%減となった。3月以降前年をクリアしたものの、2月の大幅減が響き今上半期は1割弱の前年割れとなっている。国別の輸入状況は、
中国 22万6359本
ベトナム 5万9792本
台湾 1万1450本
米国 6626本
メキシコ 2756本
当月は計5ヶ国・地域から輸入されたが、ベトナムと台湾製クラブの構成比が高まっており、上半期はベトナム製が前年の17万6333本から32万6022本と2倍弱の伸長を見せた。
台湾製も勢いを増している。前年の4万6105本→7万4272本へ拡大し、1・6倍の輸出量を記録した。一方生産工場が集中する中国(東莞市)では、人手不足が深刻化。
さる業界関係者によると、
「近隣の工場同士で工員の奪い合いが起きていますが、最近は高待遇で募集をしてもなかなか集まらないようです。チャイナリスクを踏まえるとベトナムが近い将来、イニシアチブを取る可能性も否めません」
台湾については、テーラーメイド『グローレ』を筆頭に回帰現象がみられる。東京からのフライト時間が短いため、円滑に仕事が進めやすいメリットがあるようだ。
輸入ボール
当月は65万6996ダースで前年同月比23・6%減。累計は400万3794ダースで前年同期比9・4%減となっている。国別の輸入状況は、
台湾 27万8594ダース
中国 14万7479ダース
米国 12万4079ダース
タイ 4万3680ダース
インドネシア 4万952ダース
これ以外では、韓国(2万2141ダース)、英国(70ダース)から輸入された。
輸出クラブ
当月は28万1006本で、前年同月比7・1%増。累計は159万6327本で、前年同期比1・9%増だった。国別の輸出実績は、
韓国 21万5485本
米国 1万4698本
香港 9352本
中国 9173本
シンガポール 7823本
台湾 5670本
ベトナム 3741本
豪州 2921本
などで、当月は計28ヵ国・地域へ輸出された。
輸出ボール
当月は22万9461ダースで前年同月比25・2%増。累計は156万7990ダースで前年同月比52・3%増だった。国別の輸出実績は、
香港 8万1525ダース
韓国 5万1293ダース
米国 2万5312ダース
英国 1万7352ダース
南ア 1万2042ダース
中国 9594ダース
などで、当月は計15ヶ国・地域へ輸出された。
6ヶ月累計の最大輸出国は英国34万6680ダース(前年同期比110%増)で2倍強の伸びを見せている。韓国30万1621ダース(前年比11・5%増)を抜き輸出筆頭国に躍り出た。これ以外では、南アの5万970ダース(同19・7%増)も特筆される。
英国へのボール輸出増の要因は、同国で2割のシェアを有するダンロップスポーツ社製と推測される。市島工場(兵庫県丹波市)からスリクソンなど主力ラウンドボールが輸出されたもようで、勢いを増している。