今、密かに都会派ゴルファーの間で話題になっているキャディバッグがある。それが今年1月に開催された世界最大のゴルフ見本市PGAショーでデビューした
『OUUL』(オウル)だ。
日本では、ロイヤルコレクションが総輸入元となり4月から発売。現在百貨店を中心に110店舗ほどで展開中だが、輸入元によれば、問い合わせが日々増えており、今後更なる拡販が見込めそうという。
『オウル』が都会派ゴルファーを魅了するのは、ファッショナブルでありながらゴルファーの使い勝手を追求していることだ。
「まずは、デザインですね。どんなライフスタイルのゴルファーにも支持されるように、ロゴを前面に出さず飽きのこないデザインを取り入れています。あと機能性ですが、最近はコンパクトな車も多いのでサイズもそれに合わせて作っていますし、車からの積み下ろしや様々なタイプのゴルフカートに適した機能性を追求するなど、使う側の身になったモノ作りの姿勢が、市場での評価につながりつつあります」(ロイヤルコレクションの小山英嗣社長)
使い勝手の例でいえば、『オウル』のキャディバッグは全機種両手でつかめるようにバッグの底付近に手を差し込める専用ポケットを付けている。細かい点だが、車の積み下ろしにはすごく便利だ。
『オウル』が使い手の立場になったモノ作りに徹するのは、企業の成り立ちとも関係がある。同社のブランド歴は浅いが、大手ゴルフメーカー向けのOEM生産の歴史は20年以上に及ぶ。大手は品質に厳しい上、毎年違ったサイズや形状をOEMメーカーに求める。そういった多種多様なリクエストに応え続けてきたことが、同社の技術力の蓄積と実践的な使い勝手のよさにつながっているのだろう。
さらに、同社は完全自社生産のもと、オリジナルのテキスタイルを使用しているのも特徴の一つ。独特なカモフラージュ柄や刺繍でワニの鱗を再現したデザインなどは極めて独自色が強い。他メーカーと差別化されたデザインは、こういった生産背景によるものだ。
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ヴィンテージレザースタイル[/caption]
世界最高レベル 1.2kgの超軽量スタンドバッグ
先頃開催された2018春夏コレクション展示会では、既存の「カモフラージュコレクション」の他、刺繍でワニの鱗を再現した「アリゲーターコレクション」、「3301デニム」、「ヴィンテージレザースタイル」など豊富なバリエーションが発表された。価格は3万円代~6万円代と幅広いが、その中でも注目を集めたのが世界最軽量レベルを謳う1.2㎏のスタンドバッグ「エアーライトコレクション」だ。
2.5kgを切れば軽量と言われるキャディバッグだが、「エアーライトコレクション」はその半分以下、1.2kgを達成した。持ち運びを考えれば、キャディバッグは軽ければ軽いほどいいが、問題はクラブなどの重さを支える自立性があるかどうかだ。
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エアーライトコレクション[/caption]
「すでに発売した1.6㎏のスタンドバッグは、売れています。今回はそれよりもさらに軽くした1.2㎏、世界最軽量レベルと自負しています。スタンドにカーボン、パーツに強化アルミなどを使い、軽いのに自立性を高くしているのがセールスポイントです」
実際に持ってみたが、指でヒョイっと持ち上げられるほど軽い。そして、スタンドを立てて前後左右に振ってみたが、弱々しく倒れてしまうような感じもない。上手く自立性を高める工夫を凝らしている。これなら電車でゴルフも楽々行けそうだ。
『エアーライトコレクション』のカラーはブラック/ラバ、ブラック/エメラルド、ブラック/サファイア、ブラック/トーナルの4種類。口径は8.5型で価格は1本2万5000円。
ちなみに、この類のカジュアルなバッグはシューズケースも同じデザインを選びたいというのがユーザー心理だが、『エアーライトコレクション』には付属品として同色のシューズケースも付いている。この気の使い方は、◎だ。
そして、気遣いという点で挙げられるのが、「3301デニム」の「ホールドール」バッグに付いている耐水バッグ。防水加工が施されているので、雨の日に濡れたシャツやソックスなどをサッと入れられる。ゴルファーがちょっと気になる部分をすぐ商品化してしまう。キャディバッグ専門メーカーらしいアイデアバッグだ。
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防水加工を施した収納バッグ[/caption]
オリジナルのテキスタイルを使用した生地感とデザイン、アイデアと技術を融合させた機能性が『オウル』のウリ。キャディバッグに求められるファクターを詰め込んだ印象で、いいモノを長く使いたいゴルファーの注目を集めそうだ。