昨秋に扶桑電機工業S&L部(フソウドリーム)から発売された『健二郎ドライバー』--。今年4月にはFW(ロフト角15度、18度、21度)とUT(同20度、23度、26度、29度)が発売される。ドライバーの設計思想と同じように、そのクラブの用途やロフト角の多少に合わせて重心位置を理想の位置に設計。ドライバー同様に飛距離追求モデルという位置づけだが、驚きの結果とは?
『健二郎FW』『健二郎UT』はどんなクラブ?
今回は扶桑電機工業S&L部の草場栄一営業推進部長に、『健二郎FW』と『健二郎UT』の開発コンセプト、そして構造的な特長を聞いた。
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草場栄一営業推進部長[/caption]
草場部長によると、ドライバー同様に番手毎に理想とされる重心位置を設計に落とし込んだという。特にFWやUTは芝から打つことが多く、そのための重心位置はドライバーよりさらに低い位置に設計。地面に置かれたボールを空へ解き放つために、ソールの厚さを5㍉程度と超厚底設計で仕上げているという。
GEW吉村が『健二郎FW』を打ってみた HS41m/sで228ヤード
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5番ウッド(18度)、HS41m/sで228ヤード[/caption]
GEW吉村としてはFWウッドは苦手なので、それもあってFWの中ではクラブの長さが比較的短い5番ウッド相当の18度を試打。最長飛距離はHS41m/sで228ヤード。弾道データを見れば分かる通り、ミート率は1.29とそれほどナイスショットではないが打ち出し角度15度、バックスピン量2667rpmと申し分ない。
ミート率からいえば228ヤードの飛距離は出来すぎだが、ヘッドのクラウンとソールに配されたパワーアブソーバー(三日月形状の溝)が、インパクト時のヘッドの撓みがボールの打ち出す方向に撓みもどることで、効率的に飛距離を稼いだ印象が感じられた。
『健二郎UT』はロフト角29度でビックリの飛距離204ヤード
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U6(ロフト角29度)、HS40m/sで204ヤードのぶっ飛び[/caption]
次に試打したのが『健二郎UT』。U6でロフト角でいえば29度。最近トレンドとなっているぶっ飛び系アイアンの8番アイアンに相当するロフト角。草場部長によると、ロフト角29度では、ロフトの影響で十分にボールの打ち出し角や高さは出るので、特にUTはロフト角が大きくなるにつれて、ボールが吹け上がらないように重心を高く設計しているというのだ。
ドライバーやFWに搭載されたパワーアブソーバーの効果と合わせて、ロフト角に合わせた重心位置を設計することで、弾道は吹け上がることなく前へ前へ勢いのある弾道となったことが、ロフト角29度でも204ヤードという驚愕の飛距離に繋がっているといえるようだ。
これらのFWやUTのこだわりは、重心位置やパワーアブソーバーだけではなく、番手毎に違うスコアラインも特徴的。それぞれの番手でインパクト時に最も反発力が高くなるようにスコアラインの位置や長さを設計している。
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番手毎に微妙に異なるスコアラインの位置や長さ[/caption]
重量調整可能なヘッドは、シニアだけではなく女性ゴルファーにも!
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ソール後方に調整可能なウエイトが2箇所[/caption]
草場部長によると、『健二郎FW』『健二郎UT』はゆったりなスイング、非力なスイングのゴルファー、特に飛距離が落ちてきたシニアゴルファーにオススメだというが、上の写真を見てもらえれば分かる通り、ソール後方に調整可能なウエイトが2箇所デザインされている。
その重量調整用のウエイトは6種類で、最軽量は1g、最も重いウエイトは10g。その調整ウエイトを駆使して、シャフトをフィッティングすれば、飛距離に悩んでいる女性ゴルファーが十分に飛距離を稼ぐことができるFWやUTになりそう。これまで2オンできなかったミドルホール--。その2オンも夢ではない『健二郎FW』『健二郎UT』。発売が待ち遠しい。
問い合わせは扶桑電機工業S&L部へ、03-6712-4118。