新生日幸物産から『新生ディレット』のドライバーとアイアンが発売
日幸物産は5月末、ドライバー『新生ディレット』を発売した。加えて、飛び系アイアン『ディレット アイアン』を6月末に発売を予定している。
『新生ディレット』ドライバーは、これまでの『ディレット』と趣を少し変えてアスリートターゲットから幅広い層が使用できるモデルとしての位置づけだ。
450㎤のコンパクトなヘッドで、外資系大型ヘッドと比較してヘッドの剛性を軟らかめにデザイン。パターヒッターでなければ、ボールを潰して飛ばせない大型ヘッドとは異なり、パワーがなくてもヘッドが潰れて飛距離が追求できるドライバーに仕上がっている。
今回、『新生ディレット』ドライバーを監修したのは赤鬼と呼ばれた田中文雄プロ。
スイングに一家言もっており、「スイングは挙げて下すではなくて、挙げて振る。振ることができるドライバーでなければなりません。今回の『新生ディレット』ドライバーは、その顔が良くて、挙げて振るには抜群です。ヘッドもコンパクトだから、シャフトを選べば女性でも使えると思いますね」
そう絶賛している。
その顔の良さだが、数字上ではフェースアングルがマイナス1度。しかしながら、塗装や形状の妙でオープンフェースには見えない。
「左足の踵線上に構えた時に、フェースがターゲットに対してスクエアというのが、ゴルフの基本。それがあるから、フェースアングルがマイナス1度でもスクエアになるんです」
振れるドライバーとしての形状は、技術顧問の松浦真也氏が長年の経験で作り上げている。
「クラウン後方の弧の頂点は、弧を等分した位置より、少しだけネック寄りにあります。そしてクラウンの頂点と、クラウンとフェースの繋がる線を等分した点、この3点がひとつの線上にあることが、ゴルフのスイングにあった形状なんです。なぜなら、ゴルフスイングはインパクト前後で弧を描きます。特に日本人は非力だから、大型ヘッドのドライバーで直線的にインパクトを迎えることができません。そういう部分も加味してヘッドをデザインしています」
もうひとつ、日本人が振れるヘッドの剛性もあるという。
「外資系の大型ヘッドは、フェースとクラウンの繋がり部分にリブを配して剛性を強めています。パワーでボールを潰すためですが、その構造は非力な日本人ゴルファーには不要。だから、リブを配していませんし、剛性は柔らかいですよ」
それが吸い付く打感に繋がっているという。
ロフト展開は9・5度と10・5度を用意するが、田中プロ曰く、「女性も使えるように11度や12度もテストしています」
ヘッド価格は5万円。
一方、日幸物産としては初となる飛び系アイアン『ディレット アイアン』だ。バネ鋼のL字フェースと軟鉄S20Cをボディに用いた異素材融合の飛び系アイアン。ロフトも5番で22度と、大手ナショナルブランドの飛び系アイアンと遜色ない飛距離性能を実現している。
もちろん、深低重心だ。バックフェースにはCNCで深いポケット構造を加工し、低重心化を促進。そして深重心化と打感の向上のため、バックフェースに埋め込まれたのがEPDM(エチレンプロピレン)ラバー。フェースの広範囲で、芯でボールを捉えた時と同等の打感を実現しているという。
もちろん、最大の特徴はバネ鋼「KS301」を採用したL字フェースが生む反発性能だ。
「これまで地クラブでは大手工場の技術を採用するのが難しく、バネ鋼の鍛造L字フェースの採用は難しかった。しかし、中小工場でも技術が向上して、薄肉鍛造のL字フェースが作れるようになったのです。鍛造する温度、押さえる力加減、鍛造する時間のバランスが難しかった。それが可能なったことで、新たな市場が形成されることになるかもしれませんね」
そこにいち早く『ディレット アイアン』を上市する。技術顧問の松浦真也氏は、
「上級者、クラブマニア、クラブ好きだけではなく、多くのゴルファーに地クラブを使ってもらいたい。それに『ディレット アイアン』が寄与できれば嬉しいですね」
価格はヘッド1個2万3000円と少々高いが、大手ナショナルブランドの飛び系アイアンと比較しても遜色のない仕上がりに自信を漲らせている。