コロナ禍によってゴルフの安全性が注目され、新規ゴルファーが増加している。特にこれまで伸び悩んでいた20〜30代の若い世代が増え、練習場は活況を呈している。
そんなゴルフ市場に参入したのが、株式会社Knomak(ノマック)。自らもゴルフをこよなく愛する小寺俊介社長率いる、ITの導入および技術支援を手がける会社だ。
ITの豊富なノウハウを武器に、ゴルフ練習場にゴルファー目線の付加価値を提案する。
ITで「絆」が生まれる
まずは会社名の「Knomak(ノマック)」とはどういう意味なのでしょうか?
「はい。社名は造語なのですが、『Knot(ノット)』と『Make(メイク)』を組み合わせたものです。『ノット』には『結ぶ、結び、絆』という意味があって、これを『作る(メイクする)』で、『ノマック』としています。ITを通して人と人、そしてお客様との繋がりを作りたいという想いを込めています」
「繋がり」というとネットワークにも通じる。IT企業らしい発想です。
「実はそれにもかけています」
早速ですが御社の事業内容を教えて下さい。
「ITと言っても様々ですが、当社の得意とするのはITインフラの導入や設定なんです」
具体的には?
「簡単に言えば、企業や施設にネット回線やWi-Fiを設置したり、パソコン・プリンター・メール・サーバーの設定など、ITの導入全般を支援しています」
なるほど。主な取引先は?
「一般企業から、ホテルなどの大規模施設まで幅広く取引しています。特に中小企業は社内にITの専任がいないことが多いので引き合いが強いんです」
企業のIT訓練も行うと聞きました。
「はい。これは大企業に多いのですが、例えば『標的型メール訓練事業』などがそれですね。偽の詐欺メールを社員様に送り、それにどう対処するかをシミュレーションすることで、対処法を訓練するサービスです。テレワークが導入されている今、セキュリティで守られている社内ネットワーク以外を使った仕事が増えているので、このサービスは好評です」
ゴルフ練習場の可能性を広げる4つの提案
そんな御社ですがゴルフ業界に新規参入しました。
「新規参入というと大それているのですが、ゴルフ用の商品やサービスを新たに作って提案するというよりも、当社が持っているITの経験・サービスでゴルフ業界のIT化に貢献したいと思っています」
というと?
「具体的にはゴルフ練習場の全打席・クラブハウスにWi -Fiを導入し、来場者が気軽にインターネットを楽しめる空間を作りませんか? というご提案です」
全打席というのはすごいですね!
「はい。今回のご提案は練習場のサービスと顧客満足度の向上に繋がると思っています。私自身もゴルフが大好きで練習場によく行きますが、最近はゴルファーが増えたことを実感していて、土日になると場所によっては1時間待ちもある。そんな待ち時間で無料のWi-Fiが使えたら嬉しいと思うんです」
今やWi-Fi環境はあって当たり前ですもんね。
「はい。法人利用ですので街中のフリーWi-Fiとは違い、安定した回線でセキュリティも安心です。それと最近はユーチューブのレッスン動画を観ながら打席で練習をする人が多いんですね」
私もよくやります。繰り返し動画を観るからデータ量が気になって。
「Wi-Fiなのでそれも心配ありません。もう一つは例えば練習場の打席で、ZOOMを使ったオンラインレッスンなども簡単にできると思います」
時流に合っていますね。ただ、オンラインレッスンだとスマホ越しにコーチと話すので、他の客から苦情が出そうで心配です。
「その点は、先日当社がWi-Fi導入を行った『ロイヤルグリーン水戸』の礒﨑社長とも話していたのですが、エリア分けしてオンラインレッスン可能な打席を作ることで対応できるのではないかと思っています」
なるほど。最初からそういう打席を練習場側が作ってくれれば、気兼ねなくできますね。
「はい。それに近隣のインドアやレッスンプロと協力してオンラインレッスンプランを作れば、双方に新たな収益が生まれると思うんです」
確かに可能性が広がりそうです。
「はい。そして可能性の広がりに通じるのが、練習場の空きスペースをコワーキングスペースに改良する提案です。テレワークが進む昨今、都内にはこういったスペースが増えてきましたが、住宅街にはなかなかありません。家だと家族がいて仕事に集中できないけど、都内までわざわざ出るのは大変です。そんな時に、よく行く家の近くの練習場にこういったスペースがあったら便利だと思うんです」
確かに。息抜きに練習もできる。
「はい(笑)。中規模の練習場だと、マナー講座用に20坪前後の部屋を持っているけど使っていないということが多い。ロビーが広い練習場なども意外とスペースが余っています」
コロナ禍の今、待合スペースは利用不可になっていることもある。誰も観ないゴルフ中継を流しているより、よほど良いですね。
「はい。ゴルファー以外にも使ってもらえる可能性が生まれるので、練習場にとっても新たなビジネスと財源になります。それと、コロナ禍における企業の支援策として『事業再構築補助金』というものがあって、コワーキングスペースを作ることで、その対象になる可能性も高いんです」
なるほど。御社Wi-Fiを使ったコワーキングスペースの実例は?
「練習場ではないのですが、あるゴルフ場が、併設ホテルを使ったリモートワークプランを販売しているのですが、それがとても好評のようです。実はそのWi-Fiも当社が設置しました」
きめ細かなサービスと安心のサポート体制
練習場での導入事例はあるのでしょうか?
「先程お話しましたが、直近だと、先日リニューアルオープンした、ウィルトラスト様の『ロイヤルグリーン水戸』です」
あの練習場は1、2階合わせて約530坪、全84打席とかなり広い。全打席へのWi-Fi導入だと相当な費用がかかるのでは?
「そのコストを安くできるのも今回の提案の特徴なんです」
と言うと?
「Wi-Fiの設置には多くのケーブルが必要で、本数の多さがそのまま工事費に直結します。通常のWi-Fi1台に繋げるデバイスは50~60台程度。さらに練習場の打席は横に長いから、どうしても設置台数が増え、費用がかさんでしまうんです。一方、『ロイヤルグリーン水戸』に入れたのは茨城県つくば市のノエックス社製『KPWL−0300H』というWi-Fiで、1台で200台のデバイスを繋げます。広範囲をカバーできるので、設置台数、ケーブル数も減らせて、通常より工賃を抑えられます」
どのくらい変わるのでしょうか?
「小~中規模の練習場なら1フロアほぼ1台の設置でカバーできるので、通常のWi-Fiの約半額くらいにはなると思います。設置台数が減れば、当然工事日数も短く抑えられるメリットがあります。概ね最短1日で可能です」
早いですね!
「そうですね。やっぱりゴルファーからすると、練習中に作業員に後ろに立たれたりしたら気が散るじゃないですか。なるべく練習の邪魔をしたくないですからね。それに、工事と言ってもWi-Fiを設置する作業なので大きな音は出ませんし、設置台数も少ないので工事中に使えなくなる打席も最小限で済みます。ゴルフ練習場の営業に支障が出ないようにするためにも工事期間を短縮することは重要だと思っています」
工事に際して、ほかに工夫していることはあるのでしょうか?
「事前に出張して現地調査をしっかり行う点ですね。関東地方近郊であれば基本的に出張費用は無料です。また、調査の際にもなるべく練習の邪魔にならないようにしたい。設置場所の材質を確かめるために壁を叩く時はお客さんに一声かけるようにしています」
ゴルファー目線ですね。
「はい。私自身が大のゴルフ好きですから(笑)それは工事スタッフにも徹底するようにしています」
ほかの導入事例はどうですか?
「横浜市の練習場も1件手がけています。こちらは打席に雨が吹き込みやすい地形だったので、別のメーカーの製品ですが、防水加工されたボックスにWi-Fiを格納し、LANケーブルも防水タイプを使いました」
場所に合わせてアレンジが可能ということですね?
「はい。当社はマルチベンダなので、練習場の場所や要望に合った最適な組み合わせでサービスを提供できる点が強みです。Wi-Fiは基本的に天井か壁に設置するのですが、美観を重視する場合は設置場所も工夫するようにします」
導入費用の目安は?
「練習場の規模にもよりますが、目安としては小~中規模の練習場で60万円から、中~大規模で80万円からです」
ランニングコストはどのくらいかかるのでしょうか?
「これは通常の光回線の月額費用のみなので特別高くはありません」
それなら1万円以下で済みますね。気になるのは設置後のサポート体制ですが、いかがですか?
「現地サポートから遠隔サポートまで幅広く対応できますし、保守契約もニーズに合ったプランを整えています」
なるほど。設置から保守までしっかり対応されているということが分かりました。
「ありがとうございます。Wi-Fiの設置は直接的には集客に繋がりにくいと思います。だからこそコストをかけずに高品質なものをお勧めしたいのです。
今回の提案で伝えたいことは、確実に来場者の満足度は向上するし、ゴルフ練習場の可能性も広がるということです。当社のITノウハウを活かして練習場に付加価値をもたらしたいですね」
問い合わせ
Knomak(ノマック)
03-6435-2333
https://knomak.co.jp/business/golf_wifi/