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  • プレー人口激減期(18-23問題)とゴルフ場5

    北徹朗
    <現職>武蔵野美術大学身体運動文化教授・同大学院博士後期課程兼担教授、サイバー大学IT総合学部客員教授、中央大学保健体育研究所客員研究員、東京大学教養学部非常勤講師 <学歴>博士(医学)、経営管理修士(専...
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    コロナ環境下で一時的にゴルフ人口が増えているという報道もあるが、人口減少や少子高齢化の推移を見ると、今後もゴルフ人口の減少傾向が続くことは間違いない。この連載では、筆者が提唱する「18−23問題」(2018年~2023年にかけてのゴルフ人口激減)に立ち向かうための改善策や基礎資料に基づく提言を述べさせて頂く。

    女性はキャディ、男性はポーターの骨密度が高い

    前号(2021年9月号)では、10名の女性キャディの骨密度を測定したところ、6名が高いレベルの骨密度であり、キャディ以外の女性従業員(レストラン、キッチン、営業、フロント、ハウスなど)と比較すると「キャディは骨密度が高い」ことを紹介した。 また、男性従業員においてはポーター業務従事者の骨密度が高く4名中3名が高いレベルの骨密度を維持していた。生活習慣や個人差もあるため、労働内容で全てを評価することはできないが、キャディやポーターは骨密度が高い傾向がみられた。本号ではゴルフ場労働者の「活動量」に着目する。

    労働中の歩数が最も多いのは「コース管理」

    関東地方のAゴルフ場の従業員を対象に、職務従事中の活動量調査(2021年3月26日~4月12日)を実施した。調査には加速度計内蔵歩数計を用いた。図1はゴルフ場労働者の歩数(特徴的な1日の抽出)である。最も多く歩いている業務は「コース管理」(4万3629歩)であり、次いで「キャディ」(2万1606歩)であった。調査は同じ職務従事者複数名に対して実施しているが、業務内容別のこの特徴は例外なく同じであった。

    活動量の多い時間帯と運動の強さ(加速度計データの内訳)

    ゴルフ場では様々な時間帯に様々な業務従事者が労働している。誌面に限りがあるため、特徴的な一例(コース管理、キャディ、厨房)のみ内訳を紹介したい。 図2~4はやや不鮮明だが、左軸は色別に、歩行運動・速歩運動・強い運動と記されている。すなわち、グラフの山が高いほど、加速度計が振動した(強い運動を行った)ということである。まとまった強い運動が行われた時間帯には、グラフに赤印が付いている。 〈コース管理〉 図2は「コース管理」従事者の活動の内訳(4万3629歩)である。男性従業員の3月30日の活動例を見ると、午前5時過ぎ頃から活動を開始(加速度計を装着)し、午前6時~8時半頃まで中等度レベル(速歩運動)での活動がまとまって行われているが、9時前頃から強度が落ち着いている。小休憩を挟みながら16時~18時頃にかけて活動量が再び増えている。 ヒトの身体には24時間単位の体温リズム(体温の概日リズム)があるが、夕方(16時~18時頃)が最も体温が高くなる。要するに、この時間帯に活動するのが身体科学的には最も適している。また、朝の時間帯に身体活動をすることは運動効果が高いとされており、朝に何も運動をしていない時と比べて、基礎代謝が10%程度上がった状態で日中を過ごすことができるとも言われている。その点で、コース管理業務従事者の1日の労働サイクルは、まさに、「健康的」と言える。 〈キャディ〉 この日、午前8時30分頃から活動を開始(加速度計を装着)し17時過ぎに業務を終えている。13時過ぎにグラフに凹みが見られるが、この時間前後が昼食時間である。 キャディ業務従事者は来場客とほぼ同じ時間帯に活動をしているが、カートに乗らずに歩いて移動することが多い。図の例示(2万1606歩)と同様、他の被検者においても速歩運動レベルくらいの強度を一定程度維持していた。 〈厨房〉 厨房業務従事者の活動についても複数名の被検者で確認したが、みな同じ傾向が認められた。狭い場所での労働であるため、活動強度のレベル自体は高くない。だが、歩行運動レベルの活動が絶え間なく行われている。そのため歩数も意外に多い(1万4985歩)。繁忙時間を過ぎた頃(8時半頃と14時前後)のグラフに凹み(休息時間)が見られる。

    ゴルフ場で働くことは健康的

    ゴルフ場での労働力不足の上位(前号参照)には、キャディやコース管理業務が挙げられたが、『健康』に軸足を置いて職場環境を考えた際、ゴルフ場は優れた職場であると言える。身体活動量が多く確保できるだけでなく、活動の時間帯も健康的であった。また、何よりも緑に囲まれた広々した環境で働けることも素晴らしい。
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