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    「ゴルフ産業Q&A」コロナ禍でわかったゴルフ界発展の3つの課題

    大石順一
    1949年東京都生まれ。1972年年成蹊大学 経済学部卒業後、安田生命保険相互会社(現 明治安田生命保険)を経て、1984年八王子カントリークラブに入社し、1997年総支配人に就任。2011年に一般社団法人日本...
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    Q1 コロナパニックの業界

    去年の春、新型コロナが猛威をふるいはじめて世界がパニックになりましたが、ゴルフ場業界にとって2020年はどんな年だったのか? 教えてください。 A1 回復した二大要因 コロナ感染拡大の2020年は、誰もが初めての判断ばかり迫られる大変な年だったと思います。1月中旬からコロナ報道が目立ちはじめて、2月には小・中・高校の一斉休校、3月にWHOのパンデミック宣言が出され、4月には初めての緊急事態宣言発出など、コロナ禍に巻き込まれました。 この間、ゴルフ業界も対策を急ぎました。5月にコロナの「感染防止ガイドライン」を策定し、8月には「ガイドライン自己適合宣言」を策定するなど、行政や他のゴルフ団体と協力して、スピード重視の対策が取られました。 最大のピンチは、埼玉県が緊急事態措置として、ゴルフ場を「休業要請対象に含む」と発表したことです。NGKにも複数の埼玉県内ゴルフ場事業者から「近隣自治体と相違するため、修正折衝して欲しい」との要請があり、私は県に直談判。3日間懸命に折衝して休業要請対象からゴルフ場が外れたのです。 その後、7月下旬には経済活動との両立を目指す「Go To トラベル」が開始されましたが、これを受けて業界の一部から「復興を目指したイベントを実施しては?」との意見が出たものの、私は「感染は複数年に及ぶから、最低でも年内はイベント等を控え、感染防止に絞るべき」と反対。白熱した議論が思い出されます。 さて、ご質問のゴルフ場利用者の状況ですが、第1回緊急事態宣言が発出された4、5月の2か月間のゴルフ場利用者数は、対前年同期比で35%減(580万人減)。特に関東1都6県は42%減(225万人減)となりました。 この時、我々は先の見えない危機感に怯えましたが、6月以降は感染拡大が一定の範囲内で抑制され、これに比例して市況は徐々に回復しています。8月には前年同月比18%増(126万人増)を記録して、法人需要(大型コンペ)等の低迷により減少が懸念された10~12月の3か月間も100万人程度の増加となっています。本年に入り、1都2府8県に2回目の緊急事態宣言が発出されましたが、各ゴルフ場が感染防止対策を講じ、プレーヤーも行動変容ができたことから大きな混乱もなく、影響は限定的だったと思います。 NGKはゴルフ場利用税の課税状況から入場者数を把握しており、国内で最も確度が高い指標だと自負していますが、2020年度のゴルフ場利用者数は対前年度比5~6%減の8100万人程度(約500万人減)と予測します。 この程度の減少で留まったのは、各ゴルフ場がクラスターを発生させない努力を重ねたこと。加えてゴルフは精神的ストレスや運動不足を解消でき、「3密回避」が可能なスポーツだと理解・評価されたことも大きいでしょう。 同様の理由で、米国でもゴルフ場利用者は急速に回復しましたが、米国ゴルフ財団(NGF)は、 「ゴルフは身体的・精神的なストレスを解消するとして多くの人々から注目を集めているが、感染リスク評価による消去法によってゴルフが選択された側面もある。よって、今後は、ゴルフ界側から新しくてより良い印象を与えるストーリーを発信してアピールしなければならない」 として、コーズマーケティングによる対応を勧めています。

    Q2 ゴルフ界の本質的課題

    ゴルフ界には様々な課題が山積していますが、一連のコロナ禍で浮き彫りになった課題は何ですか? 大石さんはゴルフ関連15団体で構成される日本ゴルフサミット会議の代表幹事も務めていますが、業界全体の在り方を含めて課題と解決策を教えてください。 A2 課題解決は3つの視点 まず、コロナ禍により様々な面で価値観が変化し、個々人の行動も大きく変容したのではないでしょうか。団塊の世代が後期高齢者に移行する超高齢社会で、かつ人口減少という社会構造の変革期でポストコロナ社会を迎えました。ゴルフ界全体で「ゴルフ普及活動の中長期ビジョン」を策定する必要があると考えています。 世界陸上選手権で2個の銅メダルを獲得、スポーツコメンテーターとして活躍中の為末大氏は、現在の予測困難な状況下では、 「見えているものを一旦無視して、そもそもを考え、それから今に当て嵌めてみることが大切」 と、自身のコラムに書いています。そのような視点から、私はゴルフ界における課題を3つの要素で検討してみました。 第1は「新型コロナウイルス感染症に起因すること」、第2は「社会構造の変革に起因すること」、そして第3は「持続可能な社会実現(SDGs)に起因すること」です。それぞれゴルフ界に及ぼすプラスとマイナスを的確に把握し、対応策を実施すること。マイナスと思われる要素でも、発想を転換すればプラス要素に変えられる。そのことを重視します。 第1の視点「新型コロナウイルス感染症に起因すること」では、外出自粛による利用者数の減少は大きなマイナスだったものの、逆にスポーツ実施による身体的・精神的効用、スポーツによる「人と人との分断解消」を多くの方が再認識したことはプラスです。 また、感染防止策の一つとして在宅勤務などによる「働き方」の変化は、孤立感の増大や運動不足等のマイナス側面があるため、今後は個々人のライフスキルを向上させる必要がある。このライフスキル向上もゴルフ実施によって修得できると考えられます。 第2の視点「社会構造の変革に起因すること」では、超高齢社会を迎えて増大する社会保障費を抑制する「健康寿命の延伸」が大きな課題であり、その解決策の一つがスポーツ参加率の向上で、若年者から高齢者まで実施可能なゴルフには潜在的な可能性がある。また、企業経営においても「健康経営」(従業員の健康リテラシーを高めることへの投資は、労働生産性の向上となり企業収益力を増大)が各企業に浸透し始めたことも、ゴルフ普及の好機です。 第3の視点「持続可能な社会実現(SDGs)に起因すること」では、気候変動・海洋汚染・ジェンダー問題・健康的な生活の確保等の面において、技術革新と意識改革に基づく事業展開によりゴルフ界も貢献できます。大きな話題となったジェンダー問題の一つである女性の社会進出は、女性ゴルファーの創造につながる好機であり、また「エシカル(倫理的)消費」の浸透で生じる変化への対応も課題の一つでしょう。 これらを実現するためには、右顧左眄する業界体質を改め、活発な議論を通して課題解決を図る姿勢が必要ではないでしょうか。
    この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
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    ゴルフ産業Q&A
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