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  • プレー人口激減期(18-23問題)とゴルフ場(第15回) 暑熱環境下におけるキャディユニホームへの提言(3)

    北徹朗
    <現職>武蔵野美術大学身体運動文化教授・同大学院博士後期課程兼担教授、サイバー大学IT総合学部客員教授、中央大学保健体育研究所客員研究員、東京大学教養学部非常勤講師 <学歴>博士(医学)、経営管理修士(専...
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    コロナ環境下で一時的にゴルフ人口が増えているという報道もあるが、人口減少や少子高齢化の推移を見ると、今後もゴルフ人口の減少傾向が続くことは間違いない。この連載では、筆者が提唱する「18ー23問題」(2018年~2023年にかけてのゴルフ人口激減)に立ち向かうための改善策や基礎資料に基づく提言を述べさせて頂く。

    キャディ研究の総括:求められる熱中症対策の新しいアイデア

    厚生労働省が2021年9月10日に発表した『人口動態統計(確定数)』の「熱中症による死亡数」によれば、2019年に熱中症での死亡者は1224名であり、近年、増加傾向であることが示されている。 特に、ここ数年、7月~8月(いわゆる真夏)の季節に限らず、5月~9月(春~秋)にかけての半年近い期間において、従来経験したことない猛暑に見舞われるようになっている。 例えば、2019年5月26日には北海道佐呂間地区で年間を通しての北海道の観測史上1位となる39・5度の気温を記録し、この日、北海道のゴルフ場で36歳の男性が熱中症により死亡している。 また、2020年9月3日には、新潟県三条市で最高気温40・4度を記録し、9月としては全国で初めて40度台を観測した。 このように、北海道や新潟など従来は避暑地と考えられていた地域で史上最高気温を記録している。 また、それらは5月や9月に観測されていることからも、これまでは考え難かった地域や季節、場面でも熱中症が発生する懸念がますます強くなっており、熱中症対策の更なる工夫が求められている。 今号では、前号まで2回に渡り紹介してきた、キャディ業務従事中のユニホーム内温湿度計測および支配人アンケートの総括と、その結果に基づくゴルフ場における新たな暑熱対策商品開発提案の概要を述べたい。

    ゴルファーよりもキャディの熱中症リスクが深刻

    KitaT etal.(2019)の研究では、ゴルフ場ではグリーン上でとどまっている時間が長く、ゴルファーの帽子内温度が急上昇することが確認されている。 キャディの場合もゴルファーと同様にグリーン上に長くとどまるし、ティーイングエリアでのショット待ちの際にも、直射日光に晒される時間が長いことから、特に対策が必要である。 今回の調査では、キャディユニホームは綿ポリ(ポリエステル95%、綿5%)製であり、メッシュ素材や構造的に通気の工夫なども見られるが、結果的には熱中症対策が不十分と言わざるを得なかった。ユニホーム温湿度変化データを見ると、ゴルファーを対象とした前述の先行研究で示された、帽子内温度データを遥かに上回る高温状態が連続する中での労働が行われていた。 その結果、被験者の深部体温は業務従事前よりも3度上昇し39・2度にも達していた。脱水はもちろん、脳への障害や生命への危惧が懸念される水準であり、危険な状況であると評される。

    キャディの帽子(ヘルメット)内は45度程度まで上昇

    実地踏査を行った2つのゴルフ場の各被験者における、着衣内温湿度および帽子内温湿度は、概ね同じような動きが見られた。帽子内(ヘルメット内)温度が45度程度まで上昇することが観察され、頭部が著しい高温となり、熱を逃がす手立てが行われないまま労働が継続されていた。 この点については改善されることが急務だろう。このような状況の中で、キャディ各人が暑熱対策として意識していることは、水分や塩分補給、日焼け止めなど一般的なことにとどまっていた。特に、午前中~13時頃までのラウンドでは、着衣内・帽子内が最高温度に到達する可能性が高い。 キャディへの情報提供(教育)とともに、暑熱回避の具体的な対策・アイデアが早急に求められる。時代に逆行する真夏のナイロン製手袋着用ナイロン製の手袋着用を義務付けるゴルフ場は、今回協力頂いたゴルフ場以外にも多く存在する。 顧客に対する丁寧さと日焼け防止の意図もあるようだが、近年の猛暑の中での作業を考慮すると、暑熱環境下において着用させることは中止するべきである。 近年、暑熱環境下や運動時において、手を冷やすことで得られる効用について、様々なエビデンスが示されている。 人の皮膚血管のうち、手のひらなど四肢末梢部には、動静脈吻合血管(AVA:Arteriovenousanastomoses)が存在する。このAVAは体温を調節する特殊な血管であり、この血管を通る血液を冷やすこと(手掌冷却)で冷えた血液が体内を巡り、身体の中心部の体温(深部体温)を下げることに貢献するとされている。 このことから、キャディ用手袋をナイロン100%手袋ではなく、冷却効果のある製品に改良・効果検証して「ゴルフキャディ専用手袋」として販売されることが望まれる。 キャディには女性が圧倒的に多いことからも、素手の状態での労働は敬遠されることが考えられるため、日焼け防止+冷却の機能があり、なおかつ、キャディ業務の支障にならない手袋の開発が望まれる。

    暑熱対策における支配人の「つもり」と「実際」

    一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(NGK)の加盟ゴルフ場に対する調査では、59のキャディ在籍コースの支配人からのデータを得た。 これを見ると、キャディユニホームの素材や構造を「知っている」とか、教育についても「実施している」という回答が多かったものの、実際には、屋外労働者が大勢働いている職場であるにも関わらず「暑熱対策ガイドライン」やそれに類するものが存在しないゴルフ場が7割以上あり、9割以上がWBGT計さえも所有していなかった。 また、厚生労働省の「職場における熱中症予防マニュアル」を読んだことが無い支配人が4割以上いた。アンケート前半ではポジティブな回答が多いようにも見えるが、実態としては暑熱対策の意識がまだまだ低いことが伺えた。 ゴルフ場労働者に対する暑熱対策に関しては、現場責任者(支配人)の「つもり」と「実際」に乖離が見られると言わざるを得ない。ユニホーム関連事業者や団体からの積極的な情報提供、着衣の改善提案などが求められるだろう。 研究成果に基づくアイデアと新しい商品開発の提案今回の調査研究を踏まえて、暑熱環境下でのキャディユニホームに関する新しいアイデアと、4つの商品開発の提案をしたい。 ①温度スケール付きヘルメット ②冷却機能付き手袋 ③大型扇風機の風にあたると冷却されるユニホーム開発 ④ゴルフ場向け熱中症予防教育の教材開発これらの商品開発アイデアの詳細については次号で述べたい。 これらの商品開発アイデアの詳細については次号で述べたい。 註:本研究は(公財)日本ユニフォームセンター「ユニフォーム基礎研究助成」(研究代表者:北 徹朗)により実施された
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