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  • 最新の「社会生活基本調査」でコロナ禍のゴルフ産業とゴルフ人口を分析する(3)

    山岸勝信
    ゴルフ産業需要量の全国町丁別現状・将来値を国基幹統計、利用税コース利用者数などから論理的に導くモデルを開発し、ゴルフ場、練習場の個別商圏分析、存続可能施設数など長期投資回収計画の基礎データを提供している。
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    最新の「社会生活基本調査」では3つのことが浮き彫りになった。

    1)ゴルフ人口▲13%減少 2)年間平均ゴルフ行動日数+16%増加 3)合計ゴルフ行動日数(コース入場者数+練習場入場者数)+1%増加 以上の数字は、定説のように語られる「コロナ禍の行動規制により若者を中心に来場者が急増した」というゴルフ業界の実感とは違和感がある。私達は、ゴルフ人口の「総量」としての増減は直接体感し難い。感じているのはコース、練習場の「来場者増減」であり、「総量」とは必ずしもイコールではない。 前号で説明したように、全体のゴルフ参加率、ゴルフ人口は、社会生活基本調査の精度以上のデータは望みえず、我々はゴルフ人口▲13%減少を受容するしかない。そこで先月号では、この「違和感」を他のゴルフ調査との比較で解消を試みた。〈グラフ1・2・3〉すると以下の考察が得られた。
    グラフ1
    グラフ2
    グラフ3
    ・ 社会生活基本調査の都市階級別合計ゴルフ行動日数(コース、練習場合計利用者数)では、大都市コロナ後増加率+10%に対し、特定サービス産業動態調査の練習場は+18%と近い増加である。 ・ ゴルフ業界の実感と他のデータは一致するが、社会生活基本調査ではスッキリ一致しない。 これらをゴルフ業界はいかに理解し今後に対処すべきだろうか? スポーツ庁の「年代別参加人口変化 対2016年」で2021年の20代・30代の若者コース人口、練習場人口ともに増えているのに、なぜ社会生活基本調査の全体ゴルフ人口は減少したのか? 本号では、その点を特定ゴルフ練習場来場実績との比較によりさらなる解明を試みる。

    特定ゴルフ練習場来場実績とは

    このデータは東海、近畿地方のわずか2練習場の2019年~2021年(36ケ月)における「全来場者」の連続月次来場回数記録である。全体の需要を論議するには非常に偏ったデータであるが、 ・全来場者データであること ・100%ゴルファーであること ・ 従って捕捉ゴルファー数3万6775人と社会生活基本調査の捕捉ゴルファー数1万1825人を大きく上回ること ・ コロナ前後3ヶ年の個人別ゴルフ行動変容が記録されていること 以上の理由で価値がある。データ概要を〈表1・グラフ4〉とした。
    表1
    グラフ4
    延べ来場者(利用回数・ゴルフ産業需要量) コロナ後に19%増加しており、特定サービス産業動態調査のゴルフ練習場伸び率と一致する。ここで注目すべきは、この2施設は大都市立地と考えられる。 実動顧客数(ゴルフ人口) その年1回以上来場したすべての顧客数であり、通常のゴルフ関連調査ゴルフ人口に相当する。社会生活基本調査とは異なり対2019年比であるが+29%増であり、社会生活基本調査の▲13%減(対2016年比)と大きく乖離している。 新来顧客 2020年の新来顧客は+38%増とコロナ直後に急増したが、2021年に減少した点は注目すべき。 年代別推移 コロナ前2019年と2021年の「年代別実動顧客数増減」を〈グラフ5〉とした。20代の増加数が突出しており、ゴルフ業界の実感と一致している。
    グラフ5
    ここで注意すべきは、20代以外の年代増加が全体増加数の46%あることだ。すなわちコロナ禍は、20代以外のゴルフ行動にも影響を与えた。

    コロナ後ゴルフ行動変化別集計

    コロナ後の「練習場利用行動変化」が多様であることが明確になった。増加要因のかげに減少要因が存在している。しかし、既存のゴルフ関連調査は「単年度来場合計の変化」のみであり、複数年間に交錯する増加・減少を把握できない。そこで、2019年と2021年の練習場利用回数の変化を、 ・コロナ後新来 ・コロナ後中断 ・コロナ後復活 ・コロナ後減少継続 ・コロナ後増加継続 ・コロナ後変わらず継続 の6タイプに分類集計した。〈表2・グラフ6・7〉
    表2
    グラフ6
    グラフ7

    2019年と2021年の来場数は、合計+4万5789回は増加要因合計16万3039回と、減少要因合計▲11万7250回の合計であり、合計値よりはるかに大きな反対変動である。まとめると、

    ・コロナ後の新来+復活1万8896人 ・コロナ後の中断4943人 ・顧客数増減収支1万3953人 この2施設では偶然増加要因が大きかったが、逆に減少要因が大きく、合計来場数がコロナ後にマイナスとなった施設も存在したはずである。したがって、社会生活基本調査の全国コロナ後ゴルフ人口▲13%減はここに原因がある。 しかし、既存のゴルフ関連調査でキャッチできるのは「単年度来場合計の変化」のみであり、背後に交錯する増加・減少要因を個別には把握できない。つまり、ゴルフ業界の実感は大都市における動きであり、コロナによる減少が増加を上回った地域・施設が多数存在すると推理される。残念ながらこれを全国規模でズバリ説明できるデータは存在しない。 ・ コロナ後の年代別来場増加数 年代別来場回数の増減では、20代の増加が全体増加量の48%であることから、コロナ特需は若者が主役は間違いない。

    新来者・復活者・休眠入り者

    若者新来者の増加が、コロナ後の全体来場数増加の最大要因である。しかし、コロナ前に練習場利用を「中断」していたが、コロナ後に再開した「復活者」の存在もデータは示している。コロナ特需がゴルフ人口に今後も持続的増加をもたらすかどうかは、この新来者、復活者、中断者の継続が鍵を握る。個別施設は無論のこと、ゴルフ界全体での経過観測が必要となるが、その体制は殆ど存在しない。

    2020年新来者、復活者の特徴

    新来・復活者は20代が40%を占める。その特徴を確認する。 新来・復活者の2020年「年間来場階層別集計」は、新来者も復活者も構成率に差がない。年間4回以下の来場はビギナーの可能性が高く、コロナ後に急増した顧客の70%以上がビギナーと考えられる。2020年新来者の翌年継続来場率は51%である。5年後の継続率は、過去実績では25%以下となるだろう。

    2020年来場「中断者」の2021年復活状況

    2020年以後、まったく来場をストップした顧客が6923人存在した。彼等は2019年2万3253回・全体来場10%。2020年実動顧客(ゴルフ人口に相当)2万8259人の4%に相当する。その翌年、2021年の復活来場率は13%である。コロナ終焉時に彼らが100%利用を再開させることが、ゴルフ界の課題である。

    連続来場者の特徴

    グラフ8
    コロナ後も練習場の利用状況を変えなかったゴルファーに、年代による特徴は見られない。しかし2019年の来場階層では、明確な特徴があった。 ・年間12回以上の来場階層 延べ来場回数89% 顧客数38% 年間4回未満の階層はビギナーと推定できる。逆に12回以上はコロナ禍であってもゴルフを続ける安定ゴルファーと考えて良い。安定ゴルファーは38%しか存在しないが、ゴルフ産業は需要の89%も依存している。

    年間平均練習場利用回数

    グラフ9
    特定ゴルフ練習場来場実績データの平均利用回数は、コロナ後に98%→92%と低下し、2021年の社会生活基本調査の平均行動日数+16%増と全く乖離している。これを説明できるデータは、残念ながら見出せない。

    まとめ

    偏ったデータではあるが、特定ゴルフ練習場来場実績は以下の点で示唆に富む。 ・安定ゴルファー創造 コロナ禍にあっても新来ビギナーを安定ゴルファーに熟成させる歩留まり向上が、ゴルフ振興の要であること。 ・ゴルフ人口再定義の必要性 直近12ヶ月のコース、練習場利用者数をゴルフ人口とするならば、ゴルフ振興はおぼつかない。最近中断者(潜在復活者)を含めたゴルフ人口の再定義が不可欠である。それは全ゴルファー数の年間行動変容・集客構造変化を常に把握するためである。 ・ゴルフ業界みずからゴルファーを母集団とする調査の重要性 全体ゴルファーの集団構造を明らかにするためにはゴルファーの属性(年齢、ゴルフ歴、年間利用回数、平均スコア等)が必要となる。それにはゴルファーを母集団とする標本調査でなければ精度の高いデータは得られない。全体ゴルフ参加率は社会生活基本調査に依存できる。ゴルファーを母集団とする標本調査は、ゴルフ業界が自らのフィールドに現れるゴルファーを自ら調査すること。今更ながら必要なことを実施する覚悟、体制が求められる。

    ゴルフ練習場カードシステム来場データの価値と活用

    幸いにもゴルフ練習場ではカードエントリーシステムが普及している。本号でも活用したように、練習場システムの中には全来場者データが蓄積されているため、個人情報保護に配慮しつつ全体ゴルファー集団構造の把握に活用可能だ。今回はたった2施設の調査だが、これを数十施設に拡大すれば凄いデータとなる。何よりも調査コストが少ないことが大きな利点といえる。 次号では2021社会生活基本調査に基づくゴルフ人口、ゴルフ行動日数の論理的将来予測を試みる。
    この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年12月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
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