2026年は最も暑い夏になる可能性

気象庁によると、昨夏(2025年)6月~8月の日本の平均気温は、平年を2.36℃上回り、1898年の統計開始以降、最も高かった。同庁は今夏(2026年)も全国的に平年より高温になると予想している。
また、4月14日、環境省は「熱中症警戒アラート」について、2026年度は4月22日~10月21日まで運用すると発表した。同じく、過去に例のない危険な暑さが予測される際、都道府県単位で発表される「熱中症特別警戒アラート」があるが、2024年度の導入以降一度も発表されていない。標高が高い観測地点を対象から除外するなど、環境省は今年度から基準を見直しており、より実態に即した形で情報を出すとしている。
グリーン上では帽子内温度が急上昇する
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図1.ゴルフプレー中における帽子内温度推移(Kita et al., 2019)[/caption]
ゴルフラウンド中の帽子内温度には、どのような経時的変化が見られるかについて、筆者らは2019年に論文を発表している(Kita et al., 2019)。
図1に見られるように、折れ線グラフが突起状に出現している部分は全てグリーン上である。この実験の際には、通常のキャップと高通気機能キャップの2種で検証し、ラウンド中は脱帽しないことを実験条件としたが、いずれの帽子内温度も同じようなパターンで上下している様子が認められた。
こうした傾向が生じる要因として、グリーン上やその周辺は日陰が少なく、コース内でも最も高温になりやすい場所であることや、パッティングは他の場面よりも時間をかけてプレーし、比較的長い時間滞まることから、温度の急上昇が起こりやすいと推測される。
「パッティング前後に留意すべきこと」として示した当時の提言
この研究結果を受け、真夏の暑熱環境下でのゴルフプレーの際、特にパッティング前後に留意すべきこととして、当時筆者は下記の提言を示した。
①グリーンでのプレー前後にはこまめに水分や塩分を補給する
②パッティング前やグリーン上では少なくとも1回は帽子を被り直して通気する
③帽子タイプ(色や形状)により温度低減可能なのでどんな帽子を被るかの選択も重要
これらの提言はゴルフ関係者やゴルファーに反響があり、多くの皆様に役立てられていると聞いている。
メジャーリーグキャップで知られるニューエラとの共同研究
2026年4月にニューエラジャパンと武蔵野美術大学北徹朗研究室との共同研究成果として、画期的な「帽子温度低減法」が開発された。方法は簡単で、脱帽して帽子のツバを持ち、そのまま顔を扇ぐ動作を10回(約5秒)行うと言うものである。
この方法を実践すると、帽子内部温度の低減はもちろん、帽子の繊維そのものが吸収している温度を低下させることができる。
実験環境・方法
実験室内を気温23.1℃、湿度50.9%の環境に設定し、マネキンに被せた帽子上部から人工太陽を模した白熱灯を10分間照射した。実験開始時(0分)、5分、10分にサーモカメラで撮影し帽子表面温度を抽出した。検証に用いたサンプル(キャップ)は綿100%製であった。
実験結果の概要:扇動作と温度低下
10分照射後ただちに、キャップのツバ部分を持ち「扇ぐ動作」を行った。扇ぐ動作における風速を計測したところ、概ね2.5m/s~3.5m/sであった。10分照射後に「5回扇いだ場合」(上下に5往復)と「10回扇いだ場合」(上下に10往復)に表面温度がどの程度下がるか観察した。

帽子の色によっては表面温度が40℃を越えたが、帽子を取って10回扇ぐことで20℃台にまで低下(10℃以上低減)することが観察された。
今回の検証は、人工暑熱環境下でマネキンを用いて実施したが、実際にヒトが着用した場合、発汗による気化熱により、さらに顕著な温度低減が期待され、高い効果が観察されるのではないかと推測される。
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図2.白と黒のキャップ実験時のサーモグラフィ撮像[/caption]
参考文献・参考資料
1)時事ドットコムニュース:熱中症アラート、22日運用開始 特別警戒の基準見直し―環境省[2026年4月18日14時33分配信]https://www.jiji.com/jc/article?k=2026041800130&g=soc(2026年4月18日確認)
2)Kita et al.,(2019)Changes in Temperature Inside a Hat During the Play of Golf -Comparison of Hats with Different Shapes-,International Journal of Fitness, Health, Physical Education & Iron Games、Vol.6, No.2, May 2019、pp.163-166
3)北 徹朗ら(2018)帽子(キャップ)の形状の違いがゴルフプレー中の帽体内温度変化に及ぼす影響に関する一考察、ゴルフの科学Vol.30
4)マイナビニュース:ニューエラが「春の熱中症対策」を提案、帽子を脱いで振るだけで温度が10℃以上低下[2026年4月15日16時24分配信]https://news.mynavi.jp/article/20260415-4340079/DETAIL/(2026年4月18日確認)
5)武蔵野美術大学ウェブサイト:北 徹朗 教授とニューエラジャパンによる共同研究にて「帽子の表面温度を下げる"5秒リセット"術」の実証結果を発表[2026年4月17日配信]https://www.musabi.ac.jp/news/20260417_03_01/(2026年4月18日確認)
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2026年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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