ゴルファーの高齢化は最大の商機 マルマン松下専務の『マジェスティ』戦略
マルマンは10月12日、10代目となる『MAJESTY PRESTIGIO X(マジェスティ プレステジオ テン)』を発売する。このブランドは1998年に初代が誕生して以降、隔年でモデルチェンジをし、今年20年目を迎える。この間、累計で150万本を販売、プレミアムブランドとして成長してきた。
同じく10代目を迎えた『ゼクシオ テン』はシニア層を中心とした盤石のブランドだが、プレミアム市場では『マジェスティ』の強さが光る。かつて、様々なメーカーが「フルセット100万円」の高級クラブを世に問うたが、『マジェスティ』に跳ね返される形で撤退した経緯もある。
『マジェスティ』をさらに強化したいとの思いもあり、マルマンは10代目を発売する直前の10月1日、社名をマジェスティゴルフに変更する。松下高広専務によれば「これからは北米市場を視野に入れる」など、大胆な世界戦略を描いている。そのあたりを含めて松下専務に聞いてみた。
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世界中のゴルファーが高齢化している
社名とブランド名の一体化は、海外での「通名」をスムーズにすることも一因とか。『マジェスティ』(皇帝)の北米戦略は、ジャパンタウンやコリアンタウンという従来の限定的な市場ではなく、「白人層」に正面から切り込む構え。
背景には、世界的なゴルファーの高齢化があるという。どのような青写真を描いているのか?
シニアに寄り添うブランドをさらに鮮明化
マルマンによれば、『マジェスティ プレステジオ』の中心顧客である70歳以上のシニアゴルファーは増加傾向という。これに加えて、ゴルファーの加齢を考えれば今後10年は『マジェスティ』のビジネスは底堅く推移すると見込む。
そのため、『マジェスティ』をシニアに寄り添うブランドにしたいと語るが、一方で、40~50代の壮年層、あるいは30代にまで使用層を広げる考えはないのか? 現在『マジェスティ』は国内で『プレステジオ』『ロイヤル』『ヴァンキッシュ』の3本柱で展開しており、『ヴァンキッシュ』は年齢層を下げるための商品だった。
が、ここに大きなメスを入れていくと松下専務は語る。
強いブランドに集中して生き残る
ブランド展開に大鉈を振るうのは、『マジェスティ』だけではない。選択と集中で投資効率を高めることも必要だとか。
同社は『マジェスティ』のほかに『シャトル』『KS』『コンダクター』『べリティ』『フィガロ』などのブランドを揃えるが、これを見直して取捨選択を図るという。
気になるのが『コンダクター』の去就である。過去、このクラブの使用者が2度マスターズを制しているが、果して継続することになるのだろうか…。
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