若年層のゴルフ導入のカギを握る中古市場
近年は、フリマアプリや買取りのデバイスが多様化。特に若年層においては「倹約志向」の高まりもあって中古品の需要が増えているという。
楽天リサーチは先頃、同社に登録するモニター約230万人から20~60歳代の男女1000人を対象に「中古品(リユース品)の売買」に関するネット調査を実施。
若者需要の開拓を急ぐゴルフ業界にとっても参考になりそう。以下、中古市場の全体像を見てみよう。
女性は男性に比べ、古着購入経験が約2倍。「フリマアプリ」利用者は20代がトップ
これまでに購入したことのある中古品は「書籍・雑誌」(70.0%)が最も高く、次いで「CD、DVD、レコードなど」(56.0%)、「ゲームソフト、ゲーム機器」(35.7%)、「ファッション小物(靴、かばん)」(26.5%)が続く。中古衣類では、女性が「婦人服」を購入した割合は50.4%、男性の「紳士服」同は27.5%となり、女性は男性に比べ、約2倍高いことがわかった。
中古品購入の方法は、「【実店鋪、リアル】 中古品取り扱い店舗(古着屋、古本屋など)」(67.9%)が最も高く、「【オンライン】 オークションサイト」(44.4%)、「【オンライン】中古品通販サイト」(31.3%)が続いた。また、不要品を売る方法は購入する際と同じ順位となった。
年代別では、購入方法・販売方法のいずれも40~50代の場合は【オンライン】オークションサイト」の利用率が高く、20代では「【オンライン】フリマアプリ」利用が他の年代と比べて高かった。
「中古品購入」全体では「抵抗がある」と感じる人が多数派。一方若い世代は「抵抗がない」
中古品購入については、「抵抗がない(「あまりない」+「全くない」)」の合計が31.9%なのに対し、「抵抗がある(「とてもある」+「少しある」)」が46.3%と、「抵抗がある」が14.4ポイント上回った。年代別では、「抵抗がない」と回答したのは20代が41.3%で最も高く、年代が上がるにつれ徐々に割合が低下し、60代が26.3%で最も低かった。若い世代のほうが、中古品の購入について「抵抗がない」と感じていることがわかった。
不要品(中古品)売買時の利用デバイスは、「スマートフォン」。利用も大幅に増加
不要品(中古品)売買におけるオンライン利用者は「PC」(68.0%)と「スマートフォン」(53.9%)がそれぞれ半数を超えた。2015年5月の同様の調査では、購入・販売いずれも「スマートフォン」を利用する人の割合は22%台で、「スマートフォン」の利用者が大幅に増加している。
不要品を売る理由は年代により差。20代は「お金を稼ぐことができるから」が第1位に
不要品を売る理由は、「捨てるのがもったいないから」(66.6%)が最も高く、「お金を稼ぐことができるから」(52.1%)、「家に置く場所がないから」(23.1%)が続いた。年代が上がるにつれ「捨てるのがもったいない」が高くなる一方、年代が下がるにつれ「お金を稼ぐことができる」という割合が高くなる傾向が見られた。不要品を売る理由について年代によって差がでる結果となった。
スマホとSNSの普及により右肩上がりが予想される中古市場。今回の調査で若者は「中古品」に抵抗を感じないことが明らかになった。
ゴルフ界は、このような傾向を若年層や女性ゴルファーの開拓につなげる工夫が必要だろう。特に女性に対しては、グリップ交換の推進やヘッドカバーの販売、ゴルフスクールの優待券など、プラスαの販促によって活性化の糸口としたい。