プーマジャパンから3月初旬、新感覚の履き心地とグリップ力を兼ね備えたというニューシューズ『イグナイト パワーアダプト ディスク』が発売された。
従来のゴルフシューズの既成概念を覆す履き心地と機能性に新機軸を搭載したモデルという触れ込みで、店頭販売実績においては、発売後二週目で2位、四週目では1位に躍り出た(GfK調べ)。
そこで早速、その真価をスポーツシューフィッターでもある神谷幸宏プロに検証してもらった。
見た目はスタイリッシュ履いてさらに驚愕

見た目は、新鮮でスニーカーと見間違えるくらいシンプルなデザインですね。どんなスタイルのウエアにも合いそうです。
実際に履いて見ると、足入れが非常にスムーズ。軽くてつま先から踵まですごくやわらかく、かつフィット感がある。特に、前足部は伸縮性に優れるメッシュ素材なので靴に指が当たりやすい開帳足や甲高の人にもミートしそうです。
また、通常のゴルフシューズはタンが本体と別々になっていますが、『パワーアダプト』は一体化。甲と靴に一体感がありますし、中足部から踵にかけてもすごくフィットする。全体的に足を包み込んでくれる構造にしているのが、このフィット感とホールド性につながっているのでしょう。
あと実際のコースで履いてみて感じるのが、歩きやすさ。一般的に踵からつま先にかけて傾斜が多く前傾誘導で歩行を促すタイプを「ドロップ型」、傾斜が少なく身体が動かしやすいタイプを「レスドロップ型」といいますが、『パワーアダプト』はその中間、つまり、スイング型と歩行型のハイブリッドタイプと言えます。傾斜地での安定性も抜群でとても考えて作られているのが分かります。
右足でしっかり踏み込めるからインパクトがブレない

実際に『パワーアダプト』を着用して、ボールを打ってみました。今回はBodiTrakを使用してスイング中の足の動きのデータも取得したので、詳細は下記のデータを参照してください。ここではスイングで大切なパートであるアドレス、テイクバック、インパクト、フィニッシュ時のインプレッションを記述します。
まず、アドレスで大切なのはバランスよく立つことですが、『パワーアダプト』はつま先と踵、左右の体重の掛かり方が均等で、無意識にいいポジションでアドレスすることができます。これはイグナイトフォーム(ミッドソール)と直接つながるスパイク鋲によるものだと考えられます。

そしてテイクバックでは、スムーズなプレッシャー移動が行われています。過度につま先や踵に乗らず、土踏まずの間でCOP(センターオブプレッシャー)が移動。足にストレスを感じることなく、トップまでスムーズに動ける。トップでは、足圧がしっかりと全体で踏めていることが見られます。接地する面積が大きいということは、スイングの再現性につながります。
また、肝心なインパクトでは、左へのプレッシャー配分は53%、他社のシューズだともっと左にプレッシャー移動が行われ、70%近い数値が出ますが、『パワーアダプト』では右足でしっかり踏み込める分、左へのプレッシャー配分が少なくなっています。つまり、右側で押し込んで打てるのでインパクト時のズレが少なくなるのです。
最後にフィニッシュですが、左足圧が全体に掛かり、バランス良く立つことができました。柔軟なイグナイトソールだからこそのデータといえ、機能性を十分に理解できる結果でした。
「アッパーが柔らかいとスイング中に足が動くのでは」「プーマは細見なので自分の足には合わない」…。そんな固定概念をもっていた人は、是非このシューズを試してみてください。
BodiTrakでスイング中の足の動きのデータをチェック
- BodiTrak画面の説明
- ・画面左側が左足、右側が右足。
- ・白い丸は両足の中心圧。テイクバックでは右側に、ダウンスイング以降は左側に移行する。
- ・黄色線は上記中心圧の軌跡。
- ・色の変化:足のどの部分に圧が掛かっているかを示す。度合いの強さ順に赤、緑、青、白となる。
アドレス時

左足、右足、つま先、踵のプレッシャーが均等にかかっています。「パワーアダプト」は、アドレス時のバランスが自然なポジションで取れています。イグナイトフォームと直接つながるスパイク鋲による効果でしょう。
テイクバック時

スムーズなプレッシャー移動が行われています。過度につま先や踵に乗らず、土踏まずの間でCOP(センターオブプレッシャー)が移動しています。
インパクト時

左へのプレッシャー配分は53%、普段のシューズだともっと左にプレッシャー移動が行われ、70%近い数値が出ますが、「パワーアダプト」は右足でしっかり踏み込める。インパクト時の再現性が高いシューズといえます。
フィニッシュ時

左足圧が全体に掛かり、バランスよく立てています。柔軟なイグナイトソールだからこそのデータだと思います。
新感覚の履き心地!自信を持って試履きを推奨したい

流通を代表する格好でヴィクトリアゴルフ御茶ノ水店のシューズ売場担当の近藤明彦氏に、『イグナイト パワーアダプト ディスク』の魅力について聞いてみた。同氏は、「機能性」「価格」ともに自信を持って、大切な顧客に推奨できると太鼓判を押したが、果たしてその内容とは…。
まず、単刀直入に『イグナイト パワーアダプト ディスク』の商品をどう見ていますか。
近藤氏「当店では売れ筋No.1のシューズで、商品内容はすごくいいと思いますよ。デザインはシンプルで選びやすいので、幅広い年齢層の方が履ける。キャットロゴが目立ち過ぎないのも好感が持てます。価格(オープン、実勢売価1万7820円税込)も2万円まで考える人が多いので、店として薦めやすい」
店頭販売を開始して1ヶ月が経過しましたが、売れ行きはどうですか。
近藤氏「既に約40足を販売。店頭でお客様に試履きしてもらいますが、足入れと履き心地がいいということで『パワーアダプト』が選ばれるケースがほとんど。実際、アッパー部に採用したメッシュ生地はソフトで伸縮性にも優れるから、指が当たって痛くなることもない。外反母趾の方などにはいいでしょうね。メッシュなのに防水機能も完備。
さらにベロがシューズ本体と一体成型になっているので、すごくフィット感もいいですね」
カラーは4色展開ですが、何色が人気?
近藤氏「ダントツでブラックです。春商戦で〝黒〟が牽引するのは稀で、汚れを気にされて選ぶ方もいますが、全体的に締まった印象の〝黒〟ではないのと、見た目がスニーカーに近いデザインになっているので、ウエアとのコーディネイトもしやすい。ここも魅力になりそうです」
ウィズ感はどうですか?
近藤氏「ウィズについては、他社メーカーも概ね3E仕様ですが、先述の通り、アッパー部がメッシュ素材により伸縮するので、他社の3Eは履けなかったけど、『パワーアダプト』ならスムーズに履けるという声も少なくないですね。今、3Eの方は、こちらに流れています」
ミッドソールや鋲のねじ込みにも工夫が施されています。
近藤氏「そうですね。ミッドソールに元ネジが埋め込まれているので、履いた時に地面を捉える感覚が伝わりやすいんですよ。ちょっと体重をかけるだけで、前上がりや前下がりなど傾斜の感覚が分かりやすいのもこのシューズの特徴です」
どんな人に薦められそうですか?
近藤氏「幅広い層になりますが、特にこれからゴルフ始める方へ推奨したいですね。ゴルフはスイングの動きが重要になりますが、一般的にソールが硬いシューズが多く見受けられます。『パワーアダプト』は硬さをあまり感じないので、スニーカー感覚のままスムーズに切り替えができる。一方、熟練ゴルファーで、何足も持っている方には、「新感覚のシューズはいかがですか?」というセールストークが使える。そういう部分で幅広い層へ販売できるのではないか」―。
撮影協力:
KOSHIGAYA GOLF CLUB、ヴィクトリアゴルフ御茶ノ水店
商品データ
- 素材:アッパー:合成繊維/メッシュ
- ミッドソール:IGNITEフォーム/EVA
- アウトソール:プロフォームTPU
- 鋲:Soft Spike FT3.0 トルネードクリート(プーマオリジナルカラー)
- サイズ:25~30cm
- 価格:オープン
- カラー:ブラック/ダーク シャドウ、ピーコート/ピーコート プーマホワイト、クワイエット シェイド/クワイエット シェイド、プーマ ホワイト/グレイ バイオレット
プーマ イグナイト パワーアダプト ディスクのお問い合わせ
プーマジャパン
TEL:0120-125-150
http://jp.puma.com/