中条カムイの『KP-103UC』アイアンは『KP-103』のバックフェースにアンダーカットキャビティが深くデザインされたヘッドで、大きな低重心化で高弾道を実現するやさしいヘッドに進化した。
そのアイアンを永井プロに試打と解説してもらった。
[surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2017/05/photo_nagai.jpg" name="永井延宏プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞[/surfing_voice]
中条カムイ『KP-103UC』はどんなアイアンか
全体的にはハーフキャビティの形状ですが、その中のアンダーカット構造が低重心化に寄与しています。
素材は「S20C」という比較的軟らかいとされる素材で、粗鍛造を800トンで3回、仕上げ鍛造を1000トンで2回、合計5回鍛造していますから、精錬されたヘッドに仕上がっています。
一方、フェースですがスコアラインはCNCミルドで加工されており、フェース面にもCNCミルドで極細グルーブが入っています。非常に手の込んだアイアンだという印象があります。
構えた印象は、双方とも少し面長なヘッドでシャローな形状。そのシャローな形状の見え方ならではで、高弾道をイメージさせてくれます。
ザ・鍛造アイアンな『KP-103UC』 アンダーカットでボールも上がる
今回は5番アイアンと7番アイアンを打ってみました。
実際、打ってみるとバックフェースのアンダーカットキャビティの低重心設計によるボールの上がりやすさを実感しますね。
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7番アイアン トラックマンデータ[/caption]
そして何より打感の良さですね。ボールがフェースにくっつくようなフィーリングで、非常にラインが出しやすい。
また、それが構えた時の、フェースをターゲットに合わせやすい特性とマッチしますので、方向性の良いアイアンという印象を受けており、パーオン率が上昇しそうなアイアンです。
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5番アイアン トラックマンデータ[/caption]
5番アイアンは、クラブ自体が長くなりスイングエネルギーも上昇します。その時に、ボールがしっかり潰れている軟鉄鍛造のフィーリングが感じ取れます。
このフィーリングは、特に昔のアイアンでゴルフを憶えたゴルファーには、魅力的な感覚といえるでしょう。
構造的には現代的なデザインが施されながら、フィーリングとしては伝統的なアイアンらしいテイストが味わえるアイアンです。
試打データを見てみますと、縦の距離の安定感、番手通りの距離を打ち分ける機能に長けていると思います。
一言で言えば、アイアンの中のアイアンという言葉が相応しく、パーオン率を高めてバーディーチャンスを多く作りたいゴルファーに勧めたいアイアンです。
永井延宏のスイング論からワンポイント
見た目はシャープでクールな『KP-103UC』ですが、構えてみると想像以上に難しい印象ではありません。
このようなアイアンは、最近流行りの飛び系アイアンと異なり、しっかりゴルファー自身が打ちたい距離を安定的に打てるアイアンです。
そのような意味では、力むことなくいつものスイングを心掛けることが重要です。それができれば高弾道で、縦の距離が番手通り実現できてスコアメイクの武器になりますね。
価格(6本セット)
・DGS200(#5~PW):12万6000円
・モーダス3(#5~PW):13万8000円
・ヘッドのみ:9万円
・単品:DGS200(#4)2万1000円
・モーダス3(#4):2万3000円
・ヘッドのみ(#4):1万5000円