「いー球です」--。そう絶賛するのは、ミズノが9月20日に発売する
『ミズノプロ 920』アイアンを試打した原英莉花プロだ。
同社は8月19日、神奈川県横浜市の練習場で記者発表会を開催、新商品『ミズノプロ 120』、『520』、『920』などをお披露目した。
2017年に「ミズノプロ」が再デビューした当初から、カスタムフィッティング専用モデルとして幅広い層に訴求してきたが、初中級者にも対応するポケットキャビティの『918』の販売構成比は19%と低い結果となっている。それを受けて、今回のリニューアルを機に
「ミズノなのに、やさしい」をキャッチコピーに、
『920』を中心に初中級者からプロまで幅広いゴルファーまでカバーしていくという。
「やさしさ&飛び」をキーワードに、『920』でやさしさを強調
[caption id="attachment_58840" align="alignnone" width="788"]
新発売の『920』『520』『120』[/caption]
発表会では、原英莉花、吉本ひかる、小鯛竜也などが試打するインプレッションPVでスタートした。PVの最後を締めくくったのが原英莉花の「ミズノなのに、やさしい」という台詞。
そもそも、『ミズノプロ』は2017年9月発売当初、フィッティングを介してゴルフに真摯に取り組む初中級者から上級者まで全てのゴルファーへ向けたブランドとしてスタートした。ところが同社の思惑とは少しズレ、『ミズノプロ』という往年のプロモデルと同じシリーズ名ということもあって、初中級者を始めベテランゴルファーにはアスリートモデルというイメージがいまでも強く根付いている。それを払拭する一番手が『ミズノプロ 920』で、「飛び&やさしさ」を多くのゴルファーに訴求していく構えだ。
『920』はダブルポケットキャビティでシリーズ最大のスイートエリア
[caption id="attachment_58842" align="alignnone" width="788"]
『920』はシリーズ最大のスイートエリア[/caption]
前作『918』から『920』への改良点は、バックフェースのポケットキャビティが1段から2段に増えていることだろう。写真を見て頂ければ分かる通り、バックフェースのポケットキャビティ部分が2段になっている。これは鍛造後に機械加工している部分だが、1回の機械加工では幅広いポケットキャビティは加工できないのだとか。
そこで、2回に分けて機械加工を施すことで、幅広いポケットキャビティ構造を実現。それによって、前作では24gだった余剰重量を、『920』では45gを確保。大幅に増加した余剰重量を再配分することで、シリーズ最大のスイートエリアを実現。さらに、重心もより深くなり、大型ヘッドで長い重心距離にも関わらず、ボールの捉まり具合、弾道の高さを向上させているという。
契約の原英莉花プロは、事前の試打インプレッションで「ミズノなのに、やさしいクラブだと思います」とやさしさを強調している。
[caption id="attachment_58845" align="alignnone" width="788"]
2段になったポケットキャビティ[/caption]
2018年最多勝利モデルの後継『520』は、ソール幅を改善
[caption id="attachment_58848" align="alignnone" width="5184"]
LPGA最多勝利アイアンの後継モデル[/caption]
シリーズで最も多くのゴルファーが購入しているのが『518』で、昨シーズンの日本女子ツアーで最多勝利を挙げている。その後継機種が『520』で、改善点のひとつがソール幅。
グローバルイクイップメントプロダクト部の青木智明氏によると、
「『518』のロングアイアンはソール幅が狭く重心が浅いため、ボールが上がりにくいという評価がありました。そこで、ソール幅を改善したのです」
ロングアイアン#5でソール幅をプラス0.9㍉、ミドルアイアンの#7アイアンでプラス0.6㍉、ショートアイアンは#9でマイナス0.5㍉、ソール幅を改善することで、ロングアイアンではスイートスポットをより低く、重心深度をより深く、ショートアイアンではスイートスポットを高く設計して弾道の高さの適正化を図っている。
それがやさしさに繋がり、現在『518』を使用している吉本ひかるは、『520』について「出玉が思ったところに出やすく、振りやすいです。『520』は前作よりも性能的にやさしくなっていると思います」と絶賛。こちらも「ミズノプロ」のやさしさをPRしている。
[caption id="attachment_58850" align="alignnone" width="788"]
「番手別」チタン+タングステン複合設計[/caption]
また、キャビティ部のヘッド中央に比重の小さなチタンを内蔵し、トウ側には比重の大きなタングステンを配置(#4~7)することで、トウ・ヒール方向の慣性モーメントを拡大。打点がややバラついても飛距離の低下を抑えつつ、安定した方向性を発揮しているという。
マッスルバックは逆テーパーで見た目と打感を両立した『120』
[caption id="attachment_58852" align="alignnone" width="5184"]
プロが好む打感と顔を実現した『120』[/caption]
前作『118』同様、同社契約プロでも武藤俊憲や小鯛竜也などの使用を想定した『120』。プロトタイプをツアープロが試打して開発へのフィードバックをするが、前出の青木氏によれば、プロが求める顔の良さはトップエッジの薄さが鍵となるという。ヘッド中央を厚くしてトップブレードを薄くすると、見た目は良いが、それによってプロが求めるソリッドな打感は実現できないのだとか。一方で、打感を優先すると、ヘッドの中央部を薄くするしかない。そこで逆テーパーブレード形状を採用しながら、トップエッジ後方をカットしてシャープな顔つきとソリッドな打感を両立したという。
[caption id="attachment_58853" align="alignnone" width="788"]
トップエッジ後方をカットしてシャープな顔つきとソリッドな打感を両立。 [/caption]
また、各番手ごとにブレードの厚みを変化させ、スイートスポットの高さの最適化を追求した番手別設計を採用。ロングアイアンとミドルアイアンはスイートスポットを低く、ショートアイアンは高くすることで、各番手の打ちやすさとコントロール性能を向上しているという。
本当に『920』はやさしくなったのか? 前作と打ち比べ
果たして、本当に『920』はやさしくなったのか? 記者発表での原英莉花と吉本ひかるのデモンストレーションに加え、GEWの吉村記者も『920』と前作『918』を打ち比べて性能を動画で検証した。
『ミズノプロ 920』『520』『120』の価格・発売日
『ミズノプロ 920』
1本1万9000円 マイルドスチール(S25C)ボロン鋼精密鍛造/1025BORON
『ミズノプロ 520』
1本1万9000円 マイルドスチール(S25CM)精密鍛造/1025E
『ミズノプロ 120』
1本1万9000円 マイルドスチール(S25CM)精密鍛造/1025E
なお発売日は9月20日を予定している。