キャロウェイが『クロムソフト』を発表 新作投資に55億円

キャロウェイが『クロムソフト』を発表 新作投資に55億円
キャロウェイゴルフは本日、東京本社で記者41名を集めて4月中旬に発売する『CHROME SOFT(クロムソフト)』ボールシリーズの発表会を開催した。 コロナウイルス感染拡大の影響でイベントが中止・延期される中での発表会開催となった。冒頭、発表会に出席した同社契約の上田桃子プロは、「こんな状況の中、皆さんマスク着用でお越し頂き、誠にありがとうございます」と参加した記者に対してお礼を述べる一幕もあった。

参加予定者のためにマスクを50枚用意

会場風景 一方、開催に踏み切ったキャロウェイも「たくさん議論しましたしギリギリまで正直開催するかどうか悩みました。しかし、今年注力する新ボールを皆さんに知ってもらいたかったですし、全ての行事が無くなってしまっては元気も失います。そこで万全の対策を取った上で開催に踏み切りました」(広報担当の菅野泰臣ディレクター) 同社ではマスクを参加予定者全員分の50枚を用意、アルコール消毒液を受付に置き、記者に対して入念に声掛けする徹底ぶりを見せていた。

設備投資55憶円をかけた渾身のニューモデル

ボール構造 今回発表となった『クロムソフト』は、従来品の「柔らかいのに飛ぶ」という性能をさらに向上させたもので『クロムソフト』と『クロウソフトX』の2機種をラインアップ。特に、『クロムソフトX』はプロのフィードバックを基に開発、さらに飛ばせるウレタンボールへと進化させたという。 新ボールをテストした上田桃子プロは、「初めて打った時のボール初速の違いがハッキリと分かりました。ドライバーではタテのスピンが入ってしっかり飛びますし、アイアンは飛び過ぎない。プロが好むスピンが効いためくれ感があるのでグリーンでも止まります。かなり仕上がっているという感じですね」と使用感に満足していた。 プロが使用するアスリートボール市場は現在、タイトリスト『プロV1』、『スリクソン Z-STAR』、『ブリヂストン TOUR B』の3社が激しく競い合っている。このトップグループの一角に何とか入り込みたいというのが『クロムソフト』の現状だ。 そんな強い意気込みが表れているのが、ボール開発への投資額。何と55億円をボール工場に投資、金型の精度やコンピュータ制御の技術などを高めてハイパフォーマンスボールを作り出したという。 注目は構造も含めて一新された『クロムソフトX』。ツアープロからの要求をベースに開発されたニューモデルとなるが、最大の特徴がラージコアによる飛距離性能だ。

重永プロのボール初速が1.5m/sアップ

新クロムソフトボール 「前作まではデュアルコアを採用していましたが、今作ではシングルコアにしました。これによりコアの大型化に成功、より速いボール初速を実現したのです」(同社) 実際、同社契約の重永亜斗夢プロが前作の『クロムソフトX』と今作を打ち比べた結果、ドライバーのボール初速が1.45m/sアップ、7.8ヤード増の300.75ヤードを記録した。ヘッドスピードが変わらないのに、ボール初速だけ速くなる。この辺りにボールの進化が強く伺える。 また、より薄く弾きがいいウレタンカバーも新開発。上田プロが語ったプロが好む「めくれる弾道」も実現したという。 前作で新素材グラフェンを使って話題になった『クロムソフト』もインナーコアの進化により余分なスピンを減少、強くても大きな弾道を生み出すという触れ込みだ。 重永、上田プロの他にも、今年からキャロウェイ契約となった横峯さくら、アン・ソンジュ、アン・シネなども新たに『クロムソフトシリーズ』を使用する。 「ソンジュはタテの距離感が上手い選手。その彼女が『クロムソフト』を気に入ったというのは納得できます。でも、ライバルがこのボールを使うことでさらに強敵になる。う~ん、ちょっとという気もしますが、キャロウェイスタッフ全員で活躍してツアーを盛り上げたいですね」(上田プロ) 来週から国内女子ツアーが始まる。今回はコロナウイルスの影響で無観客試合となるが、キャロウェイ契約選手の活躍も含めて、大いに大会を盛り上げてほしい。