『オレンジウィップ』をゆっくり振っておうち時間で現代的なスイングづくり

『オレンジウィップ』をゆっくり振っておうち時間で現代的なスイングづくり
オレンジウィップといえば、世界中で愛用されているゴルフのトレーニング機器。世界での販売本数は累計50万本を突破し、米PGAツアープロなど300人以上が使用している。 先端にはオレンジのボール、そしてグリップエンドにはカウンターバランスに設計するためのボール型の重量物が装着されている。そのため、単なるスイング矯正機器とは違い、リズムやバランスの良いスイングを実感できるトレーニング機器だ。 今回は様々な長さ・重量のラインアップがある中、47インチの『トレーナー』、43インチの『ミッドサイズ』、そして35.5インチの『コンパクトサイズ』を、ギアの賢者・ソクラテス永井延宏プロが、その活用法をレッスン要素を交えながら紹介する。 [surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2017/05/photo_nagai.jpg" name="永井延宏プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞[/surfing_voice]

動画で『オレンジウィップ』を解説

『オレンジウィップ』使用インプレション

『オレンジウィップ』をゆっくり振っておうち時間で現代的なスイングづくり

『ミッドサイズ』(43インチ771g)

基準となりそうな『ミッドサイズ』です。私も長年、レッスンに取り入れています。特徴はオレンジボールに重量があって、全体的に撓みがある。そして、グリップエンドに装着されたウエイトで重心位置がほぼセンターにあることです。 他にも撓りを強く感じる練習器具はありますが、重心位置が中央にあるので、道具としての塊感が強い。撓りを感じるだけの練習器具は、ムチ的な撓りが実際のスイングと乖離することもありますが、『オレンジウィップ』 は実際のスイング要素に近く、体と一緒にスイングをコーディネイトする感覚を身に付けることができます。 長さも43インチなので通常のドライバー長と近く、キャディバッグにも入れやすい。持ち運びも便利ですね。

『トレーナー』(47インチ794g)

同じコンセプトで重心が中央にあります。長さ、重量感、そしてシャフト部の撓み感が最大なので、スイング中のシャフトの挙動も感じやすい。 クラブ全体の挙動の操作を学ぶには最適な長さ、重量感だと思います。ゆっくりと体の動きと合わせて滑らかにスイングするのが、ベストな使い方です。 重さもあるので、ラウンド前に体をほぐすなどの運動にもなります。

『コンパクト』(35.5インチ725g)

ウエッジと同じ長さですね。おうち時間を活用して室内で使用しても安全な長さです。振り心地は長さの関係上、シャープになります。ただし、撓みや重量感を感じながらスイングすることが重要です。 なぜなら、ドライバーがナイスショットの後、短いクラブを打つ際に、本来はスイングのリズムやタイミングを変えなければなりません。ところが、シャフトの撓りやクラブの重量感を無視して振ってしまいミスが起きてしまう。 カーボンシャフトだと、余計に軽いケースもあり、短くて軽いクラブでタイミングを取りづらい場合もあります。そのタイミングを家の中でも養えるのが『コンパクト』の良い点ではないでしょうか。

『オレンジウィップ』を使った永井延宏流のスイング作り

『オレンジウィップ』をゆっくり振っておうち時間で現代的なスイングづくり 『オレンジウィップ』はオレンジボールを意識しやすいですが、ポイントはグリップエンドの重量物です。 この重量物を操作することで、クラブ全体、そしてオレンジのボールをコントロールすることが大事になりますし、そのイメージを養えるのが『オレンジウィップ』の大きな特徴です。 例えば、右手でオレンジボール、左手で重量物を持って、クラブ全体を空間でどのように動かすか。そのように意識することで、手元を操作することでヘッドを操作するイメージです。 グリップエンドを支点に動かす振り子のイメージではなく、支点を動かすことで、クラブ全体を動かすイメージで、クラブをコントロールすることに繋がります。なので、単なる重くて撓る練習器具というよりは、クラブ全体の操作や体の動きを意識する器具として使用してもらいたいですね。 そして、持ち方も工夫します。グリップエンドの重量物を小指と薬指で支えるように持って、手のひらの中で重量物が少し動くイメージで握りましょう。そうすると、重量物が手の中で動き、ベアリングのような動きをします。それが切り返しのタイミングで、クラブが後ろに倒れる動きを誘発します。 それが現代的なスイングの練習になると思います。スイング始動時に手の中でベアリングを動かすイメージでシャフトを立てながら、重量物を押し上げるイメージでトップまで。次にトップでベアリングを使って、クラブを倒して、切り返しと同時にダウンスイングに入ります。 重要なのは重さを感じながらゆっくり振ること。おうち時間を活用しながら、現代的なスイング作りに励んでみましょう。