テーラーメイドの新アイアン、3代目『P790』を徹底検証!どう進化した?

テーラーメイドの新アイアン、3代目『P790』を徹底検証!どう進化した?
テーラーメイド ゴルフから、複合素材を採用した中空構造アイアン新「P790 アイアン」が9月4日投入された。2017年に初登場した同名モデルの3代目で、2年ぶりのリニューアルとなる。 新製品の最大特徴は、同社史上最薄となる厚さ1.5㎜(6番と7番)のクロモリ鋼フェースと、ソフト感が増した中空部に搭載の「スピードフォームエアー」に集約されるだろう。前作を超える高い反発力と飛距離性能を発揮するとともに、心地よい打感と打音が得られるヘッドになっているという。 また、フェースの薄肉化や充填剤の改良により大幅な軽量化に成功したことで、ヘッド下部に搭載するタングステンウエイトの増量(従来モデル14g→31g/7番)を実現。一層の低重心化によって、さらに高弾道が打ちやすい、高い寛容性を備えるアイアンへ進化を遂げた。 ロフト角は7番で30.5度の設定。シャフトは「N.S.プロ モーダス3 ツアー105」を標準装着。(「N.S.プロ 950GH neo」は2022年1月発売)。価格は6本セット(5番~PW)で18万1500円、単品(3番・4番)は3万250円。 新たに誕生した「P790 アイアン」は、どのような進化を遂げたのか? 豊富な試打経験を持つギアの賢者・ソクラテス永井延宏プロに2019年モデルの「P790 アイアン」(#7)と比較しながら様々な角度から試打検証してもらった。 [surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2017/05/photo_nagai.jpg" name="永井延宏プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞[/surfing_voice]

動画で解説

新『P790 アイアン』の第一印象は?

テーラーメイドの新アイアン、3代目『P790』を徹底検証!どう進化した? 実際に構えてみると、ストレートネックで、やや厚めのトップブレード。前作よりも小顔となっており、弾道を操作しやすそうなイメージが湧いてきます。ひとくちでいうと、操作性と安心感を備えたアスリートが好む形状で、飛球線に対して非常に構えやすい。 鍛造・中空構造ですが、一見するとバックフェースのデザインは、マッスルバックを彷彿させます。 ソール幅も前モデルよりもシャープになっていますので、ラフからの抜けも良さそう。〝貫通型スピードポケット〟の装着は、テーラーメイドのお家芸ですが、どのような効果をもたらすのか。早速チェックしていきましょう。

新「P790アイアン」はオフセンターヒットに強い

テーラーメイドの新アイアン、3代目『P790』を徹底検証!どう進化した? インパクトで手に伝わってくる感触はまるでマッスルバックアイアンのよう。ボールがフェースに乗ってからボールを力強く弾く印象ですが、手に残る衝撃はやわらかい点が特筆されます。前作よりも明らかにフェースターンがしやすく、厚いインパクトで球がつかまります。 オフセンターヒットにも強いですね。特にトゥやヒール側打点の距離の落ち込みに強いのが試打データからも明らかになっています。アマチュアの方はラウンド後半、身体が疲れて伸びあがり、トゥ側へ当たりやすくなる傾向がありますが、新「P790アイアン」なら、性能でカバーしてくれそうです。 また、私のスイングですと、センターヒット時はつかまりのいいややドローボールが得られ、スピードポケットの効果により、払い打ちでも綺麗な放物線を描いてくれました。 もう一度、トゥ側で打ってみましょう。2~3ヤードほど飛距離が落ちますが、芯で打った時と変わらない弾道でナイスショットになりますね。

飛距離性能、操作性が向上

テーラーメイドの新アイアン、3代目『P790』を徹底検証!どう進化した? 新旧の「P790アイアン」を打ち比べてみましたが、新作は見た目が明らかにシャープでフェースターンがしやすく、厚いインパクトで球がつかまります。重心特性も非常に差が出ていて、分かりやすくいうと前作は「ザ・中空アイアン」へ括られますが、新作では小ぶりへ進化していますので、そこまで中空さが強調されていません。 先述したマッスルバックのようなソリッドな打感に操作性が加わり、フェースの動きをより感じることができるようになっています。換言すれば、フェースの向いた方向にそのまま飛んでくれる、アイアン本来の機能が備わったということです。 [caption id="attachment_68585" align="aligncenter" width="780"]テーラーメイドの新アイアン、3代目『P790』を徹底検証!どう進化した? 左:2019モデル、右:2021モデル[/caption] 飛距離性能の向上も見られました。前作比でボール初速が「1」上がり、それに伴ってキャリーがアップ、トータル飛距離も2~3ヤード伸びています。この部分は感覚的に受けた印象とは真逆の性能でした。 ここが、新「P790アイアン」の興味深いところで、ロフト角は30.5度(#7)で前作同様ストロングの設定ですが、バックスピンが入りつつ、前へ前へボールが進もうとします。かつ、高さを出して距離を刻む、ボールが突っ込み過ぎずに頂点からスゥっと落ちる安心感のあるアイアンらしい弾道。このあたりが前作からの大きな進化といえそうです。

P790 アイアンはどんなクラブか

テーラーメイドの新アイアン、3代目『P790』を徹底検証!どう進化した? ツアープロが新「P790アイアン」へスイッチする理由も納得で、ピンを狙っていくイメージが湧くクラブでした。オフセンターヒットにも強いのでアベレージにも推奨できる。 特徴をまとめると、 の3点に集約されるでしょう。また、PWのロフト角は45度の設定ですので、新しく投入された「Mg3ウエッジ」シリーズとマッチさせると全体のセッティングもしやすいと思います。 SIM2ドライバーも大人気ですが、テーラーメイドの製品開発力の高さを改めて感じました。