「第10回世界ゴルフ科学会議」会場はPGAツアー冠スポンサー

「第10回世界ゴルフ科学会議」会場はPGAツアー冠スポンサー

2021年9月にサンフォードヘルスで開催

世界ゴルフ科学会議(The World Scientific Congress of Golf)は、オープンアクセスの査読付き学術研究論文の発行、研究ベースの会議を1990年以降行い、ゴルフに関する各種エビデンスの共有を通じて、ゴルフの科学の発展に貢献してきた学術団体である。 学術集会は数年おきに開催されており、スコットランド・セントアンドリュースで行われることが最も多かったが、アメリカ・アリゾナ州フェニックス、オーストラリア・ゴールドコースト、カナダ・アボッツフォードでも開催されている。 2016年7月に開催されたセントアンドリュースでの第7回会議では、筆者(Tetsuro Kita)も研究発表したが、ここでは、ゴルフに特化した最先端の学術研究に触れることができる。 発表者や参加者の殆どは、欧米からの研究者であるが、近年ではShu Ando(安藤 秀)、Takeru Suzuki(鈴木タケル)らの日本人もこの会議で研究発表をしている。 1月23日、次回「第10回世界ゴルフ科学会議」を2021年9月にアメリカ合衆国サウスダコタ州・スーフォールズの【サンフォードヘルス(Sanford Health)】で開催すると発表された。

サンフォードヘルスは2018年にPGAツアー冠スポンサーに新規参入

サンフォードヘルスは、サウスダコタ州スーフォールズに本社を置き、ノースダコタ州ファルゴとビスマルク、ミネソタ州ベミジにそれぞれオフィスを構える米国最大の非営利の医療システムの1つである。 ヘルスケア、ゲノム医療、シニアケアとサービスや研究に取り組み、26の州と9か国に44の病院、1,400の医師、200以上シニアケア施設がある。 基調講演、ワークショップ、一般研究発表などが行われる会議会場内には、「サンフォード・パワー・ゴルフアカデミー」(Sanford POWER Golf Academy)など、ゴルフに特化した研究室や施設も有している。 ちなみに、サンフォードヘルスは、2018年から新規にPGA TOURチャンピオンズトーナメントの冠スポンサーにもなっており、「2018サンフォードインターナショナル」(サウスダコタ州・ミネハハカントリークラブ、9月21日~23日)には、2度の全米オープンのチャンピオンになったアンディー・ノースを大会ホストに迎え、アンバサダーとしてジャック・ニクラスを迎えるなどしている。 「第10回世界ゴルフ科学会議」会期内に、サンフォードヘルスやサンフォードスポーツ科学研究所の最先端の研究室と教育施設を共有する機会もあるとされている。

「スイング動作研究」から「ゴルフと健康研究」への広がり

昨秋には「ゴルフと健康に関する国際合意2018」(https://gew-web.com/news/g_52560)が示されるなど、スイング技術中心のゴルフ研究から、健康やゴルフ環境研究への広がりが学術界でも見られている。 筆者らは、日本国内における学術論文や論文になっていない事例などのエビデンスの収集を開始している。「日本人におけるゴルフと健康」に関するタッチポイントの集約と切り口を整理し、ローカルコングレスの開催を計画中である。
写真:第7回セントアンドリュース大会(2016年7月)の展示会場の一コマ