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広がるGちゃれ 持続的発展に必要なキーワードは「連携教育」

ニュース 北徹朗
大学ゴルフ授業研究会 Gちゃれ

2015年8月にイーグルレイクゴルフクラブ(千葉県)で開催した第1回Gちゃれ(大学生のゴルフ場体験)には、武蔵野美術大学および筆者が授業を担当していた明治大学の学生(計6名)が参加した。

当時協力頂いたPGMの担当者とは、開催半年以上前の2014年からこの企画を練り、1泊2日で計画していたが、筆者のスケジュール上の都合で急遽1日プログラムで試行せざるを得なくなった事情がある。

当初はこの企画に愛称を付ける予定はなかったが、担当者から「マイクロバスの表示(×××ご一行)はどうしましょう?」と問われた際に、思い浮かんだのが「Gちゃれ」であった。

Gちゃれ参加大学生は1000名を突破

大学ゴルフ授業研究会 Gちゃれ

その後、2016年のいわゆる三者連携(大体連・PGA・GMAC)を経て、2019年2月現在、各地で68回のGちゃれが開催され、1094名の大学生がゴルフ場体験した。2018年度内に「第70回Gちゃれ」までの開催を計画している。

※写真:4大学から33名の学生が参加した第66回Gちゃれ(2018年12月27日、於:八王子カントリークラブ)の集合写真。

参加者数の増加で生じている新たな課題

大学ゴルフ授業研究会 Gちゃれ

ゴルフ業界の皆様の支援により、ゴルフ場利用やそこで使用する用具などの環境は従来に比べ劇的に改善している。「名門」と言われるゴルフ場で実施させて頂くことも多く、Gちゃれでゴルフ場体験を希望する学生は増えている。

嬉しい悲鳴ではあるが、参加学生が多いとサポートする教員もその分必要(少なくともカート1台に1名)になる。最近では、サポート教員の数が足りないGちゃれがあり、開催ゴルフ場のマンパワーに頼らざるを得ない状況がしばしば生じている。

安価で受け入れて頂いているため、ゴルフ場にはできるだけ迷惑をかけたくないが、学生の安全確保とゴルフ場の環境確保の指導をするために、指導者(経験者)が1グループに1人は必ず必要である。

北 徹朗(大学ゴルフ授業研究会代表)が考える課題解決策

大学ゴルフ授業研究会 Gちゃれ

筆者は大学ゴルフ授業(Gちゃれ)を中心とした「八王子モデル」を示している。これは、Gちゃれ開催による、副次的・波及的な効果が社会問題解決の一助にもなり得る可能性を秘めている、ということを示したものだった。

Gちゃれ開催回数が大幅に増え、参加学生数も増加する中、新たに「サポート教員の確保」の問題が出てきた。 これに対応する方法として、従来の担当引率教員によるサポートの他に、例えば以下の提案をしたい。

  • 参加学生の両親や祖父母など「ゴルフ経験のある家族」に協力してもらう
  • 「開催ゴルフ場の会員」や「地域のゴルフ団体」に協力してもらう

参加学生は、大学構内での学修を経てGちゃれに参加している。ここで提案している「指導者の確保」とは、スムーズなラウンドを促す交通整理的な役割を指している。

要するに、Gちゃれでコースデビューする大学生に、安全に配慮したラウンドを促すマンパワーの確保という課題が生じている。

ゴルフは大学間の共同学修が可能な希少な教育ツール

大学ゴルフ授業研究会 Gちゃれ

大学における「地域連携」や「産学連携」は、既にたくさんの事例があるし、用語としても一般的である。一方、Gちゃれのような活動に企業や地域が連携したり、他大学の学生同士が交流する機会についてはあまり前例がない。

筆者は、コラボレーションの事例を蓄積し「連携教育」による新たな実践教育の成果を学術的に検証する領域として『連携教育科学』を提案している(地域活性研究、2018)。

とりわけ、教養体育として多くの大学で開講されるゴルフ授業には検証の価値があるし、他のスポーツでは得られない教育成果が認められる可能性がある。

連携教育の実現は高齢ゴルファーの「生きがい」や「家族の絆」を深める機会にもなり得る

大学ゴルフ授業研究会 Gちゃれ

仮に今後のGちゃれにおいて、前述した「ゴルフ経験のある家族」や「開催ゴルフ場の会員」あるいは「地域のゴルフ団体」にラウンドのサポート協力を得るアイデア(改善策)が採用されるとすれば、高齢ゴルファーの生きがいや、ゴルフを通じた家族の繋がりを深める新たな機会になるのではないか。

要するに、Gちゃれによって、参加学生自身がゴルフの魅力を体験できるだけでなく、Gちゃれのサポートを通じて、一般ゴルファーとゴルフ初体験の大学生との交流が可能となったり、ゴルフを通じた親子や家族の交流の機会も生まれる。

特に、中高年者層に支えられるゴルフ場において、ゴルフを通じて若者(大学生)と交流できる機会は「張り合い」や「生きがい」に繋がる可能性もあるし、家族がゴルフをしている学生にとっては「家族の絆」をさらに深める機会にもなるだろう。

これらの新たな価値を具現化するにはゴルフ場の理解が必要である。しかしながら、「Gちゃれ」をこれまでと同じ規模で継続し、今後さらに拡大していくためには「連携教育」がキーワードであることは間違いない。

参考文献

  • 北 徹朗(2017)Gちゃれ「八王子モデル」-様々なブリッジングと地方創生の可能性-、日本ゴルフジャーナリスト協会(ウェブ記事)
  • 北 徹朗(2018) 大学の教養体育授業(ゴルフ)が大学・地域・産業を繋いだ事例 -新学問領域「連携教育科学」の提案と地域活性化の可能性-、地域活性研究Vol.9, 336-341

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ライター紹介 ライター一覧

北徹朗

北徹朗

<現職>武蔵野美術大学 身体運動文化准教授・同大学院博士後期課程兼担准教授、サイバー大学 IT総合学部 客員准教授、中央大学保健体育研究所 客員研究員

<学歴>博士(医学)、経営管理修士(専門職)、最終学歴:国立大学法人東京農工大学大学院工学府博士後期課程

<主な社会活動>ゴルフ市場活性化委員会委員(有識者)、公益社団法人全国大学体育連合常務理事、一般社団法人日本運動・スポーツ科学学会常任理事、日本ゴルフ学会理事・代議員、日本ゴルフ学会関東支部事務局長、一般社団法人大学ゴルフ授業研究会代表理事

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