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世界の面白いカート一挙掲載 日本の電磁誘導カートを見直そう

ニュース 松尾俊介
健康寿命の延伸にゴルフは最適? ならば電磁誘導カートを見直そう

日本だけでゴルフをしていると、日本のゴルフスタイルは特に問題がないように思える。しかし、海外でプレイしてみると、様々なスタイルがあることに気づかされる。欧米ではプレイヤー自身の選択肢が広いからだ。

その際、「カート事情」を見るとよく理解できる。

カートはバッグを運ぶものだが、自分自身で運ぶ手引きタイプ、車にバッグを乗せて運ぶタイプで2人乗りや5人乗り、自走式や電磁誘導タイプがある。

海外のゴルフ場カート

日本のゴルフ場は5人乗りの電磁誘導タイプがほとんどだが、ここで疑問。なぜ、日本はこのタイプが普及したのだろうか?

筆者は、最大の理由はプレイの進行を最も管理しやすいからだと考えている。つまり、ゴルフ場サイドの都合である。電磁誘導であれば運転操作のミスで事故が起こることは稀であり、GPSを装着していればどのカートがどこにいるか一目瞭然。ゴルフ場にとっては非常に使い勝手が良いのである。

その反面、プレイヤーサイドから見れば不満が残る。ゴルフ本来の楽しみ方を追求すれば、自分専用のキャディを連れてプレイするか、自分のバッグは自分で担ぐ、手引きカートで引っ張る方がはるかに良いと思えるからだ。

ゴルフの楽しみ方は人それぞれで、プレイヤー自身が決めるべきものだが、残念ながら日本では選択肢の幅が極端に狭い。

スケボーのカート

スケボーのカート

今年1月、筆者は米フロリダ州で開催されたPGA Showを取材したが、今回は特にカートに注目してみた。個人用カートは電動タイプが多くなっており、スケートボードにハンドルを付けたようなもの、セグウェイそのものやリモコンでプレイヤーの後をついくるタイプ、あるいはバイク型のカートや、大型でありながらコンパクトに収納できるもの、電動の手引きカートなど実に多種多様だった。

カジュアルにプレイしたい、健康を考えて歩行でのプレイを中心にしたいなど、ゴルファーには様々な志向があり、ゴルフ場もそれを受け入れている。

これらを日本のゴルフ場に持ち込んだらどうなるだろうか? 多分、どれも却下されると思われる。なぜなら、ゴルフ場がプレイヤーを管理できないからだ。

ここでよく考えてもらいたい。共産主義国家ではあるまいし、なぜひとつのシステムしか認めないのだろう。自由主義国家でのゴルフならば、顧客の選択の自由に任せるのが自然ではないだろうか?

海外のゴルフ場カート

プレイの進行面について、「5人乗りカートだから速い」という根拠は薄弱だ。もし事故が起こったら、それは「自己責任」という一筆をスタート前にとっておけば良いのではないか。筆者は、電磁誘導カートを強引に使用することは「ゴルフが曖昧で雑なものになってしまうことを強要しているに等しい」と感じている。

電磁誘導カートをやめて欲しい、と言っているのではない。それを好む人は使えばよく、そうではない人には選択肢を与えるべきだと主張したい。

デンマークのゴルフは「歩け!」

筆者は以前、デンマークで行われたジュニアゴルフの国際会議に参加し、当地で2回ほどプレイした。驚いたのは、そこでは手引きカートが普通で、2人乗りカートはあるものの、これを利用するには「医者の許可書」が必須であり、しかもカートの使用料金はプレイ代と同額だったことだ。

その理由を現地の関係者に質問したところ「ゴルフは健康にとても良いことがわかっています。特に4〜5時間も歩くからで、健康であれば健康保険の利用頻度や金額をかなりセーブできる」という答えだった。

足に少し不安がある人は電池で駆動するモーター付きのカートを自分で持ち込み、カートに引っ張ってもらいながら歩いてプレイする。健康面でもゴルフをうまく利用している国だと実感した。ゴルフショップのメイン商品はクラブではなく、カートだったことにも驚いた。

これらは社会保障が行き届いた北欧のゴルフ事情の一端だが、国民に健康でいてもらいたいのは日本も同様。カートをやめればシニア層がゴルフをやめてしまう?と危惧するゴルフ場は多いと思うが、やめる必要はなく、選択肢を増やすことで新たな集客に結びつける努力をした方がゴルフ場の特徴も発揮できると筆者は考える。

海外のゴルフ場カート

業界は、「ゴルフは健康寿命の延伸に効果的」と呼びかけているが、その効果は積極的に歩いてこそ期待できる。自由に手引きカートや担ぎでプレイできるゴルフ場が増えれば、日本のゴルフはもっと多様化し、活性化につながるはずだ。

どこかやるゴルフ場ないでしょうか? やりましょうよ、ゴルファーのために。


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松尾俊介

松尾俊介

1949年12月23日生れ  神奈川県出身
東海大学工学部航空宇宙学科卒、在学中は体育会ゴルフ部副将および関東学生ゴルフ連盟の連盟委員を兼務。パイロット志望から一転してゴルフ用品販売業務に携わる。ゴルフ工房を主宰しながら1988年からフリーランスゴルフライターとしても活動。国内外合わせて25のゴルフクラブメーカを取材し、記事として各誌に掲載する。「良いゴルフクラブとは何か」をテーマに取材活動を続ける。1989年米国キャロウェイゴルフの取材と掲載記事をきっかけに親交を深める。

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