有賀園の高反発ボール、高崎市が返礼品に採用 総合ブランド化を目指す『韋駄天』

高反発ボール『韋駄天(いだてん)X』シリーズの販売が好調だ。
非力なゴルファーが打っても飛ばせる、をコンセプトに開発へ着手した有賀園ゴルフのPBボールで、累計15万ダースを突破。
通常のボールより大きさが1ミリ小さく、重量を軽くすることで空気抵抗を抑制し、「高反発ボールは硬くて打感が悪い」という概念を覆してもいる。つまり、やわらかくても飛ぶということだ。
昨年、高崎市のふるさと納税の返礼品にも選定され、NHKの大河ドラマ「韋駄天」の勢いに乗って、日本中から注文が寄せられるという。
有賀史剛社長の話を聞こう。
「高反発クラブがあるんだから、ボールもあってもいいじゃないかと。3年前に、ボールメーカーのダンロップ、ブリヂストン、プロギア、キャスコに絶対作るべきだとお願いしたんです。でも、大手メーカーからするとルールは守らないといけないから、出せないという判断だったのでしょう。なかなか前に進まなかった。であれば、有賀園で出しちゃおうと。女性でも簡単に飛ばせるので、返礼品の人気も高い。レディス用『韋駄天エンジェル』の返礼率は3割を超えます」
大手メーカーが出来ないことを有賀園ゴルフがチャレンジした結果、累計15万ダース強の販売実績。価格も1ダース3980円~と手が出しやすく、『韋駄天』のネーミングも時流に肖った。
同社営業部熊谷高副部長が次のように話す。
「お客様が何を求めているのか?店頭でアンケートを取ると、飛びを求めている方が非常に多い。そして、二番目は打感なんですよ。『韋駄天』はその両方に拘ったボールです。三番目が価格。1ダース3980円、スーパー韋駄天は同4200円に抑えました」
四番目は直進性なのだとか。曲がらないボールは、コアをやわらかくするとスピン量が減るというのが定説だ。
ボールからクラブへ派生 試金石となるか
この余生を駆って、同ブランドの高反発ドライバー、飛び系アイアン、シューズへ派生させて総合ブランドへ育てる方針だ。
ドライバーはもちろん高反発、アイアンは3番手以上の飛び系に属するが、
「一般アマチュアゴルファーに楽しくゴルフをプレーしてもらいたいというのが我々の願い。飛距離が出なくなって、ゴルフをリタイアする人が多いと聞きますが、『韋駄天』ならそれを阻止できると思うんです。 最近、シニアの大会では高反発クラブ使用可という場面も増えてきており、当社の会長が群馬県のコースでラウンドしていると〝ありがとう〟と声を掛けられるそうです」(熊谷副部長)
ボールをはじめ、ドライバー、アイアンの卸売りにも本格参戦する『韋駄天』。現在販売店を募集している。