「打席からお金をばらまいているようなものだ」と揶揄され、「世界一高いゴルフ練習場」といわれていた「スイング碑文谷」(東京都目黒区)が変貌を遂げている。
筆者の自宅からクルマで10分ほどの距離なので、以前は定期的に通っていたが、油断してパカパカ打つとラウンドに行ったくらいの金額を散財してしまうので、すっかり足が遠のいていた。
GDOは4月、ゴルフ中継でおなじみの弾道追跡機器「トップトレーサー・レンジ」をスイング碑文谷の全83打席に設置、お披露目パーティを行った。
同社は昨年9月に「ゴルフ中継で培った技術を練習場に持ち込み新しい楽しみ方を広げる」ことをミッションに、トップトレーサー社と業務提携、日本国内への導入を図る。
パーティには約400名のゴルフ関係者、インフルエンサーやメディアが集まり、ビールとフィンガーフードを片手にポイントゲームやバーチャルゴルフで盛り上がった。
この様子は、練習場がアミューズメント施設としても活用できることを伺わせた。
先日、ポール・シーハンから打合せをしたいとの打診があった。日本ツアー3勝(うち2勝がメジャー勝利!)のグレートなプロゴルファーで、いまは豪州と日本を中心にゴルフツーリズムのビジネスをしている。
ミーティングのついでにトップトレーサーを体験して欲しかったので、スイング碑文谷での打合せを提案すると「いいね!」と快諾してくれた。
早めに行って練習しようと受付でカードを出すと「システムが変わったので新しいのをつくりますね」と、スタッフがテキパキと対応してくれた。
料金表をみると、それぞれ平日、土曜日、日曜日で「モーニング料金」と「ナイター料金」が設定されており、加えて時間帯によって「ボール貸し」「時間貸し」とかなり細分化されている。
「実は平日の時間帯によっては近隣の練習場より安いですよ」と、ポールのスイングを一目見ようと打席まで来てくれた岩崎智支配人が教えてくれた。
ボール1球あたりの金額のみならず、明るく広々とした空間や高級感のある雰囲気に加えて、無料で弾道分析しながら練習できるなんてお得感さえ感じてしまう。
「面白い話があったらどんどん持ってきてくださいね!」と笑顔で仕事に戻る若い支配人への期待感がふくらんでくる。
最大10連休となった今年のGW。筆者は海外旅行や帰省で空洞化した東京の街でのんびりと過ごした。
ゴルフは「マグレガーカントリークラブ」と、「太平洋クラブ成田コース」での2ラウンドだったが、祝日にも関わらず平日料金で楽しめ、どちらも比較的若いゴルファー達で盛況の様子だった。
タイプが異なる2つのコースだが、いずれもコンディションは申し分ない。FBでメンテナンス情報や改修箇所をこと細かにレポートして、密にユーザーとのコミュニケーションをはかっているのも好印象だ。
「碑文谷」が新しくはじめたサービスと、プレーヤーとの親和性を高めるゴルフ場。ゴルファーのニーズに「じわる」マーケティングに共感を覚える。
この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2019年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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