東京オリンピックの開催が、いよいよ来年に迫る。観戦チケットの当落が世情を賑わしたが、周りに聞くと、様々な競技を申し込み、当選したらその日は会社を休むという方や、すべて当選することはないから…と200万円近い抽選予約をした方もいた。
我が家も家族それぞれIDを取得し、抽選予約を行ってみた。この競技はどんな競技?できれば暑いから屋内がいいなぁ…などと家族で好き勝手言いながらも、せっかくの機会だからと普段慣れ親しんでいない競技にも申し込む。もし当選したら初めての競技を、競技場で観戦することになるが、それはそれで興味の幅が広がりいいのではないだろうか。
ゴルフ場は広いから当選確率が高いのではないかと話すと、オリンピック時に70歳を迎える母も当選したら行くわ!と息巻いていた。40代までゴルフをしていた母だが、長らくゴルフから遠のいている。ゴルフの観戦経験はなく、当選したら初観戦。そんな母から寄せられた観戦についての素朴な疑問4つを紹介したい。
①【服装】観戦の時の服装にルールはあるの?ホームページにあるゲストの服装を見ればいいのかしら?スニーカーで来てはならないとあるけど…。
②【暑さ対策】暑くて途中で疲れた場合、どこかで休めるところはあるのかしら。
③【お手洗】ゴルフ場ってコースに出たら、あまりお手洗いがないイメージなのよ。
④【観戦時の行動】どこに居たらいいの?選手について回るのかしら。
これら4つの疑問は真剣に来訪を検討しているゴルフ観戦初心者なら、至極当然の疑問といえよう。
ゴルフ場のホームページを確かめたところ、①【服装】はプレーヤーであるゲストの服装についてのみ書かれている。
「ゲスト」や「ビジター」の表現は一般的には来訪者の意味なので、観戦初心者にとっては分かりにくい。直接問い合わせてみると「観戦者はどのような格好でも構いませんが、芝を守るため、ヒールの靴は避けてください。スニーカーで構いません。あと虫除けと暑さ(日焼け)対策はされた方がいいと思います」と丁寧に教えていただいた。
さらに、②【暑さ対策】についても伺うと「まだ会場レイアウトは決まっていませんが、休憩用のテントはございます。ただ、コースは直射日光が当たるので帽子や水分補給をお忘れなく」。また、③【お手洗】は「仮設トイレを設置予定です」とのこと。
たとえ観戦初心者でも、ゴルフ中継をみたことがある方はある程度観戦のイメージがつくが、そうでないとゴルフは他のスポーツ観戦よりも、④【観戦時の行動】が分かりにくい。
サッカー、野球のように椅子が指定されておらず、マラソンのように沿道(コース外)にはいるが、賑やかな声援には制限がある。スポーツニュースでの切り取られた映像にギャラリーが映ることはあまりなく、ゴルファーではない観戦初心者には情報が少ないのだ。
あと1年、されど1年。オリンピックをゴルファー増のきっかけにするため選手への期待も高まるが、期待をするばかりでなく、観戦者増のために努力できることがもっとあるはずだ。スポーツは「する」ばかりではなく「みる」「支える」といろんな形があるのだから。
この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2019年7月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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