練習場契約の地元プロ鶴岡果恋ちゃんに親心でアドバイス

練習場契約の地元プロ鶴岡果恋ちゃんに親心でアドバイス
横浜市栄区にあるゴルフ練習場・第百ゴルフクラブは、鶴岡果恋(つるおかかれん=20歳)プロのワッペンスポンサーとして契約、練習活動を支援している。 支援内容は練習打席および練習ボール利用の無償提供、当練習場HP 、SNS広告および応援メッセージ掲載試合や雑誌などのワッペン広告費支払いなど。小学生から第百ゴルフに通っていた彼女は、お客様とスタッフの希望の星だ。 支配人の私は、契約に含まれる支援内容とは別に彼女への「教育」を意識している。こんなシーンを思い出す。今年3月、人気ゴルフ番組「ゴルフサバイバル」(BS日テレ)に初出場した時のことだ。 横一列に並んだ選手の中で、一人だけ大きく足を広げて立っている姿、そして「鶴岡プロ脱落です」と進行役から言われた直後、「くっそー」の一言がピンマイクに拾われ世間に流れた。可愛らしい「くっそー」ではあったのだが、放映後、私は彼女に「くやしいの一言に変えましょう」とアドバイスした。 「え!? 足広げてました?」「うん、ほら、今も」「あ、ほんとだ!」「意識すれば治るね」「はい!ありがとうございます」。とても素直な性格だ。 今年のゴールデンウィーク、お客様から多くの要望があり、「鶴岡プロ応援サイン入りグッズ販売」を行った。 開催数日前、100枚のタオルとボールにサインを書く姿をお客様に見ていただきたく、打席出口の正面から見えるティールームで作業をしてもらった。口を尖らせた可愛い横顔で一生懸命サインして、1枚づつ丁寧にビニール袋にしまい、ボールも箱にきっちり戻し、最後は段ボールに並べてふたする。一連の作業は全て自分のこと。あえて手伝いはしなかった。 サイン会当日も机を運んで雑巾がけ、お釣りの準備やサイングッズを並べたりと、販売までの全てを鶴岡プロ自身が行った。「プロにやらせるの?」とのお声もあったが「はい、彼女のサイン会なので」と私はお答えした。もちろん、サイン会が始まったら、写真撮影等は私がしっかりサポートした。 努力と練習を積み重ね、多くのライバルがいる中、19歳だった彼女はプロテスト1発合格。我々が知る由もない厳しいプロ生活をスタートさせた彼女を、私は心から尊敬している。 先日、地元戸塚カントリークラブで開催されたレギュラーツアーに推薦枠で出場した「資生堂アネッサレディース」では38位タイだった。第百ゴルフの多くのお客様、スタッフが応援に駆け付けた。錚々たる選手の中、彼女の成長ぶりは感動ものだった。 鶴岡プロは、私の想像を超える厳しい世界で戦っている。今後は様々な可能性と輝きを放ちながら、たくさんの経験をして、もっと大きく広い世界に羽ばたいていくことだろう。 ゴルフが上手くて、スタイルがよくて、可愛らしいおしゃれなプロゴルファーはたくさんいる。彼女の人間性、知性、大人の女性としての魅力がファンに伝わるよう、我々の手が届かなくなってしまう前に、少しでも教えてあげられたらと思っている。その心情は母心に似たものかもしれない。
この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2019年月8号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら