ドラコン女子のわたしが「インスタ映え」を通じて女性に伝えたいこと

ドラコン女子のわたしが「インスタ映え」を通じて女性に伝えたいこと
わたしは「ドラコン選手」だが、SNSを使ったインフルエンサーの活動もしている。YouTube(杉山美帆の美スイングゴルフ)の登録者は2万9000人、インスタグラムのフォロワーは4万4000人。その一方「ゴルフダイジェスト日本ドラコン選手権」では2017年3位(305ヤード)、昨年は2位(309ヤード)だった。 わたしがゴルフを始めたのは小学3年生の頃。もう20年前のことになるが、父親の練習場通いについていったのがきっかけだ。当時からゴルフは紳士、淑女が嗜む「大人のスポーツ」との印象が強く、同世代の友達からは「おじさんのスポーツ」と言われていた。可愛いゴルフグッズは少なく、練習場で若い女性を見掛けることもない。わたしはファッションに無頓着で、スイングに熱中する少女だった。 そんな当時と比べると、今は隔世の感がある。可愛いグッズが沢山増え、インスタグラムで「#ゴルフ女子」を検索すると何万件もの投稿がヒットする。女性のファッション誌ではゴルフ特集が組まれるなど「おじさん」のスポーツではなくなった。背景には、インスタ女子やモデルのゴルフ女子達がゴルフの楽しさを普及していることもあるだろう。 わたし自身、SNSの効果を実感する一人で、発信内容はスイングの仕方やコーディネートの紹介が多い。インスタグラムのフォロワーは男性が約85%を占めているが、女性も少しずつ増えている。女性のフォロワーから「コーディネートを参考にしてます!」などのコメントをもらうと嬉しくて、励みにもなる。 ここで「インスタ映え」について考えてみたい。他のSNSと比べたインスタグラムの特徴は、自分の日常の写真をメインに発信しやすいこと。このツールを上手に使えば女性ゴルファーを増やせると考えるのは「インスタとゴルフの相性」がとてもいいからだ。 可愛いウエアや小物だけではなく、ゴルフ場には豊かな自然、「映える」景色が広がっている。ゴルフ場の食事ではその土地の名産が味わえ、ファッション、景色、グルメなど「インスタ映え」の宝庫なのだ。わたしは写真を撮って発信する際、ありのままの自分や正しい情報を伝えるよう心掛けている。インスタの輪が広がれば、きっと「ゴルフって楽しそう!」と思ってもらえるはず。 とはいえ、ゴルフは紳士、淑女の「大人のスポーツ」であることも忘れてはならない。今年1月のルール改定で複雑な規則が簡素化され、ドレスコードの緩和や9ホールゴルフの薦めなど、各所で「手軽さ」への動きが散見される。その反面、インスタ映えにこだわるあまり、スロープレーになってはいけない。プレーヤーファーストを意識しながらもゴルフの良さを発信してほしいと思っている。 影響力があるゴルフ女子の皆さんには是非、コーディネートと一緒にマナーやルールも伝えてほしいと願う。プレー時にはスポーティーなファッションで、プレー前後は大人のオシャレでビシッと決める。ジャケットを羽織って颯爽とゴルフ場へ行くことは「かっこいい!」と憧れてもらいたい。
この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2019年月8号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら