ツアーサポートの舞台裏「操作性、当たり負け抑制、 撓り戻りの速度増が鍵」

ツアーサポートの舞台裏「操作性、当たり負け抑制、 撓り戻りの速度増が鍵」
今回は、ドライバーヘッドとシャフトのマッチングの方向性を探るべく、三菱ケミカルの伊藤成就氏に話を聞きました。 [caption id="attachment_58987" align="alignnone" width="788"]ツアーサポートの舞台裏「操作性、当たり負け抑制、 撓り戻りの速度増が鍵」 左:穴井詩、右:三菱ケミカル 伊藤成就氏[/caption] 伊藤氏は、「あくまでヘッドのデザイン物理特性が主役で、その性能を最大限に引き出すシャフトを提供するのが開発の基本方針です。 これまで、アスリートがヘッドに求めていた『操作性(重心距離が短いコンパクトなディープフェースデザイン)』『美しいヘッド形状』『方向安定性』が、『ボールの直進性』『飛距離』『形状による総合性能』を求める方向に変化し、各社が上市するヘッドも慣性モーメント(MOI)が大きく、重量も従来より重めに設計したヘッドが多くなっています。 また、弾道測定器の普及でドライバーのボール打ち出し角度とスピン量の関係が考慮され、低スピン傾向のヘッド開発が進み、プレーヤーのスイングタイプによってはボールが滑る、またはドロップすることが見られます。 少なくなりすぎたスピン量を調整することも新しいシャフトの開発で重要視されます」 [caption id="attachment_58985" align="alignnone" width="788"] 左:S・ランクン[/caption] この伊藤氏の発言を踏まえると、シャフトに求められる性能は、

3つのコンセプトで共通することは、MOIの大きくなったヘッドを、如何にコントロールしてミート率を上げることができるか、いかにオフセンターヒットでも当たり負けしないか。また、これらを可能にしながらしなり戻りのスピードをあげられるかがポイントになっています。 ツアーサポートの舞台裏「操作性、当たり負け抑制、 撓り戻りの速度増が鍵」 最近のJGTO、LPGAの優勝者で三菱ケミカルの「ディアマナDF」「テンセイ CK Pro オレンジ」「ディアマナZF」の使用者が目立ってきていますが、ヘッドに対応するようなシャフト開発が重要になってきているようです。 ただ、使用者はそれなりのヘッドスピードがあるプレーヤーに向きそうな「テンセイ CK Pro オレンジ」(穴井詩、原英莉花、成田美寿々)や、ボールを低く抑えられることで使用者が増えた「ディアマナDF」(池田勇太、藤田光里)についてはハードヒッターイメージが濃く、優しさも加えて多くのプレーヤーが恩恵を受けられそうな「ディアマナZF」(藤田寛之、小鯛竜也、S・ランクン、40R2から40X、50X、50TXなど)には、筆者も興味津々で、高MOIヘッドにマッチするシャフトの使い道は奥が深くなりそうと考えています(使用者情報は7月31日現在)。