先日、ゴルフで腰を痛めた。得意のドライバーショットで突如、右腰に力が入らなくなり、ボールはへなへなとした勢いで右に飛んでいった。
クラブを杖替わりになんとか18ホールを終えたものの、それから2日間、寝返りを打つたびに激痛が走るほどの痛みに悶絶することになった。
次のプレーは3日後、しかも全員初めましてのメンバーだ。腰痛を理由に恥ずかしいゴルフはできないと、藁をも掴む思いで最寄りの整骨院に駆け込んだ。
そこでは野球選手の大谷翔平が使う「ハイボルテージ電流治療器」や、ソチオリンピックでも使用され、片山晋呉も愛用する高周波治療器「ラジオスティム」などの最新機器が導入されており、60分ほどの治療で痛みの6割くらいが軽減された。
いつまでも健康でいられるよう「康子」と名付けられた。大病もなく、海外出張や連日のゴルフと飲み会に耐えうる体力だけには自信があったので、突然の激痛に「ゴルフができなくなったらどうしよう」と不安でたまらなかった。病状が改善されてほっとしたわたしを見て、「これからは、年相応のスイングをしなきゃだめですよ」とたしなめられ、病院を後にした。
TBS「サンデーモーニング」で野球評論家の張本勲氏が、高校野球史上最速ピッチャーとして注目を集めた大船渡高校のエース佐々木朗希投手が故障を防ぐために試合に起用されなかったことに、「投げさせるべきだった。ケガを怖がるならスポーツ辞めた方がいい」と言及し、案の定大炎上した。
共同通信によると、米大リーグ、カブスのダルビッシュ有投手は、「熱中症対策や球数制限など、子どもたちや野球の未来を考えれば普通にやるべきことができていないってことが問題」と苦言を呈し、ツイッターで「願い事がかなうなら、このコーナーを消して欲しい」とつぶやいた。
張さんの「喝!!」に端を発した騒動は、「根性論」VS「科学的エビデンスの重要性」の議論に発展。
野球解説者の廣岡達朗氏は「週刊ベースボール」で追い打ちをかけるように「水分補給が集中力の低下を生む」、「真剣にプレーするときに笑ってはいけない」との持論を唱えた。試合における極度の緊張状態で能力を発揮するために、精神を鍛える必要性は否定しないが、ファクトに基づいた選手ファーストの考え方が日本のスポーツ界に根付くことを願うばかりだ。
NHKのニュースで、ひじを傷めたプロ野球選手が行う「トミー・ジョン手術」を受けたおよそ4割が高校生以下の子どもで、中には小学生もいることが分かったと報じた。世代交代が進む日本女子プロゴルフ界を引っ張るのは、宮里藍さんの全盛期を見て育った1998年度生まれの「黄金世代」だ。
気になっているのは、ベテラン選手だけでなく、10代のうちから腰痛などのケガに悩まされている選手がいること。プロ選手はもちろん、アマチュアも長きにわたりスポーツを楽しむためには指導者の意識改革と時代に合った体のケアが欠かせないと痛感するこの頃だ。
この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2019年10月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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