混沌とした時代だからこそ、強いメッセージが人を動かす。
月刊ゴルフ用品界創刊500号を機に、各社トップにインタビュー。ビジネスヒント満載の言葉の数々をお届けします。
今回ご登場いただくのは、マジェスティ ゴルフ株式会社 専務執行役員 西原 徹朗氏。
匠の世界観をもっとゴルファーに訴求していきます!
「創刊500号、おめでとうございます。御社の記事、いつも隅々まで読んでいます(笑)」
ありがとうございます。西原さんはテーラーメイド、ナイキと業界歴が長いですが、それだけじゃなく、ゴルフへの造詣も非常に深い。
「とんでもありません。ただ、私にとっては『ゴルフ・イズ・ライフ』――。単にプレーするだけではなく、ゴルフの文化的要素も大好きで、マスターズの歴代勝者も暗記してます(笑)」
それは凄い。その西原さんがマジェスティゴルフの専務になってすぐの仕事が『マジェスティ ロイヤル』の記者発表。以後の商況はどうですか。
「好調だと思います。記者発表が7月10日で発売日(9月6日)まで2ヶ月ありましたが、いい形でメディアに取り上げられて市場の期待感を生み出せた。その後、事前の準備に注力しました。8月に店頭へ試打クラブを供給して先行受注につなげる一方、9月6、7、8日の3日間は全国27会場で『飛び実感キャンペーン』を実施、数百人単位のゴルファーに試打機会を提供しています。事前にやることは全てやった。今はそのように感じています」
発売間もないですが、実売データは出てますか。
「はい。比較対象は前作の『ロイヤルSP』になりますが、8月からの予約販売、そして発売日以降初週の売れ行きを見ると、いずれも前作を超えて初動の目標はクリアしています」
今回の『ロイヤル』は『マジェスティ』の購入層を広げること、つまり裾野を広げるのがミッションですね。新規層の購買状況はどうですか。
「現状では新規の方が多いんですよ。我々のシェアは大きくないので、その意味でも購入者の拡大は不可欠。新商品の7割は新規を取り込みたいと考えていて、過去の実績と比べても、今回は新規層が多いですね。顧客のデータベースでも、新規は確実に増えています」
どのブランドから『マジェスティ』に替えているのか?
「国内ブランドからスイッチするケースが目立っていますが、ただ、国内や海外といったように、ブランドの国籍はあまり関係ないと思うんですよ。今回の『ロイヤル』は『マジェスティ』への導入口と考えていて、その先にあるのが究極の『プレステジオ』です。この立ち位置はブレませんし、きちんとポジションを定めながらの展開が最も大事だと心得ています」
自社競合の心配はどうですか。『ロイヤル』のクオリティを上げると『プレステジオ』とバッティングするのでは?
「それは考えにくいと思いますねえ。先ほど話したように『ロイヤル』の購入者は『マジェスティ』を初めて手にするゴルファーなので、いきなり『プレステジオ』には行きにくい。まずは『ロイヤル』を使って、最終的に『プレステジオ』というイメージなんですね。実際、両者はスペックも違います。『プレステジオ』は47インチですが『ロイヤル』は46・5インチに45・5インチもある。発売時期も双方隔年で、逆に『プレステジオ』の購入者が『ロイヤル』を買うことも考えにくい」
サービス面も差別化を図るわけですか。
「はい。全オーナーへの特典と『プレステジオ』以上に限定した特典があります。グリップ交換は購入後3年以内は無料だし、ヘッドのロフト角とシャフトの硬さが合わなかったら正規料金の半額で交換する。特にグリップは必ず消耗するものなので、とても喜んで頂けます」
匠のこだわりに驚いた
西原さんは業界他社の経験がありますが、比較論としてマジェスティゴルフの強みはどこにありますか。
「モノ作りです、これはもう完璧ですね。何社か経験してきましたが、正直、ここまでこだわってる会社はありません」
具体的には?
「まず、杉山健三(最高顧問)を筆頭とした匠の技で、それだけではなく、手間暇やコストを惜しまない。この業界には、何となくの常識、コスト意識を含めてのことですが、そういった常識がありますよね。例えば純正シャフトです。これを開発する上でもコスト的な制約等が厳しいわけですよ。ところが弊社に来て驚いたのは、ヘッドとシャフトのマッチングをコストの制約なくやっている。私の中にあった常識が、思いっきりひっくり返されました(笑)。
ですから今後、こういった部分をもっとアピールする必要もあります。製造の現場に来て頂くと『マジェスティ』がなぜ高額なのか、そのあたりの理由が納得頂けるはずです。特に鏡面仕上げの素晴らしさは、他を圧倒する外観の美しさにつながっています。」
上質ですね。ほかにゴールドをウリにするメーカーは数社あるけど、お世辞ではなく御社が頭ひとつ抜けている。『ロイヤル』のシャンパンゴールドも絶妙な風合いがあって。
「嬉しいですねえ、そうなんですよ。これは加工技術だけではなく、検品工程でも大ベテランが目を光らせて、一切の妥協を許しません」
それもコストの背景になる。ところで、今後は海外市場に注力するそうですが、そのあたりの要諦は何でしょう。
「まず、テクノロジーの進化で世界がドンドン狭くなっていますよね。ビジネスもグローバルで物事を考える傾向が強くなっています。ブランドビジネスという観点では日本での成功は当然ですが、逆に世界で結果を出すことが日本で認められることにもつながります」
その際、オーナーの考え方が重要になる。金在昱社長は韓国系米国人ですが、アメリカ流の考え方も反映される?
「おっしゃる通りで、オーナーは韓国系米国人なので、メンタリティは米国人なんですね。法人は韓国だけではなく、厳密にいえば日本や香港にも法人がある。その意味では、グローバルに展開しているファンドだと言えるわけで、マジェスティゴルフに関しても日本、韓国、中国、米国、そして台湾にも現地法人があって、代理店は欧州、オセアニア、東南アジアの各国に設置しているんです」
意外とグローバル。
「そうなんですよ。これら各国でのビジネス強化はもちろんですが、これまでブランドイメージの統一が上手く図れなかった地域もある。地域によってブランドの見え方が変わると成功しないでしょ。今後の課題は世界統一の徹底で、積極的に進めてまいります!」
マジェスティゴルフのこれまで
- 昭和46年
マルマンゴルフ㈱を設立
昭和48年
マルマンゴルフ松戸工場竣工
平成8年
マルマンゴルフ25周年記念モデルとして「マジェスティ」発表
平成13年
新㈱マルマンコーポレーション・マルマンゴルフ㈱として営業開始
平成15年
2月 グループ統合により、マルマン㈱として営業開始
平成17年
大阪証券取引所『ヘラクレス』に株式上場
平成23年
香港に子会社、丸万(香港)有限公司を設立
平成24年
上海の子会社、丸万(上海)体育用品貿易有限公司の営業開始
平成25年
北京の子会社、丸万(北京)商易有限公司の営業開始
平成30年
子会社、マルマンH&B株式会社を設立
平成30年
健康食品関連事業を子会社のマルマンH&B株式会社に譲渡
平成30年
社名をマジェスティ ゴルフ株式会社と改称
マジェスティ ゴルフ株式会社
TEL:03-6275-6308
https://www.majesty-golf.com
[surfing_other_article id=59096]