楽天 反町執行役員インタビュー:予約から総合サービスへ 楽天GORAの市場存在術

楽天 反町執行役員インタビュー:予約から総合サービスへ 楽天GORAの市場存在術
混沌とした時代だからこそ、強いメッセージが人を動かす。 月刊ゴルフ用品界創刊500号を機に、各社トップにインタビュー。ビジネスヒント満載の言葉の数々をお届けします。 今回ご登場いただくのは、楽天株式会社 執行役員 コマースカンパニー ゴルフ事業ヴァイスプレジデント 反町 希一氏。

予約から総合サービスへ 楽天GORAの市場存在術

「創刊500号おめでとうございます」   ありがとうございます。2004年に楽天GORAが始動して早15年。現況と今後の展望についてお聞きかせください。 「分かりました。弊社では、国内ゴルフ場予約の送客を行っていますがその優位性として大きいのは楽天IDを使えること、そして「楽天スーパーポイント」を貯めたり使ったりしていただけることです。 「楽天スーパーポイント」は買い物にも旅行にもお使いいただけるので、他社との差別化になると考えています」   今、何コース予約できる? 「契約コースは全国2200分の約2000なので大半をカバーしています。楽天GORAの加盟ゴルフ場様が約1900強で、2017年に名門コースを対象に予約ができる会員制度スポニチゴルファーズ倶楽部(現・楽天SGC)を買収しました。 そこが当社に未加盟のゴルフコースとの契約を100程度持っていたので、併せて2000です」   楽天GORAは無償で利用できますが、楽天SGCは有償? 「はい。年間2万5920円(2019年9月現在)を支払うことで、名門コースでの予約が可能になります。また、会員を対象としたオープンコンペやフルバックの競技会にも参加できるので、最近は会員様同士のコミュニティも活発ですね。 また、2018年3月には、アクティブなゴルファーを対象とした楽天ゴルフ倶楽部(年会費1万円)を立ち上げ、優先予約枠やディスカウントクーポンなどに加え、ゴルファー保険が標準で付与される仕組みを立ち上げました。 年間4回プレーすれば元が取れるので、ヘビーゴルファーの間で人気が集まっています」

今後成長が予想されるネット予約

なるほど。今後のネット予約の割合は? 「現在のゴルフ市場の中心は60〜70代ですが、インターネットサービスに親しみの深い今の30〜50代がメインのユーザーとなる頃にはネットでの成約率が向上するのではないかと考えています。 そのため、我々のサイトやアプリのユーザービリティやユーザーエクスペリエンスの向上は今後より重要になると考えていますので、お客様からのご要望も参考にさせていただきながら、継続的に改善をしていく予定です」

国内ゴルファーのアウトバウンドで市場活性化

局面的にはそうでしょうが、プレー人口が減れば、比例してゴルフ場も閉鎖する。プレーの場がなくなると、世代に関係なく母数が急減しますよね。 「ゴルフ場がなくなると我々の在庫もなくなるので、そこにソリューションを提供する重要性があると思います。ひとつはアウトバウンドへの期待が大きいんです。 実は今年1月、ハワイの予約サービス「ABC GOLF」を買収して、日本の優先予約枠を提供し始めました」   なぜ、ハワイ? 「年間10数万人がプレーしていて、日本はヘビーゴルファーの利用が非常に多いです。グアム、タイの利用も年々増加をみせていて、今後はベトナムも視野に入れています。 特にベトナムは毎年70コースが新たに建設されていて、一層ニーズが高まると予想しています。楽天のIDで海外のゴルフ場もリアルタイム予約できる、というのがお客様にとっても利便性が高いと考えています」

『人材不足』にも着目『レベニューマネージメント』導入でコンサル事業参入

なるほど。ほかに業界を支える施策はありますか。 「日本のゴルフ場が抱えている課題は集客と人材不足だとずっと考えていて、これをご支援できないかと考えています。前者は既にツールがありますから、人材不足をどう解消するかが解決課題だと思っています。 その際、ひとつは生産性の向上ですね。一部でサインレスでゴルフ場の受付ができる楽天チェックインもはじめていますが、これはカードやアプリのバーコードを使ってチェックインすると楽天IDにつながって、誰がいつ来場するかゴルフ場へ情報がいく仕組みです。 受付の方の手間を軽減するだけでなく、サインレスでチェックインできるのでお客様の待ち時間を減らすこともできます。弊社では、楽天イーグルスの試合が開催される楽天生命パーク宮城のスタジアム内の全店舗キャッシュレス化を始めました。他の業界にも様々なヒントがあると思います」   今年6月にはゴルフ場コンサルティングサービス事業に参入しました。 「はい。当社がこれまで蓄積してきた約2000コースの予約データと運輸業やレジャー業が採用している『レベニューマネージメント』の手法を組み合わせたもので、予約・キャンセル日時・繁忙期・閑散期などの需要を予測し、最適な販売価格・数量を適用する管理手法です。すでにテスト運用を開始しており、来年早々には本格稼働できると考えています」   解析技術は日進月歩ですね。スマホの急速な普及により、予約もしやすくなった。 「確かに、スマホの登場は革命的だったし、そのアプリ開発だけでも大変な作業です。恐らく今後、デバイスはサイズの違いやスマホとタブレットの違い、ブラウザーによっても違うため細分化します。 今は5Gの話をしていまして、するとコンテンツ自体の在り方がどんどんリッチになってくる」   なるほど。5Gは高速・大容量を飛躍的に高める、コンテンツの表現力も格段に上がる。そこでのキーワードはズバリ? 「『動画』でしょう。予約事業で凄く大事なのは、ゴルファー自身にそこでプレーしている姿をリアルに想像させることなんですね。我々のサイトの、人気コンテンツに『フォトギャラリー』があります。 約1800コースの全ホール写真を自社で撮ったものなんです。フォトギャラリーのようなゴルフ熱を高めるコンテンツはこれからも充実させていきたいです」   5年後に理想とするサービス像は? 「今までは予約サービスでひとつの柱は作れましたが、これを大事にしつつ、よりゴルファーの方々にとって使いやすいサービス、ゴルフをしたくなる仕掛けをつくりたいです。 と同時にゴルフ場の支援もすることでB2C、B2Bを健全にして、ゴルファーの活性化に貢献したいと考えています」

楽天GORAのこれまで

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