ライト(株)水越専務インタビュー:痒いところに手が届く「商品・サービスの肝ですね!」

ライト(株)水越専務インタビュー:痒いところに手が届く「商品・サービスの肝ですね!」
混沌とした時代だからこそ、強いメッセージが人を動かす。 月刊ゴルフ用品界創刊500号を機に、各社トップにインタビュー。ビジネスヒント満載の言葉の数々をお届けします。 今回ご登場いただくのは、ライト株式会社 専務取締役 水越 敬彦氏。

痒いところに手が届く「商品・サービスの肝ですね!」

「創刊500号、おめでとうございます(笑)」   ありがとうございます。御社とのお付き合いも非常に長いわけですが、そこで今回は温故知新を含め、御社の現状や将来構想を伺えればと思います。まず、創業は1954年、創業65年の老舗ですね。 「はい。私の祖父の水越彦一郎が与野市(埼玉県)にスキー用メリヤス製品を手掛けたのが始まりでしたが、あるメーカーからゴルフ用ヘッドカバーの製造を依頼されて作った。それがゴルフ用品に携わるきっかけとなりました。1958年には練習場向けに『リターンティー』という製品を作り、ゴルフ用品の製造・販売を本格化させたという経緯です」   「リターンティー」とは? 「当時の練習用ティーはホースを輪切りにして、紐をつけたものでしたが、打つたびにティーが飛んでしまう。そこで鉛にゴム製のティーを付けて、ティーが飛ばず常に同じところに戻ってくるようにしたものです。この製品はうちに残っている最も古いカタログ(1963年版)にも掲載されていますが、その後、ティー、鉛(バランス)、ショットマークなど商材を広げていきました」   当時のカタログでは会社の英語表記が現在のLITEではなく、RAITOになっていますね。時代を感じますが、当時の扱い品目数は? 「SKUは100くらいでアイテムは20点ほど。今はSKUが2500、アイテムが1000くらいですから隔世の感がありますね」   現状、御社のビジネスの柱は自社製品の製造・販売と他社製品の卸になりますね。 「はい、双方力を入れています。自社製品については、特に専任の開発担当者はいませんが、営業マンを含めて全社員でアイデアを出し合いながらモノ作りをしています。その一方、他社や一般から持ち込まれたアイデアを商品化するケースもあります」   他社製品の販売代理業という意味では、御社の販売網は半端じゃない。ゴルフ用品を売っているところには必ず供給しているとの印象があります。 「流通網は当社の強みでもありますからね、量販店の場合は1000店舗と取引しており、幅広く商品を展開したいメーカーにとっては、うちの流通網は最適だと自負しています。特に小物類のメーカーにはメリットがあるでしょう」   と、いいますと。 「まず、送料です。クラブメーカーはドライバーを1本だけ送っても単価が高いので商売になりますが、1個100円の小物は一つだけ送るわけにはいきません。そこで、うちでパッケージ化して商品を送ればコストを吸収できる。そこが販売代理店としての強みだと思います」   レーザー距離計は比較的新しい商品ですが、ニコン、サングラスの山本光学などでも実績があります。 「実は、この2社とは20年前くらいから取引を始めているんです。参入当時は全くゴルフ業界のことを知らなかったので、うちが道案内役をした格好ですが、当社にとっても新しい商材を勉強する機会になりました。互いに市場を作っていったという感じでしょうか。今はレーザー距離計がブームで、ようやく花開いたという感慨があります」

イチ押しはネームプレートカードの推進

様々な商材を扱う中で、イチ押しの商品は何ですか。 「今年7月から開始したネームプレートの彫刻です。イメージとしては、コンビニのPOSAカード。カードを店頭に並べて、それをお客さんがレジに持っていくというものです。これ自体にはネームプレートは入っていませんが、パッケージの中にシリアルナンバーがあり、QRで商品頁に飛んでもらえば好きな書体でネームプレートを作れるというサービス。商品はこちらからお客さんに直送します」   なぜ、ネームプレートだったのですか。 「ネームプレートは昔、店員さんが店の奥で彫刻機を使って彫っていたんです。でも、最近はやらない店も増えていて、お客さんがネームプレートを持ってきたら町の徽章屋に外注で出して、出来たらまたお客さんに来店してもらうという流れで、これだと煩雑じゃないですか。作業日数も、完成までに10日から2週間ほど掛かると聞いています。最悪な場合、ゴルフショップの近くに徽章屋がないとお客さんからの注文を断ってしまうこともあります。もったいないし、サービスの在り方としてどうなんだろう、と」   なるほど。ネームプレートが縁でクラブ購入の上顧客になる可能性もある。いろんな面でもったいないですね。 「そうなんですよ。ユーザーの利便性を叶えると同時に、お店へのサポートという側面もありますよね。つまり、細かい作業は当社が肩代わりして、店員さんには販売に集中して頂きたい。当社としては、そこに商機を見つけたわけです」   ちなみにプレートの種類と価格は? 「4種類です。プレートの素材は金属、木製、そしてアクリル製には無垢なタイプと裏面にデザインを施した2タイプがあって計4種類。価格は1500~3500円で、これには送料が含まれます」   売場の反応は? 「反応は上々ですね(笑)」   そのような「商機の発見」は老舗のゴルフ企業ならではですね。痒い所に手が届く。 「そのような経験値を踏まえながら、さらに進化しなければならないと考えています。今は消費者のニーズが多岐にわたっているので、それに伴い商品のジャンルやアイテムが増えています。昔はメーカー発信でうちのアイデアだけで商品化していましたが、市場の発展期には通用しても、現状では難しい。さらにお客さんの商品知識がもの凄く高くなっていて、情報収集力も飛躍的に高まっている」   メーカーとして、常にその先を行かねばならない。 「おっしゃるとおりです。なので、メーカー側の一方通行、自己満足に陥らないためには現場の声を吸い上げるのが一番大事。それには社員がもっと現場を知り、ゴルフそのものを知らなければなりません。ということで当社ではプレーフィーの助成制度を設けるなど、社内のゴルフ熱を高めてますッ」   社内からゴルフの活性化? 「そこは本当に大事です(笑)」

ライトのこれまで

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